見出し画像

障がいを持つ子どもを育児する母親の「生活の質」を向上させる要因とは。

 様々な支援の在り方、サポートの在り方がある中で、「それがただの気休め」なのか、「本質的に障がいを持つ子どもを育児する母親の生活の質を改善させることができる」のか、改めてお伝えしていきます。

生活の質(QOL)とは

 生活の質(QOL)とは、WHOで定義された広義な概念で、文化や価値体系、 個人の目標や期待、基準、理念と関連して、「自分の生活の状況を個々にどう認識しているか」になります。つまり、「 個人の身体的健康、自立の程度、対人関係、個人の信念や主な環境の側面との関係の持ち方」など、 複雑な点が盛り込まれています。
 例えば現在までの研究の中で、自閉症のある子どもたち(成人までの子どもを指す)の QOLの重要な構成要素は、
(1)教師が自閉症の障害を深く理解し、個別的に対応するための適切な情報提供や専門的な訓練ができているか、
(2)対人スキルの教育を受けているか、
(3)仕事の確保ができているか

という3つが挙げられています。
 このように様々な要因の中でも、「生活の質」に影響を及ぼす因子が少しずつ明らかになっています。

子育て期にいる夫婦のQOLについて

 約1万人のデータを用いて、「児童期の子どもの精神的健康」が「両親のQOL」に良い影響を与えると言われてきました。
 一方、子育て期の夫婦のQOLは、「子どもの発達段階により異なる」ことも明らかになってきています。子どもの年齢が上がるたびに「世帯年収」、「親の学歴」、「社会的地位」、「社会的サポートのネットワークの広さ」がより影響力を持ってくるとされています(詳細を割愛致します)。

障がいを持つ子どもを育てる母親のQOLについて

 ずばり、上記のQOLデータに加えて「主観的幸福感」、「SOC(健康生成志向)」、「ソーシャルサポート」の相互補完関係で成り立つと言われています。
 その詳細として、「主観的健康観」においては、障がいを持つ子どもの母親は年代が上がるにつれて高くなる傾向があり、それは、「人生には困難なことがおこるもの。それらが起こったとしても十分な資源を自分が自由に使えると感じている(SOCの処理可能性)」ことが重要だと言われています。
 つまり、子ども幼少の頃は育児の経験も浅く、困難なことへの処理ができないが、年代が上がり、困難な経験を積み重ね、それに必要なソーシャルサポートや夫婦関係を良好に保つ配慮ができる。それによって、たとえ困難なことが起きても処理できる、という結果からQOLが相互補完で高くなる傾向があります。
 そのためには、困難にあたる育児初期に「情緒的サポート」を受け、周囲の人々の理解や同様の境遇の人との出会い、自分ひとりではないという孤独からの脱却が大切となります。

最後まで読んで頂きありがとうございます。では、もう少し具体的に育児や療育ついて教えてほしい、サポートしてほしいと思われたら、こちらのサービスで横山が伴走致しますので、良かったら覗いてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?