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たまごものがたり🥚第二章🥚第一話〜眠っているたまごのお話〜

一匹のたまごが眠っていました。

そのたまごは、
太陽の照る日も
曇りの日も
雨の日も
雪の日も
ずっと眠り続けていました。



たまごが眠っていると、
ある動物が、話しかけてきました。
鳥です。
「どうして君は、木の枝ではなく、大地で休んでいるの?」

「眠っているたまごだからだよ」
たまごは眠りながら答えました。

鳥は飛んでいき、
そのままたまごは眠っていると、
また、ある動物が、話しかけてきました。
魚です。
「どうして君は、川の岸辺ではなく、大地で休んでいるの?」

「眠っているたまごだからだよ」
たまごはまた、眠りながら答えました。


魚は去り、
引き続きたまごは眠っていると、
今度は、蛇が話しかけてきました。
「どうして君は、こんな開けた場所で、じっとしているんだい?」

「それは、眠っているたまごだからだよ。」
たまごはまた、眠りながら答えました。


蛇は去り、
尚もたまごは眠っていると、
今度は、蜘蛛が話しかけてきました。
「どうして君は、こんなところで、眠っているんだい?」

「それは、眠っているたまごだからさ。」
たまごはまた、眠りながら答えます。

蜘蛛は質問します。
「眠っているたまごだから・・・。そうか。
 それじゃあ、いつから眠っているたまごなんだい?」

たまごは答えます。
「それは、3年前からだよ。」

すると蜘蛛は、何かを思い出したように、答えます。
「3年前・・・。3年前・・・?・・!
 そうか!
 3年前、この場所で、君に似たようなたまごが、歩いていたような!」

すると眠っているたまごは、ゆっくりと目を開け、ニッコリ笑ってこう答えました。
「そう!
 ボクだよ!
 お久しぶり!!
 まったく、君以外、誰も気づいてくれなかったんだから!」

蜘蛛もニッコリ笑って答えました。
「久しぶりじゃのぉ〜!!
 元気だったか?
 また、この道を歩き始めるのだな!」

キラキラと輝いた目で、たまごは答えました。
「そうさ!」

こうして、眠っているたまごの殻はちょっぴりヒビ割れ、目覚め始めるのでした。

たまごものがたり🥚第二章のはじまりはじまり
つづくー

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最後まで読んでくださりありがとうございました。^^
3年前が最後の投稿。こうしてまた第二章を、ゆっくり書いていきます。
再び現れたたまご、今度はどんな道を歩んでゆくのでしょうか。
楽しみです♪

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