ボーダーシャツは家で着る[短歌連作]


夏休みは終わりだなんていうからさ終わらないんだ夏の終わりが

虫眼鏡なしで飛び出すフリッパーズ泥がはねても水玉になる

教室の外はScotlandにならなくて憎々しげに蹴るアスファルト

あの熊のマグにコーヒーミルク入れ投げつけ逃げろ!(すぐに捕まる)

わかってる 世界は僕のものじゃないそれでも止まぬ雨を笑おう

分かりあえないとキス投げ終わらせて分かりたいことすこし忘れた


 短歌の夏フェス「TANKASONIC」は、参加者が好きなアーティストを選んでその世界を短歌にする、という歌のお祭りです。この連作「ボーダーシャツは家で着る」は去年2018年、フリッパーズ・ギターで参加させていただいたものです。(一部改作あり)

 二首目がちょっとわかりにくいかなと思うので補足すると、この歌は三枚目にして最後のオリジナルアルバム「DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER」のジャケットのことを詠んでいます。
 つややかな黒地にカラフルな水玉の印刷されたこのアルバムは、初回盤に虫眼鏡のレンズが二つ付いていて、それで覗くと印刷されたフリッパーズの二人が3Dぽく見える、という仕掛けになっています。
 去年この連作を作るにあたって久しぶりにレンズを覗いてみました。当時のままの生意気な彼らがそこにいました。
 (生でライブで見たかったよな、できれば雨上がりの野外で、泥しぶき跳ね上げながら)そんな気持ちで詠んだ歌です。

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