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年末調整の電子化

河野太郎デジタル大臣のXポストで、年末調整手続の電子化の動画がYoutubeで公開されていることを知った。今まで紙で行っていた年末調整の手続をデータでの手続にすることで、手順がどのように効率化するのか分かりやすく説明されている。
https://twitter.com/konotarogomame/status/1706177833905823758?t=gO4evUyh6lzyWx-Uy1zljA&s=19

企業に勤める会社員の場合は、個々人の所得税は企業が代わりに納税しており、社会保険料や住民税などとともに毎月の給与や賞与から天引きされている。
しかし、この時点の所得税はあくまで概算で算出されたものであり、正しい税額ではない。その年の所得額が確定した時点で再計算し、正しい税額で納税する必要があるのだ。

その際、算出された正しい金額とこれまで概算で徴収した金額を比較し、過不足分を従業員に還付または追加徴収することが、年末調整の役割。企業に勤めの会社員は、特別なことがなければ確定申告をしなくてもいいという利点があるが、毎年、勤務先から配布される扶養控除等(異動)申告書、基礎控除申告書、配偶者控除等申告書、所得金額調整控除申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ)と6種類もの書類に記入をしないといけないのは、わりと面倒な作業。

年収を記入するだけでなく、金額に応じた計算式を利用して記入金額を計算したり、保険料納付証明書など必要書類を集め添付したり、1枚ずつ押印したり、忙しい仕事の合間にするのも一苦労という人が多いのではないだろうか。年末調整が電子化できたらどれだけ楽になるか。

国税庁HP等からダウンロードした年末控除申告書作成用ソフトウェアに、住所・氏名等の基礎項目を入力し、保険会社等から取得した控除証明書等の電子データをインポートすれば、必要な項目が自動入力、控除額も自動計算され、年末調整申告書の電子データが作成される。
あとは、作成された電子データを勤務先へ提出するだけ。
年末控除申告書作成用ソフトウェアもよくできていて何もわからない人を想定して作られている点に好感が持てる。

控除申告書を選んで必要データを入力することもできるが、何を作成していいか分からない人を想定して、「質問に答えて受けられる可能性がある控除を確認」という選択肢がある。実際に「質問に~」を選択してみたところ、各項目の選択肢を選ぶと次々に必要な項目が現れ、すべての項目を選び終わると、その結果、どの控除申告書を作成しないといけないかが提示される。そこから申告書作成へ飛べるようになっている。

こういう配慮のある作りはよくリサーチができているなと感心した。このソフトを利用すれば、保険会社等から取得したデータをインポートして自動で計算されるので、写し間違いや計算間違いがない。勤務先も申告書のチェックが不要になり、そのまま給与システムにインポートできるので入力の手間もなくなる。
また、複数の控除証明書等の取得が必要となる場合も多くあるが、「マイナポータル連携」を利用すれば、マイナポータル経由で、控除証明書等のデータを一括取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力できるので利便性がより高まる。

必要ではあるが面倒な年末調整も電子化すれば、余計な時間や労力をかけずともミスなく手続きができるというわけだ。まだ令和5年分の年末調整控除申告書作成用ソフトフェアはプロトタイプ版で、正式版は令和5年10月リリース予定とのこと。令和4年度版のソフトは入手できるので、興味のある方は一度試してみるといいかと思う。

Windows、Mac、Android、iOSと様々なプラットフォームに合わせたソフトが提供されているので、PCが苦手な人でもスマホで作成ができる。
未だに書面提出をさせている企業も多くが、是非、年末調整の電子化を取り入れて、業務の効率化を図ってほしいと思う。
これも働き方改革になるかもしれない。

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