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無料から始める歌モノDTM(第1回)【ツール編①DAWとプラグイン】

はじめに


はじめましての方ははじめまして。
ご存知の方はいらっしゃいませ。

ノートPCフリー(無料)ツール歌モノDTM曲を制作しております、

金田ひとみ

と申します。

ちょっと本業の仕事の方で時間をとられてしまい、思ってたより更新が遅れてしまいました(汗)
第0回【自己紹介編】をお読みいだだいた方もいらっしゃると思われますので、
前置きは手短に、第1回【ツール編①DAWとプラグイン】を始めたいと思います。
第0回を未読の方や当記事の方針をご覧になりたい方は以下の記事をご確認くださいませ。

というわけで、
前回予告いたしました、私が主に使っているツールをご紹介いたします。
タイトルに①とあったように結構長くなりそうなので数回に渡り書いていこうと思います。
(ちなみに先に書いておきますが、今回10,000字超えてしまいました。あはは……。でもできれば②回でまとめたい!)

あと、
さっさと作詞作曲のコツを教えろ!
とか
調声の裏技あるんでしょ?
とかいう方は……う〜む、コメントかTwitterにお願いします。
のちのちまとめていきますので気長にお待ちください。

さて、今回のツール編で紹介するものは一部機能制限等ありますが、どれも無料で始められますのでまずは試しに使ってみて、
ご自身の成長や音楽ジャンル、ふところ具合などと相談して、完全版なり上位互換なりをご購入されるのが良いかと思います。
(私は未だに無料でがんばっています。)

とは言いましてもすべてを書き出すと膨大な数になりますので、
とりあえずコレがあればそこそこのクオリティーの歌モノDTM曲を制作して投稿できる、
というものだけ紹介します。

DAW

まず絶対に必要となるDAWです。
DAWってなんぞや?って方は……
さすがにいらっしゃらない、ハズ。(初見殺し)
まぁ、お絵描きで言えばスケブやキャンバス、ペンや筆、絵の具なんかが一式揃ったアトリエ、
料理で言えば包丁、まな板、コンロ、オーブンなど調理器具と最低限の食材や調味料が一式揃ったキッチン、と考えてもらえば良いです。
あ、わたくし料理も得意なので、たとえ話にちょこちょこ料理ネタをぶっこみます。
料理や食べ物の質問もドンドンお待ちしてます。(なんだそりゃ)

閑話休題。

DAWです。Digital Audio Workstationの頭文字を取って「ダウ」と読みます。
DAWにもいろいろありまして、有名どころだとCubaseStudioOne、Mac専用のLogicなどですね。
すでにお持ちの方は使い慣れたものを使い込んでいってください。
インターフェイス(見た目や操作性)の違いはあれど、基本的な機能と目的、つまり音楽を作るためのソフトというは変わりません。

で、私が使っているのは
Cakewalk by BandLab
です。ケークウォークと読みます。
(公式サイト↓)

(一応このあとも公式サイトで紹介していきますが、日本語で解説されているブログ等を検索して、インストール方法や使い方を参考にしながらの方がおすすめです。導入でつまづいていてはモチベーションガタ落ちです。)

他のDAWを(現時点では)触ったことがありませんので、有料DAWとの性能差などはわかりませんが、私が制作しているくらいの曲であれば問題なく制作できます。
CakewalkはもともとSONARという名称で販売されていた有料のDAWで、それがフリーウェアとなったものですので、基本的な機能は第一線で活躍するほかのDAWと遜色ないと思われます。ちゃんとアップデートもされています。
そして後で紹介するプラグインと呼ばれるものも基本的なものは付属しています。

難点といえば、私の場合はちょっと音楽をかじったことがあるのでそれほど気にならなかったのですが、
無料であるがゆえの付属プラグインのイマイチ感と、プリセットの少なさでしょうか。
(プラグインはまたあとで説明します。)

プリセットというのは最初から(=プリ)用意(=セット)されている一連の機能や動作や音の組み合わせのことです。
まったくエレキギターの仕組みを知らない人が、いきなりカッコいいロックバンドのギターの音色を再現できるわけはありませんし、
ドラムセットを見たことのない人が、ドラムフィルといわれる曲の盛り上がりどころで入るドコドコジャーン!みたいなパターンを自然に聴こえるように作るのは難しいです。

