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新しい世界へのチケット

興味はありましたよ。でも一人ではちょっと。機会があれば行こうかなくらいの関心ごとでした。

たまには大阪にでも行ってみようかな。このあいだ、ワクチン接種で大阪に一人で行ったことだし、大丈夫でしょ。
そんな軽い気持ちと初めての大阪ブラブラ旅は、ワクワクするような、一人でつまらなくないかなと不安とが混ざったミックス状態。

さて、どこに行く?
このあいだは、ワクチン接種会場までのシャトルバスを利用したから、大阪駅からは初体験だ。
迷わないで行けるところ・・・
環状線なら、どっちの方向に乗っても必ず到着できそう。
ならば・・・アベノハルカス!
で、何か催し物・・・ああ、美術館があるやん。

ということで、なかば初めての土地で方向音痴気味の私はでかけました。

シン・ウルトラマンの催事。
あまり興味はなかったけれど、出かけたという満足感で十分。
美術館の出口近くにある土産物店で見つけたもの。
それは御朱印帳。
ウルトラマンとはまったく関係がないもの。
初めて手にした御朱印帳です。

木製の表紙に猫の絵。猫のいくつかは、切り抜かれで穴が空いています。
とても気に入ったので買いました。
わくわくしながら、帰路についたことを覚えています。
どこの神社に行こうかなと思いを巡らしました。

と、ここまではただ楽しいお出かけ話。
この御朱印帳が忘れられない存在になったのはここからです。

環状線の天王寺駅から大阪に向かいました。四人掛けのBOX席に座り、荷物を窓側において、次の一人おでかけの場所を考えていました。
大阪駅近くになって、車内アナウンスがながれ、
「この列車は大阪終点となっております。
折り返し、奈良方面への列車となります」
と案内されました。

奈良か、修学旅行以外に行ったことないな。
そんなことを考えながら、人の流れにまかせて、電車を降りました。
乗り換えのために通路を歩いて、慌てる私。
その時、気がつきました。
御朱印帳の入った手提げ袋を忘れた!

改札口近くにいる駅員さんに声をかけました。
「今、降りた列車に忘れ物をしたんです。その列車、ここから奈良方面に行くを言っていたんですが、どうすればいいですか」

「誰かが見いつけて届けてくれるか、終点で確認するしかないです」
そう言われて、忘れ物の届けを書きました。

そこからの帰り道は悔しい気持ちばかり。
なんで忘れたんだろう。
ウキウキしちゃって、注意力ゼロだったな。
見つからなかったら、また買いに行くか。
ああ、気に入ってたのに・・・

翌日、電話がかかってきました。
番号は関西からというのはわかりましたが、大阪ではない・・・
でるとJRの京都なんとか。
聞いたことのない駅名。
奈良から京都に行ったのか。

「忘れ物が見つかりました。取りに来ていただけますか」
はぁ・・・そこどこだよ。
すると、駅員さんは、「郵送することもできます」と言ってくれました。

そこで郵送をお願いしました。

私の行ったことのない土地を旅した御朱印帳。
なんだかうらやましい。

それからというもの、機会があれば神社巡りをするようになりました。
京都、神戸、東京、近くの神社、その他有名どこの神社と
今では、御朱印帳は五冊になりました。

目標は月に一度は一人で遠くまででかけること。
あのとき、アベノハルカスで御朱印帳に気づかなければ、
田舎に引っ込んだままの私でいたような気がします。

手作りで御朱印帳を作ることもありますよ。
楽しい時間へのチケットになった御朱印帳は宝物です。


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