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モーニング俳句 2019.7月

寒かったり暑かったりで、7月後半にはとうとう夏風邪と結膜炎のダブルパンチをくらいましたが、ようやく治ってきました。朝俳句は、昼や夜に詠む日もありつつ、まだ続いています。

松山の俳句ポストで四句採っていただきました。「空蝉」で人選三句、連作のように掲載してもらえたのはうれしかったです。

空蝉を埋めて墓ではない何か
空蝉に何を詰めても渇くだけ
空蝉の渇き潤せぬまま破瓜
雨音を聞きて刻みぬ鱧の皮

ここから下、朝俳句7月分です。

梔子のかほり気圧の下がる庭
窓越しに梅雨の雷ありSiriを呼ぶ
風鈴を吊るす袂はさきに揺れ
葭切や喉焼く酒は売らぬ店
アロハシャツ乾けば塩のきらり晴れ

朝顔市かごを抱える指輪痕
砂こぼす靴をまた履く小暑の子
雨蛙跳べばちひさき反作用
鬼灯市吾を買うひと待ちて朝
なめくじとわかりあえない着道楽

胡瓜砕けて香のみどり目に抜ける
夏料理湯気は夕日に喰はせたり
井守捕らへむとして息忘れけり
蟹を踏み裁きへ急ぐ火の車
アリーナにテープを降らす羽抜鳥

閻王やタピオカの底吸えぬ頬
海月抱き浜に寝そべる無理心中
夏帽子外せば髪に草の香す
時計草に電波傍受の嫌疑あり
浴衣ひるがえるヘリから嘘のビラ

夏燕低く飛ぶ日のユポ紙愛づ
凌霄花つかむ手切られ空に落つ
湿布貼る湿布からまる大暑かな
河童忌や袂はなくて手のだらり
向日葵の根元から見る空遠く

片かげり日焼け気にせぬ子の天下
甲虫飛んで網戸のかたり揺れ
滝風や昨夜の肌のすっと冷め
ミッキーマウス灼けて靴裏溶けるかと
頭からカルキ放ちて梅雨の明
電線に区切られて青色涼し






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