有料DAWであれば、というか今後説明していくどんなツールでも、有料の方がこういった機能・動作・音の組み合わせなどを最初から用意してくれているプリセットが充実していたりします。

料理でいえば(早速!)あなたが料理初心者でカレーを作ろうとなったとき、
家庭の台所で、イチからスパイスを揃えて具材を切って火加減を見ながら小鍋で煮込んで作るのと、
プロご用達の機材や調理器具がしっかりそろった広々キッチンで、シェフ秘伝レシピで調合済みのカレールーとプロがカットした具材を火力調節もやってくれるコンロで圧力鍋にぶちこんで煮込むだけ、
とでは調理時間も難易度も完成度も雲泥の差ですよね。
有料DAWとそこまでの差があるとは言いませんが、より良い機材や材料を使うほうが利点が多いことはなんとなくわかるかと思います。

でも料理初心者がいきなりプロのキッチンと材料を与えられても、何から手を付けていいのかわからないでしょうし、機材の使い方やそもそもの料理の基本レシピを知らなければ上達することはありません。
それに家庭の台所で作ったカレーが美味しくないということはありません。
見せ方やアイデア次第ではプロ顔負けの逸品を作ることもできます。
まずは小さなところから始めて、家庭の台所で手狭になったときにプロのキッチンを検討する、という順番でも悪くはないと思います。

熱く語ってしまいましたが、もう一点、無料ゆえの弱点があります。

それは
情報が少ない
ということです。

当然ですが、プロも使う有料の道具の方が沢山のガチ勢の人が使っていますし、専門の解説書やネットの情報も莫大にあります。
(その分、本当に必要な情報を取捨選択できる力もいりますが。)
Cakewalkは残念ながら有料DAWに比べ情報が少ないなと感じます。
いや、あるにはあるのですが……
基本英語です!
公式のヘルプも英語!
Google先生は音楽に精通しているわけではありませんので、ナゾ翻訳を叩きつけてきます(泣)
あ、ソフト自体は日本対応しているので不便はないですよ。
それに日本語での解説をやってくださっている動画チャンネルやブログも、使い始めるには十分な数がありますのでそれほど心配はありません。

でもやっぱり
このツマミは何だろう?
とか、
どのパラメータいじったらいいの?
とか、
より突っ込んだことを調べようと思っても全然見つけられませんので、そこはまぁ何というか諦めてください(笑)
ただ、おそらくはそういった深掘り情報が必要になってくる頃には、ご自身の知識も増えていると思いますので、他のDAWの情報からでも引っ張ってこられるくらいに成長しているのではないかと思います。
私もすべての機能を把握しているわけではありませんし、多分他にもやり方があるんだろうけど取り敢えず対応できてるからいいや!って感じです。

もしこの記事を読んでインストールをお考えの方はご留意を。
コメントやTwitterで質問は受け付けますが、期待はしないでください(汗)

あと、私はすべてを打ち込み(PC上だけで作曲すること)だけでやっていますが、
楽器が演奏できる方であれば、生演奏を録音したり、オーディオインターフェイスという機械を介して音をデータとして取り込んだりできます。
どうもその際にCakewalkは音割れ(ガリガリノイズが入ったり)することがあるとの噂があります。
あくまで噂程度ですが、リアルの知人から聞いた話でもあったのであながち真っ赤な嘘とも言えません。
音質で不安要素が気になる方は、その点もご留意ください。

逆に良い点も上げておきましょう。
それは無料で機能が少ないからこそ、
あれこれ選択肢に迷わなくて済む
ということです。

CakewalkにはProChannelという簡易なエフェクター(音を加工するツール)がズラッと並んだサイドツールバーがあるのですが、
簡単な音作りならこのツールバー内だけでもできてしまいます。
エフェクターのツマミ自体が1個しかないものもあり、右に回すか左に回すかしかないので、エフェクターの細かい数値設定がわからないうちは活用できますし、
曲のバッグで薄く聴かせる程度の音ならそこまでこだわった音にしなくて良いので、とりあえずエフェクト掛けとくか〜くらいのノリで使えます。
そしてPCの負荷も軽くて済みます。

