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9月のいろいろ

今月はCDリリースや旅などで忙しかったので、あまり遊べていません。
ですので、報告するようなカルチャー摂取が少なめです。

ということで、お仕事から。

【演奏のお仕事】

9月1日に『Vibrant』をサブスクでリリースしました。Apple Music、Spotifyその他、どんどん回して下さいませ。
去年4月ごろにどこかに書きましたが、サブスクで回して頂けると、聴いた回数分、雀の涙ですが確実にアーティストに還元されます。ライブが通常通りできない今、特にインディーズのアーティストにとってはありがたいことです。

15日に『Calling』をリリースしてCDショップを周りました。
CDショップが減っていることを実感しましたが、行ったお店はどのお店も平日昼間から結構人がいて賑わっていましたよ。

本日、CD『Calling』発売日でした。 2006年『Cubium』以降、毎回リリースのたびにCDショップ巡りをしていますが、ショップもずいぶん減りまして、今回は ディスクユニオンJazz...

Posted by 西山瞳 Hitomi Nishiyama, Pianist on Wednesday, September 15, 2021



19日に福井県美浜町でコンサートをしました。初めての福井県ですが、歓迎して下さり、とても充実の時間でした。お世話になった会館の皆様、聴いて下さった皆様、ありがとうございました。

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22日に大阪でライブをしました。大阪のメンバーで音を出せるの、本当に久々で良い時間でした。

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それから、25日に蕨のアワデライトで、初めましてのフルート奏者酒井麻生代さんとデュオ。元々、どこかで演奏を聴いて、音色が関西で言うところの「み」が詰まってる音でして、非常に印象に残っており、マスターにリクエストして当ててもらいました。やはり楽器の非常に上手い方で、音が美しくストロング。そういう方はフォームも美しいものだなと、改めて思いました。またどこかでご一緒したいです。


【映画鑑賞】

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のみ!

MCUは必ず公開日に観ているのですが(ネタバレを見る前に行きたい)、今回は仕事の関係で当日観れず。
その週末、いつも映画鑑賞で参考にしている映画オタクアネキたちの、「トニー・レオンがセクシーすぎる」という嘆息まじりの呟きがSNSでどんどこ流れてきて、片っ端から籠絡される様を見て、どんなだよ!と思って週明けに観に行ったらですね、

トニー・レオンがセクシーすぎる…

元々綺麗なお顔でしたが、年齢を重ねてさらにイケまくっている! そして役どころが素晴らしい… 1000年生きてやっと愛する人を見つけたトニー・レオン、それを殺され更に闇落ちするトニー・レオン、最高じゃないですか。
映画自体かなり面白かったんですけど、トニー・レオンの印象ばっかり残っています。


【配信視聴】

ディズニープラスの『ホワット・イフ』、引き続き楽しみにして見ています。
特に6話のキルモンガーの回、7話のソーの回は、めちゃくちゃ面白かったです。キルモンガー、あんなにど正論ヴィランはいないし、なんせ格好良いのでまた見たかったから嬉しい。


Netflixは一旦お休みしていますが、ディズニープラスはスターウォーズとマーベルの波状攻撃で、お休みするタイミングがありませんね。

あと、久々に『ビルとテッドの大冒険』を観ました。
「Be excellent to each other」最高ですね。


【読書】

『批評の教室 ーチョウのように読み、ハチのように書く』北村紗衣

マッドマックスFRの頃から映画評のブログをずっとチェックしているsaebou先生、『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』も面白かったので、新刊を楽しみにしていました。

私はシェイクスピアはわからないけれど、映画の引用はわかることが多く、とても面白く読みました。「批評」って知的体力の要ることだけど、好奇心を実際に動かして紐解いていく楽しみがありますね。

私も仕事で音楽専門媒体にディスクレビューを書いたりすることがありますが、クロスレビューの時はより自覚的に〈自分だけが提示できる視点は何か〉と考えながら書いています。この本は非常に参考になりました。

読んでいて思い出したのですが、自分でわりとよく書けたと思った海外ミュージシャンのCDのライナーノートがあって、その書き出しを専門誌のライターが全く同じように使っていたことがあり、それを見た時にかなり腹が立ったというか相手のプロ意識を疑いましたけど、自分で考えていないものはそれ止まりですよね。本を読んでいて、〈ある対象について考える体力〉ということを考えているうちに、忘れていたそのことを思い出しました。


『チック・コリアのA Work In Progress(ワーク・イン・プログレス) ~音楽家として成長し続けるために』 チック・コリア

チック・コリアの音楽に向かう姿勢のメモで、対訳本のため、読む文章量は本のわりに少ないのですが、とても良い本で、レッスン生に勧めたい内容でした。


『1冊でわかる ピアノのすべて 調律師が教える歴史と音とメカニズム』 青山一郎

先日、こちらの記事を書く時に、青山一郎先生の執筆された本が今年出たことを知って、すぐ購入して読みました。

実家に帰った時に、当時の教科書と比べてみたのですが、当時の教科書は歴史にはこんなにページを割いていなかったので、読み物として面白かったです。


『ビル・エヴァンスと過ごした最期の18か月 ローリー・ヴァホーマン』

ごめんなさい、これについてはあまり良いことを書きませんので、この本を楽しみにしている方は、以下は読まないか、後で読んで頂いた方が良いと思います。

私はエヴァンス関連本なら無条件で買って読みますが、これについては元恋人の暴露本の一種とカテゴライズしていいと思います。ファンとして歓迎できる出版ではありませんでした。

近年、エヴァンスは〈発掘〉音源が毎年のように発売されますが、その数の多さから、本人にとって本意ではない内容も多々含まれていると推測します。ファンが見て、表現者に対するリスペクトのないリリースが続いている。買いますけどね。

音源ですらそんな感じなのに、「死後、ラブレターを公開される」なんて、最悪じゃないですか。故人の私信やセックスの情報を全世界に出版するなんて、心底下品だと思いました。生きてたら絶対嫌でしょ。きつすぎる。

音源だって本だって、エヴァンスのものが出れば、毎回なんだかなあと思いながら、必ず買ってしまうんですよ。
そんなファンが全世界に沢山いて売れるってわかっているんでしょうけども、こんなプライベートまで切り売りされるのかと思うと、少し哀しくなりました。

最後の謝辞に、エヴァンスの家族とマーク・ジョンソン、ジョー・ラバーベラへの感謝の言葉がなかったことからも、親しい方々の協力なしに書かれた本なのでしょう。ヘレン・キーンには早く目の前から姿を消して欲しいように扱われていたとも書いていましたし、筆者の立ち位置が想像できます。

とは言っても、「Laurie」という曲は穢れることはありません。エヴァンスが、きちんとこのローリーさんに向き合って推敲を重ねていることはわかりました。

エヴァンスは我らの始祖ですが、人間そのものを神格化するつもりはありません。しかし、死者に対して、していいことと悪いことがある。音楽関係の本で読むんじゃなかったと思ったのは、「メタル脳」以来でした。音楽関係の本ですらないのかも。資料として持ってはおきますけどね。


ということで、もうちょっと映画が観たかった1ヶ月でしたが、来月は行けるかしら。

とりあえずCD聴いて頂けたら嬉しいので、よろしくお願いいたします。







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