トーベのブックエンドに会えない

デンマーク・コペンハーゲンの本屋さんに立ち寄った時に見つけたトーベ・ヤンソン（ムーミンの作者）のブックエンド。

ムーミン好きの私としては手に入れないわけにはいかないのだが、生産国を見てみるとスウェーデンだと言うので、その後に尋ねる予定だったMalmöで見つければいいやと思ってその場では買わなかった。

簡単に見つかると思った。
Malmöって、そんなに小さい都市じゃない。
でも違った。全然見つからなかった。
トーベはMalmöのどこにもいなかった。

１週間かけて探した。
最初はどこかでばったり出会えると思ったが、まったく見つからない。Malmö滞在の最終日は丸一日、町の本屋を隅から隅まで訪ねて歩いた。
美術館のショップも巡り、お土産ショップも見てまわったが、どこにもいなかった。

同じシリーズの、別の人物なら見つかった。
シェークスピア、ジェーン・オースティン、ヴァージニア・ウルフとか、他の顔ならあるのに、トーベだけに出会えなかった。

トーベ以外の方々

しらみつぶしに本屋を訪れ、歩き疲れて方針を変えた。
Googleマップから街の本屋を探し、店内写真からブックエンドを探すことにした。（これも地道な作業）

すると、徒歩20分ほどにある小さい本屋さんの店内写真に、まさに私の探しているトーベのブックエンドを見つけたのだった。

赤〇のものがトーベ・ヤンソン

そこにトーベがいる！
５か月前の写真だが、まだ置いていることを願い、急いで店へ向かう。

ピンク色の頑丈そうな扉を目の前にちょっと怖気づいたが、勇気を出して入ってみる。きれいなお姉さんが笑顔で声をかけてきた。

いや、オネエサン？

店内の様子を見て合点がいった。
置かれている本の表紙からどうやらLGBTQ関連の書籍を取り揃えている本屋のようだった。レインボーカラーの旗も飾られていた。

おもしろい本屋を見つけた。
しかし、私の目的はブックエンドだ。

ぐるりと店内を見回すと、レジ横の棚にまさにそのブックエンドがあった！が、そこにトーベはいなかった。
お姉さんにも聞いてみたが、在庫はないとのこと。
またも不発だった。

その店が最後の望みだった。
結局、Malmöでトーベに出会うことはできなかった。

こんなことになるんだったらコペンハーゲンで買っておけばよかった。
失敗した。いつもこうだ。

アイスランドでムーミンの限定マグをツアーの途中に寄ったお土産屋で見つけたものの、まあどこでも買えるだろうと思って買わずにいたら、その後出会うことはなかったときと同じ。

欲しいと思ったものはその場で買った方がいい。

それが、この旅から得た教訓のひとつ。