PC負荷はのちのち、壮大な曲や複雑な編成の曲を作ろうと思ったときに必ずネックになるので、
なんでもかんでもプロレベルを目指すのではなく多少手を抜けるところは抜かないと
最悪DAW落ち(ソフト自体が強制終了、ついでに曲データもサヨナラ)しかねないです。
私みたいな低スペノートPC勢には死活問題です。
(DAW落ちは低スぺでなくても頻繁に起こる現象のようです。
TwitterのFFさんの中でもよく悲鳴が上がっています!
まあ高スぺに越したことはない。あとこまめに保存、コレ重要。)

ちょっと長くなってしまったので先に進みます。
DAWの使い方的なお話はまた別の機会に譲ります。

プラグイン(音源とエフェクター)

続いてプラグインです。
プラグインとは……一応説明します。
楽器の音(音源)や、その音を加工するツマミがあれこれ付いた道具(エフェクター)や、
DAWに元々入っていない便利機能を追加するプログラム、みたいなものの総称です。
プラグをインするわけです。差し込んで使う機能ということですね。
なので次回紹介する歌声ソフトも広い意味ではプラグインです。

ただDAW上では一般的に、
音源

エフェクター
を指すことが多いようです。

DAWの項目で説明したように、DAWにはクオリティーなどの差はあれど最低限の音源やエフェクターは付属しています。
でもやはり機械音っぽかったり(そういう曲ならいいですが)、音を加工できる範囲が狭かったり、そもそも音自体が無いこともあります。
そこで足りないものを追加するわけです。

導入の仕方はプラグイン毎に異なりますが、基本的には、
サイトからお好きなフォルダにダウンロード→DAWの環境設定などでそのフォルダをプラグインフォルダに指定→更新や再起動、
という流れです。

また音源プラグインによっては音源単体では使えず、サンプルプレイヤー(サンプラー)と呼ばれるソフトを介して音が再生されるものもあります。

追加のプラグイン音源は絶対必要というわけではなく、付属音源でもそれなりのモノは制作できます。

それでも一応コレだけはあったほうがいいよ、という楽器があります。
そればギタードラムです。
(あくまで私が作るような楽曲の場合なので、音楽ジャンルや目指している音によっては他にもあります。)
なぜギターとドラムが必要かというと、この2つに共通しているのが、
実物の楽器の音が鳴る部分と人の身体が触れる部分が近く、癖やニュアンスがダイレクトに反映されるという点、
そしてほとんどの楽曲で使われている楽器であるという点です。

例えばピアノはギターやドラムと同じくあらゆる楽曲で使用されますが、鍵盤を通してハンマーで弦を叩いて鳴らすわけで、指が直接触れるわけではありません。ある一定の強さと速さで鍵盤を叩けばほぼ同じ音が鳴ります。
また、ヴァイオリンやチェロなどストリングスと呼ばれる弦楽器、フルートやトランペットなど吹奏楽器も指や口が直接触れますが、オーケストラ風の曲を目指さない限りバックバンドとして薄く入る程度なので、最初からこだわりの音源に手を出すほどではありません。
わざと打ち込み感を出したいエレクトリック系の楽曲であれば、そもそも機械音っぽさが売りになりますので、音作りの段階で物足りなくなった時にエフェクターから揃えていくのも手です。

ギターもドラムももちろん付属音源には入っているのですが、どうしてもショボくて使い勝手が悪いことがあります。
(まったく使えないというわけではありません。打ち込みのテクニックやエフェクトの掛け方次第ではリアルな音に近づけることはできます。またバックで薄く鳴らしたり、主張したいメインの音でなければ付属音源の方がPC負荷が軽くて済みます。ざっくり打ち込みの段階では付属音源で作っておいて、後から別のリアル感のあるプラグイン音源に切り替えて作り込んでいくという方法もあります。)

というわけでいくつか紹介します。

ギター音源

一つ目は
Standard Guitar
です。

エレキギターの音源になります。
Standard Guitar単体で鳴らすことはできず、sforzandoというサンプラーを導入してその中で更に読み込む、という手順をとります。

原音はペロ〜ンといった感じでなんだこりゃ?と思うかもしれませんが、エレキギターの仕組みをよく知らない方もいらっしゃると思うので説明します。

実物のエレキギターはそのままではちゃんとした音は鳴りません。
ギター本体に弦の振動を感知して電気信号に変えるピックアップという装置が組み込まれていて、そこで拾った信号をアンプという信号増幅装置を通してスピーカーから音が鳴ります。
Standard Guitarはちゃんとしたアンプを通さずスピーカーから直接鳴らしているような音で、そのままだとショボいのです。

