「幸せになろうぜ」と叫ぶバンドがいた
「幸せになろうぜ」
「君は幸せになるために生まれてきた」
そうやって歌い、叫ぶバンドのライブを見ました。
すこし前のことなので記憶が遠のいてしまっているのだけれど、心がざわついた記録がiPhoneのメモに残っていたので、クリックしないと辿りつかないここに置いておこうと思います。
この言葉に勇気づけられる人はきっと多いんだろうなって想像できます。
ただシンプルに、貪欲でわかりやすい。
そんなシンプルでわかりやすい言葉に引っかかってしまった自分にちょっぴり嫌気がさしました。もっと空っぽになって音楽を楽しめたらいいのに。
ライブを見ていて、曲が先に入ってくるときと、それよりも前に言葉が頭を巡るときがあります。それはその瞬間に届く音像によることもあれば、自分の精神状態に左右されるときもあるんだと思います。
このときは言葉がストレートで飛んできました。
「求めよ!幸せ!」と刺繍で縫われている、すこし土汚れたボールが自分めがけて飛んでくる。やばい。グローブ持ってない。避けるしかない。
こぶしを上げて盛り上がっていた人たちはきっとグローブをちゃんとはめてキャッチボールを楽しんでいたんだと思います。
自分は今、特に幸せアレルギーを発症している訳ではありません。
幸せだと感じる瞬間は素直によろこべるし、好きな人たちが幸せそうなのをみるとあったまります。
ただ、きっと、「追い求める」ことへの違和感がぬぐえないんです。
この違和感は恐怖心みたいなものを孕んでいます。
貪欲さが美しさと捉えられる瞬間をいくつも見てきました。
ただ、貪欲さがもたらす怖さも見てきました。
だからなのかはわからないけれど、
「幸せになりたい」と願うよりも
「不幸せではないように」と心に留めておくくらいが
自分には馴染んでくれる気がしています。
同じようで全然違います。
とはいえ貪欲さは財産です。
何かへ向かうその気持ちは一度持ってしまったなら大切に扱ってあげたい。
大切に扱えばきっと大丈夫。
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先日バンドであたらしいミュージックビデオを出しました。
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