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アート・絵画・美術に関する私感

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ここではアート、もしくは絵画、より広げて美術の分野に入るかなと判断したものを扱う、考えを整理するために書くノート。
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#ゲルハルト_リヒター

ゲルハルト・リヒター#2

ゲルハルト・リヒター♯1の続き。  アルベルティヌム美術館では現在、彼のドローイング展を開催しており、順路としては彼のドローイング郡を見た後に、1floorを使った彼の本展示を見ることになる。そこでは、壁面に彼の代表作であるフォト・ペインティング、グレイ・ペインティングなどが展示されており、中央に巨大なガラスをいく層にも直立させた立体作品が置かれている。一見無機質で鑑賞の邪魔とも捉えられる巨大なこのガラスの立体物が、私には彼の芸術家としてのこだわりを示したものであり、彼は鑑

ゲルハルト・リヒター#1

 先日、ドイツのドレスデンのアルベルティウム美術館で初めてゲルハルト・リヒターの作品の実物を見る。  彼の名前だけは知っているという人は日本人でも多いと思う。ドイツ国内では「ドイツ最高峰の画家」とまで言われているそうだ。私の彼の実際の作品を見る前の印象は、彼はアート界で時代の流れを掴むことに成功した人であり、お金や権力を公使して新時代のアートを作り出し成功した人、だった。有名なのは、写真をそのまま精巧に写し取った、「フォト・ペイント」。モザイクのように、いくつもの色を並べた