見出し画像

プライベートの問題を職場に伝える前に。

 育児と仕事の両立に励む母親の皆さん。仕事とプライベートの境目がほとんどないと実感している方もいます。しかし実際には、職場で仕事に関わる相談の場合でも、上司への話し方への相談が寄せられます。ましてや、プライベート な問題は話しにくいようです。この場合、上司にどう話すかというテーマより以前に、考えなければならないテーマがあります。

事例

 事例をあげながら見ていきましょう。

 実は最近、息子さんが、広汎性発達障がいの一つである「アスペルガー症候群」と診断され、今後の育児がどうなるか判断しにくい状況のAさん。両親は遠方にいて子育ての協力を得ることは難しく、ご主人も仕事が多忙で、交代で通院などの協力はできても一緒に話し合う時間がなかなかもてずにいます。Aさんは、これまでほぼ定時か、多くても 月に 10 時間程度の時間外労働で帰宅できていますが、管理職の打診をもらい、管理職になるかどうかを悩んでいます。
 管理職となると今よりも重圧がかかり仕事の量も増えるのではないかと考えて います。昇進の話はうれしかったようですが、発達障がいの子どもを抱えて今後について不安がある毎日の中で、管理職にはなれないのではないかと思っています。 しかも、これまであまり子どもの様子を含めてプライベートのことを会社に話す機会がなく、今回の昇進の話で初めて子どもが発達障がいであることを上司に告げました。
 しかし、状況を理解された様子がなく、逆に必要以上に深刻に受け止められた気がして、正確に理解してもらうにはどうしたらいいか悩んでいるという事例になります。

さて、皆さんならこの状況、どうしましょう。

何を職場に伝えるか

 この事例だったら何を職場に伝えるか考えてみます。

 まず、主題である会社の上司や同僚たちにお子さまの障がいをどう伝えるかですが、これはやはり地道に何度も話し合うことが基本だと思います。発達障がいという比較的新しい障がいがどのような特徴をもっているかを説明し、Aさんに通院などを含め日常的にどの程度の負担があるのか、そのために仕事にどのような支障が出る可能性があるのかなどをできるだけ具体的に伝えてください。
 Aさんのお子さんに障がいがあると診断されてから、今後の子育ての方針を定めるまでには相応のタイムラグができます。もし定まっていないようでしたら、上司に理解を深めてもらう以前に、Aさんが今以上にお子さまの障がいの特徴を理解し、その支援に必要な時間や費用、補助、体制などを知り、これまでの子育ての方針とは違う新たな方針を定めることを進めてもらうように上司の方も促します。

仕事の相談をする以前に必要な 「生活プラン」

 もちろん、家族に障がいがありながらも、管理職として活躍する方はいらっしゃいます。今後の子育ての見通しが立てられないことでせっかくの機会を逃すのではなく、この機会を生かす方法を前向きに考えるという視点が大事になります。
 社会サービスを上手に活用していくこ とで、仕事と障がい児の子育てとの両立を図ることは可能だと思われます。ただそのためには、上司にどう話すかというテーマの以前に、まずは「親としてどのような子育てをしていくか」を決める必要があります。これは今後の生活を計画する、「生活プラン」だと考えてください。生活プランは障がい児の子育てに限らず、親の介護や自分の病気など、これまでの生活が一変してしまいそうなプライベートにおける突然の問題が起きたときにいつでも必要となるものです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。では、もう少し具体的に育児や療育ついて教えてほしい、育児と仕事の両立に向けてサポートしてほしいと思われたら、こちらのサービスで横山が伴走致しますので、良かったら覗いてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?