名古屋グランパスの守備戦術(完敗):2024 J1 第29節 名古屋グランパス×アルビレックス新潟
ビックリするくらい何もできなかった振替開催のアウェー名古屋戦。こんな日もあるさ!
もう本当に何も語れるものが無いくらいの完敗なのだが名古屋の守備は新潟対策として仕込んでいた部分もあるだろうということで、この試合における名古屋の守備について書いてみる。前半と後半で守備のやり方が若干違ったのが面白いと言えば面白いのだが、俺たちは新潟が勝つところを見たいんだよ!
さて、名古屋の守備は532の陣形が基本である。ここからプレスが飛んできたりブロック敷いたりということになる。
特徴としては永井のマシンスペックを最大限に活用するプレスとなるが森島が本来の司令塔スタイルよりも永井スタイルのプレスを愚直に遂行しているのが印象的だった。チームの勝利のためにキーパーまで積極的にプレスを掛けに行く森島が本当に偉い。
そんな形と流れから生まれる精度を欠いた新潟のパスや最後方から蹴り込まれるフィードを弾いて稲垣と椎橋と和泉が中央で回収するというのが基本的な仕組み。これに加えて2列目の和泉と椎橋、状況によっては森島なんかが秋山&宮本にマンマークしてボランチの位置でボールを持たせないということも徹底する。マンマークの話はまた別の話として説明したいが、こうなると新潟は小島が長倉目掛けて蹴飛ばすくらいしか勝ち筋を見出すことができなくなってしまい、無常にもセカンドボールを全部名古屋に拾われて何もでできなくなった新潟である。
ちなみに永井のゴールはチームとしても個人としてもこれぞ名古屋というスタイル爆発のゴールだった。いくらなんでもそんなに後ろから被弾しなくてもいいだろうにという感じである。モザイク掛けて誰のゴールでしょうクイズをやったとしても正解は永井!と言えるくらいの永井らしいゴールである。永井はスタイルがあって本当に素晴らしいフットボーラーなので一年でも一日でも長く現役を続けてスタイル全開のゴールを(新潟戦以外で)たくさん決めてほしい。
後半に入ると基本は変わらずだが新潟ボランチへのマンマークを前半よりも強めてくる名古屋。ここを打開できなかったのが大きかったように思う。いつもなら通せるパスが通らず、この日は精度を欠いた新潟という表現になる。
振り返ってみれば野上と徳元のところを上手く使えなかっただろうかと思ったりもするのだけど、この日はとにかくミッドウィーク開催の連戦でプレー精度が低くそういったことを成立させることはできなかった。ベースとなる技術と品質があるからこそ成り立つ新潟のサッカーである。
名古屋がいつもこの守備なのかどうかというのは知らないのだが、秋山と宮本を徹底的に消す、ウィングバックのプレスと攻撃参加はカウンター被弾しないことを前提に、みたいなのは新潟対策として準備していたんじゃないかなとか思ったりもする。それを抜きにしても野上の躍動感に加えて徳元の危機察知能力を活かしたザ・ベテランみたいなプレイは素晴らしかった。野上なんてウィングバックなのにゴール正面でクロスに合わせてゴールまで決めてるし。
なお、直前に対戦した湘南も仕組みとしては同じ532ブロック&プレスだったけど湘南はボランチを消しにこなかったのでやられ放題になったんじゃないかなとか思う。新潟のボランチを自由にしちゃダメ!ゼッタイ!
こんな日もあるさ!と松橋監督もコメントを残しているのでチームとしても試合前から色々と思うところはあったのかもしれない。
切り替えていきましょう。
試合雑感
台風で振替開催となったアウェイ名古屋戦。結果として語れるものが何もない試合になってしまった。
まずは前半、なんとも低調な前半だった。塩試合という訳ではないのだが名古屋にうまいこと対策されてしまっている。
名古屋の攻撃は325アタックの陣形が基本だとは思うのだが、そのメリットはあんまり活かせてない。一方の守備は532セットからのプレスというものになり、これがうまいこと嵌ってしまって何もできない俺たちの新潟。中央レーンのセカンドボールを全部拾われたりピッチど真ん中でボール奪われたり。小島のビックセーブはいつもの小島神だったがこれは流石に持たないだろう。
そんな中で一番目立っていたのは長倉だっただろうか。引き込んでカウンターを当てたいと言っても太田が守備を引き込む前に最終ラインから蹴ってしまったり、タイミングが合ったかな!と思ったキックに対して太田がスタートしていなかったりとイマイチ噛み合わない。それでもなんとかしてゴール前までボールを運ぶも名古屋の赤い壁を壊せる雰囲気を全く感じることができず、当然決定機など全くないという前半だった。
ハーフタイムで何か仕込まないと何もできずに終わりそうだなとか思ったら最後までビックリするくらい何も出来なかった。完敗の一言。キングオブ完敗。
この試合で語れることは本当に何も無いのだが、後半の名古屋の守備はトップやアンカーが秋山&宮本をマンマークすることで中央への出しどころを消して守備で主導権を握るというものだった。その守備に対して効果的な動きを最後まで作れなかったというのが今日の新潟となる。松橋監督のコメントも素直にどうにもならないとうことを認めていたので移動も含めたミッドウィークの疲労でパフォーマンスが出せなかったという感じだろうか。いつもならこういう守備は秋山がノリノリで破壊してそうなものなんだが。
こんな日もありますねということにしておきたい。