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スウェーデン・Malmöで丁寧な暮らしをする夫人の家から学んだこと

Malmö(マルメ)滞在中に泊まったAirbnbの宿がとても好きだった。
センスのいい夫人が長年かけて集めたと思われるインテリアはどれもかわいらしく、家の中に温もりをもたらしていた。

滞在した部屋。色合いがかわいらしい

丁寧な暮らし。
決して贅沢なモノをたくさん持っているわけではない。けれども、淡々とした生活の中に豊かさがある。
選び抜かれた銀食器、磨かれた鍋、カットボードの上に転がるパンさえ、絵になるような佇まいだった。

ダイニングテーブル。壁紙がウィリアムモリスの柄

清潔に生けられたチューリップの花、個性的なデザインの間接照明、古びた、しかし手入れの行き届いたアクセサリー、大容量のビーガンのシャンプー、手を洗う場所(キッチンやトイレの手洗い場)に必ず置かれているハンドローション。

「陶芸をすると手が乾燥するから」

こまめに指先に塗りこむバームからは、今まで出会ったことのない幸せな香りが漂っていた。

キッチン。紅茶のセレクションと開かれた料理本

家にあるすべてのものがちゃんと自分の手の届く範囲にあって、それらに丁寧に手をかけて、この家には意味のないものなど何ひとつ存在しないのだということを思い知らされるような説得力があった。

ああ、こういう暮らしがしたい。こういう生活がしたかったんだ。
私が目指しているものは、こういうことなのかもしれない。

パートナーと出かけるときにちゃんとメイクして美しくなる夫人。
2匹の人懐っこく、寂しがり屋で忠実な犬が出迎える家で、彼女は潤いに満ちた生活をしているように見えた。

陶芸教室に通うこと。自分の人生を充実させることの豊かさを知っている。心を落ち着ける時間を、彼女は人生の中に保持している。

うらやましくて、美しくて、まぶしくて、こういう風に生きたいと思った。

冷蔵庫には手作りケーキが冷やされていた。コンパクトなキッチン(しかし4つコンロ)にある棚にはたくさんの料理本が並んでいた。
日の差し込む窓辺で香草を育てているところを見る限り、きっと料理も上手なのだろう。私の憧れる人だった。

窓辺の観葉植物

Malmöの中心地から徒歩15分ほど離れた場所、6階建てのマンションに彼女の家はある。
部屋の窓からは屋上に作られた公園で子供が遊ぶのが見える。ベランダに腰かけてコーヒー片手に話し込む老夫婦の姿も見える。

ここは私が目指している世界。目指している町。この町のすべてが好き。

Malmöの宿から学んだ美しさ

植物を育てる
好きな絵を飾る
センスのいいインテリア
どの手洗い場にもハンドローションを置く
お気に入りの紅茶を大きな缶で買う
ウィリアムモリスの柄
Maria nilaのビーガンシャンプー
陶芸という趣味
国産の器を使う 

彼女の家の近くには、美しい遊歩道がある。
まっすぐ続く道の両端に行儀よく木々が並び、ぽつりぽつりと並べられたベンチで朝食のパンをかじっていると、いろんな人がすれ違う。

家の近くの遊歩道

ベビーカーを押して歩くパパやママ。
自転車に乗って颯爽と通り過ぎるおじさん。
きゃあきゃあと笑い声を上げて走る子供たち。

平和だなぁと思う。
こういう公園のある街に住みたい。

毎朝日差しが差し込んで、潤いに満ちた花がキラキラしていて、頭上では木々がさわさわと揺れている。
そこにいるだけで心があらわれる、この先の人生への不安や迷いなんてどうでもよくなるような朗らかな気持ちになってくる、そんな場所が今の私には必要だった。


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