じゃあ単体じゃ使えなくてアンプとかのプラグインを更に導入しないといけないのかというと、必ずしもその必要はありません。
前にも書いた通り、DAWにも最低限のものは付属しています。
Cakewalkには
TH3
という、アンプを初め、大音量スピーカーを組み合わせた装置のキャビネット、音色をギャンギャンいわせたりホワンホワン揺らしたりする(擬音多いな!)エフェクターが、数は少ないですがいくつかセットになったギター専用プラグインが付属しています。
この専用プラグインとCakewalkそのものに付属しているエフェクタープラグインを組み合わせることで、エレキギターらしい音を作っていくわけです。
無料とはいえなかなかバカにはできない性能です。
Standard Guitarで打ち込んだいかにもエレキギターっぽい曲を参考に上げておきます。

(紹介していく曲はどれもDTMを始めて1年以内に投稿したものです。使い方次第で無料でもここまでできるんだとの参考になると思います。あと宣伝兼ねています(笑))

イントロ前半(0:24~)はクリーンな音、後半(0:34~)はいかにもエレキギターな歪んだ音(“ひずんだ”と読みます)。Bメロ(1:10~)ではさらにフランジャーというシュワンシュワン鳴るエフェクターを通しています。

これとよく似たMETAL-GTXというプラグインもあります。こちらはもっと荒々しいサウンドを作れます。

いかがでしょうか?
ギターソロ(3:50くらい~)はいかにハードロックって感じです。
ちゃんと性能を引き出してあげれば、それなりに聴けるものにはなると思います。
ちなみに作った本人はこんな上手にギター弾けません(泣)

さて、続いて紹介するのが
Ample Guitar M Lite Ⅱ
です。

こちらはアコースティックギターの音源です。
無料版ではハンマリングやスライドといったギター特有の演奏法のいくつかが使えませんが、ジャカジャカ弾きなら十分な性能です。
また、私はギターコード(指の配置)がわかるのでほとんど完全打ち込みで再現しますが、コードがわからないという方やメインの楽器ではないから薄く重ねたいという程度の場合であれば、ストラムモードという自動コード弾き機能もあります。

やや中音域が太く 音量も大きめなので、他の楽器と合わせるときは、いずれ説明する音作りやミックスで調整しないとゴワンゴワン鳴ります。

他にも色々ありますがとりあえずエレキならStandard Guitar
アコギならAmple Guitarを入れておけばひと通り対応できるかと思います。

あとはどちらもベースギターで同じシリーズがありますので、付属音源のベースギターが物足りないと感じたら導入してみても良いです。
基本的な使い方は各々共通なので説明は省きます。

ドラム音源

続いてはドラムです。
CakewalkにはSI-DrumKitという付属音源が付いていて、これも十分使えるのですが、
太鼓類がパワー不足だったり、シンバルの数が少なくまた響きが不自然に途切れたりと弱点がありますので、別のプラグイン音源を導入しておいて損はありません。

一つだけご紹介します。
MT Power Drum Kit 2

音としてはロック〜ポップス向きで、ややうるさめ。音色の調整はあまりできませんが、かなり自然なドラムの音色です。
難点は無料版だと読み込む度に購入のスキップボタンを押さなければならないところ。
そしてやはりシンバルとタム類の数が限られるところです。
ただ、めちゃくちゃハードなロックソングとかを目指さなければ、何枚もシンバルを重ねたり、タム類を5個も6個も使ったりすることはないので、それほど問題ないと思います。

少し先走りましたが、ドラムセットを見たことがない方に説明しますと、ドラムスは基本的に
クラッシュシンバル(1〜2枚)・・・曲の区切りなどに入る派手なジャーン音
ライドシンバル
・・・リズムを刻んだりするカンカン鳴る音
ハイハットシンバル
・・・同じくリズムを刻んだりする2枚重ねのメインのシンバル。シンバルを閉じた状態と開いた状態で音を使い分けられる
スネアドラム
・・・同じくリズムを刻んだりするタンタン!と鳴る音抜けの良いメインの太鼓
ハイタム
・・・高めの音の太鼓
ロータム
・・・低めの音の太鼓
フロアタム
・・・超低めの音の太鼓。曲の区切りなどにタムタム類を組み合わせてドコドコドン!みたいな勢いのある流れを作れる
バスドラム
・・・リズムを刻む超低音のドスドス音
という構成が多いです。それぞれの役割はいずれしっかり書くかもしれませんが、今のところいっぱいあるんだな程度の理解でよいです。

