「先入観」の嘘について
人は、その経験や知識から「先入観」を持って物事を判断しがちですね。
本当の事実や根拠に基づかずに、誤った先入観を持ちやすいことは、人の本能でもあると言われていますので、「振り返ってみれば、単なる思い込みや固定観念に過ぎなかった」ということはままあります。
一方で、常識とか定説とされていることには、教育現場や専門家と呼ばれている人たち、情報を発する立場のマスコミなども「先入観」の影響を受けたり、他の空気を読んだり、他に同調したり…と、そんなある意味日本人らしいと言えるような特性もあって、本当の事実とは異なっているということもありそうです。
同じ先入観に基づいて判断・認識することを助長するような世の中、と言えるのかもしれませんね。
例えば、こんなことがありました。
病院で「あなたは高血圧です」と言われることはありますね。中高年ともなれば、そんな方はたくさんいらっしゃいます。
数値はいくつでしたか?
最近トクホの飲料のCMで「上が130突破したら高め」なんてセリフがありましたが、これ、ご自身で調べたことはありますか?
2014年のことでした。
日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、およそ150万人に及ぶ調査結果を反映した結果として、健康診断の判定基準を改訂しました。
それによると、血圧は上147、下94が新基準になりました。
それでちょっとした一騒動になりました。なぜなら患者さんは「私は高血圧ではないの?」「薬必要ないんじゃない?」と言い始めたからですね。「ダマされた」と思った方も多かったようです。
で、今度は、日本高血圧学会というところが、早速その基準を否定してきました。あくまで140/90が正解ですよ、と…。
で、それで落ち着いたかと思いきや、今度は、2019年に日本高血圧学会が正しくは130/80だと言い始め、今はそれをベースに考える医療機関等が多いのではないかと思われます。
専門家の間でも意見はわかれるわけですね。
もちろんそれ相応の根拠はあるわけですが、あえてちょっといじわるな言い方をしちゃうと、低めの基準のほうが高血圧と診断できる患者さん、増えますしね(すみません)。
結局、何が言いたいかと言うと、「元になる考えや基準は変わることがあるし、みんなが正しいと思っていることも、人によっては、当然違うこともある」ということです。
リスクを回避するために適切な治療を受けることは大事かもしれませんが、変な話、血圧上150とか160でも何の問題もなく過ごせる人もいれば、それだと体調の悪い人もいるわけです。人間の体なんて、きわめて複雑なわけですから、みんな、ひとりひとり、決して一様ではない、ということですね。
基準は、あくまで基準に過ぎません。
ひとりひとりが正しい判断をできれば、それだけ、言論や主張の信憑性、問題の本質・焦点などが正しく捉えられ、自身の理解や決断をより良いものにすることができます。
そのためには「人の本能」とも言える「先入観」(思い込みや固定観念も)をいかに適切に外していくかも重要ですね。
でも、そんな教育やトレーニングを受ける場や機会がないのも現状ではあります。
「おひとりさま」をとりまく「事実」を知るという意味でも…。
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「先入観」を適切に外していく教育やトレーニングを実施する場、機会というわけではありませんが、「きっかけ」となることはたくさんあると思います。
「おひとりさま」をとりまく「事実」を知るという意味でも…。
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