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家族でもわかる、注意欠陥多動症の子どもの服薬と効果・効能に関する見立て

 子どもに注意欠陥多動症などがあるとわかり、集団行動に馴染めない時期があったり、学習で集中できなかったり、多動な様子が見られて集団生活を上手く過ごせないこともあります。そんな時に服薬を勧められたら親の皆さんはどのように判断するでしょうか。

注意欠陥多動症とは

注意欠如多動性症は、発達の偏りのうちの一つで、生まれつき注意・集中力が(対人場面だと)発揮されにくいタイプのことを言います。その背景に、脳の低覚醒があると考えられています。 ただし、注意欠如多動のこどもは、常に集中力に欠けているわけではありません。身体活動をしている間、ある いは自分にとって興味が掻き立てられるものを目の当たりにした際だけは、集中力が発揮されることが多いです。

 ある運動・興味をトリガーとして集中力が上がるという注意欠如多動の傾向がある子どもは、運動が好きな子が多く、 体を動かしているほうが集中・記憶力も向上する方が多いです。 ただし、注意欠如多動症のこどもにとっては不幸なことに、現代日本の学校教育は、机の前に座って受けなくてはなりません。こうした条件を鑑みると、中枢神経刺激薬を内服することによって、人為的に意集中力を向上させるというのも、一つの選択肢と考えられるでしょう。

注意欠陥多動への初期対応

 上記のように、注意欠陥多動症の特性によって集団行動への適応が難しい場合、服薬も一つの選択肢になります。その服薬は、6歳を境に治療技法が選択の流れが少し変わります。

文献 ADHD治療のアルゴリズム 参照

 6歳未満では基本的に心理社会的治療を選択され、緊急避難的かつ例外として薬物療法が適応される場合があります。心理社会的治療とは、ソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニング、学校との連携などを指します。
 これに対して6歳以上の年代では社会適応上に広範で重篤な症状が存在すれば薬物療法を積極的に選択することもあります。また、注意欠陥多動症に加えて、併存障害や素行障害が併存している場合にも積極的に薬物療法が適応になります。

内服による症状への見立ては?

 もちろん、服薬の効果を得るためには、「継続期間」と「服薬量」を徐々に増やしていく必要があります。注意欠陥多動症への服薬は概ね、注意の集中を高め、多動を抑制するものになります。この2つの主症状に対して効果・効能を得られやすくなります。
 この内服薬を使用しつつ、心理社会的治療を併用し、自ら気持ちを落ち着かせるリラクセーションや自己有能感の形成を目指していきます。そのため、薬物療法だけやれば症状がよくなるとは限らず、引き続き療育との併用が必要になります。服薬を継続できるようになると、身長や体重に合わせて内服量の増量、調整も行われます。副作用にも注意して増量がなされていきますので主治医と相談しながら進めていきましょう、

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