少ない場合でクラッシュ1枚、ライド、ハイハット、スネア、タム1個、バスドラの構成だったり、
多い場合でチャイニーズシンバル(ジョワーン!と鳴る中華っぽい音)やスプラッシュシンバル(シャン!と鳴る小さくて高い音)に加え、ハイタムロータムの間にミッドタム、ツインバスドラ構成になっていたりします。

タンバリンやビブラベル(ビョ〜ンとなるコップみたいなやつ)やウィンドチャイム(シャララ〜ンとなる鐘の棒が並んだやつ)とかもドラマーが担当することもあります。
というかそれ以上は変態ドラマーじゃない限り手と足がたりません(笑)。(たまにいますが。手足が8本くらいあるのかな?)
なのでPowerDrumKitは基本的なものは揃っていると考えてもらって良いです。

ドラム打ち込みの妙、というかコツもいずれ紹介しますが、私は1つの曲でもドラムセットを複数使い分けます。
他に使っているもので名前だけ紹介しますと、
様々な無料音源が揃ったLABSシリーズのパーカッション類
Cymbalistic(シンバル類)
SeanPandyDrums(太鼓類)
などです。

なぜ複数使うかというと、ドラムスってその曲に合った色んなメーカーのを持ち寄って組み合わせて演奏し、録音時にはそれぞれ別のマイクで音を拾って、個別に音量とかを調整してから合体させるって方法を取るんです。
曲によっては統一感を出すために1つの音源セットで構成する場合もありますが、シンバルはコレ、スネアはコレ、タム類はコレ、バスドラムはコレなどと複数音源を組み合わせると自由度が広がります。
私は最近はドラムスパートだけで4〜6種類に分類して打ち込んでいます。
理想は実物と同じく楽器一つずつなのですが、打ち込みが複雑になるのとPC負荷が大きくなるのである程度まとめた方が無難です。

エフェクター

かなり長くなってきましたが、今回のラストはエフェクターの紹介です。
といっても実は私、いくつかは導入しているもののだいたい付属エフェクターで済ませています。

なぜかというと付属である程度事足りてるという点がひとつと、もうひとつは種類とパラメーターが多すぎて沼だからです(笑)
最初のうちは付属で良いと思います。
音作りにこだわりすぎて曲そのものが完成しないとか本末転倒ですから。
なので今回は特に紹介しません。

それでも私が、付属品でも導入品でもほぼ必ず使うエフェクターが、
コンプレッサー

イコライザー
の2つです。

この2つだけでもかなり沼な上、おそらく初めの頃は特にコンプレッサーが何ものなのか極端なセッティングにしない限り音の違いがわかりにくく、何ミリ秒とか何デシベルとか何をどうしたらいいか意味不明だと思います。

一応説明します。
コンプレッサーは「音の粒を揃える」などと説明されることがありますが、え?となりますよね。
Compress-or(コンプレス=圧縮する・もの)という意味で、音の特徴や録音の状態によって元の音の大きさがバラバラになっているものを、一定の範囲内にギュッと押し込む感じです。
一つの楽器に対しても使いますし、曲全体に対しても使います。
小さな音ははっきり聞こえ、大きな音はうるさくならないということですね。
なので掛けないと、前項で説明したエレキギターがアンプとキャビネットを通している分やたら大きく鳴ったり、掛け過ぎると主役でもないボーカルのハモが前面に出てきたりとバランスがおかしくなります。
一つの楽器でも同じで、その音をその音らしくさせている部分を活かすセッティングにしないと、何の楽器だこりゃ?ともなりかねません。(加工した音の面白さを出すためわざと崩す場合もあります。)

イコライザーの方は明らかに音が変わるのですが、こちらも理解した上で設定しないとむしろ全体のバランスが悪化することとあります。
Equal-iz-er(イコール・にする・もの)という意味ですが、逆にわかりずらいかも。
機能は音を周波数ごとに小さくしたり大きくしたりするものです。
周波数って何?という方のために説明します。
そもそも「音」というものが何かというと、(主に)空気を振動させて波として耳に届き、それが鼓膜を振動させて脳が認識して聴こえてくるものです。
その振動の細かさや大きさや組み合わせによって、これはギターの音だ!こっちはドラムの音だ!とわかるわけです。
このときの振動の細かさ(振幅)を周波数といって、細かいほど高い音として聴こえます。単位はHz(ヘルツ)を使います。一秒間に何回振動するかを表しています。
例えばいろんな楽器の基準音として使われる「ラ」の音は440Hzです。
このサイトがめちゃ参考になります↓(サンプル音を聴くときは音量に注意してください。耳がバカになります。)

で、イコライザーはこの周波数(とその前後ある程度の周波数帯)ごとに音を大きくしたり小さくしたりできます。
楽器の音は、上記のサイトのサンプル音のように一つの周波数が鳴っているわけではなく、複数の周波数が組み合わさってできています。
そこで各楽器の特徴をふまえて、大きくしたいところは大きく(ブースト)、小さくてもかまわないところは小さく(カット)することで、音をより特徴づけたり、他の楽器のジャマにならないように調節したりします。
私は上記サイトを参考にしながら電卓をはじいて調整することもあります。最終的には耳が頼りですが、闇雲に調整するより数字で一目瞭然な大枠を作った上で調整する方が明らかに早いです。
食材の特徴を知らずに料理するより、皮を剥いた方がいいのか、どのくらい火を通した方がいいのかとかを知った上で料理した方が、早くて美味しくできるみたいなものです。

ここまでのコンプレッサーとイコライザーを組み合わせることで、弱々しくて聞こえなかった音がしっかり聞こえるようになったり、鼓膜が破れそうな爆音が尖がった感じを残しつつ全体に馴染んだりします。

Cakewalkには先に紹介したProChannelの中にどちらもそこそこの機能のものが付属していますので、まずはそちらを使い込んでみて、明らかに能力不足だなと感じ始めたら無料でも有料でも探してみるとよいと思います。

他によく使われるエフェクターとして、
ディレイ(音をコピーして遅らせて鳴らす)
リバーブ(小部屋で演奏した雰囲気やコンサートホールのような広い場所での響き(=残響)を再現する)
コーラス(元の音と少しだけ高さをずらした音を重ねてきらびやかにする)
などがあります。
ちょっと数えてみたら無料のCakewalkでも、先ほど紹介したギター専用のTH3を1個と数えても40個くらいはあるようです。でTH3の中にもさらに40個ほどあります。そして各エフェクター毎に何個もツマミやパラメーターがある……。
はい、おぼえられない!

ということで、各エフェクターの特徴や使い方は説明し始めるとそれだけで辞書が出来上がるくらいにありますし、このnoteの方針は私なりのアイデアの発想法やDTMのコツなどをまとめていくものですので、そちらは他の説明の上手い方にお任せします。

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結び

今回も最後に、引用しつつ心得みたいなのを書いて結びとします。

新城カズマさんという作家さんの
『サマー/タイム/トラベラー』
という小説があります。

ジャンルはライトノベル寄りの青春SFです。上下巻です。
あらすじ解説やネタバレはしませんがざっくり説明すると、
主人公の男の子と幼馴染の女の子、そして仲の良い友達グループのひと夏の青春物語で、
ちょっと不思議ちゃんでマイペースなその幼馴染の女の子がある日タイムトラベル能力に目覚めて、その謎を探りながら……そして事件を解決しながら……いや、結局特別なことは何も起きなかった普通の男の子の切ない夏の1ページだったのかも……。
みたいなお話です。
SF好き、青春群像劇好きにもおすすめしますし、お話の構成としてもそういうオチか〜と思わせる面白さがありますので、やや古い作品ですが良かったら読んでみてください。

で、その男の子が自転車好きで、作中のとある高級自転車メーカーのキャッチコピーが何度か形を変えながら出てくるんですよね。

手の届く最良のものをつかまえて、そいつといっしょに歳を取れ

物語の中では、それは主人公が欲しがっている手の届かない高級自転車かもしれないし、登場人物それぞれの夢や願いかもしれないし、いつも主人公そばにいるのが当たり前だった幼馴染のその女の子かもしれない。

我々音楽を作る人間で言えばDAWやプラグインであり、楽器が演奏できる人なら楽器であり……。それは別に高価である必要はないと思います。
(小説内では自転車メーカーのキャッチコピーなので、要はうちの自転車を買えよ!ということですが(笑))

お金が無くて仕方なく…ではなく、
無料や安価なツールでもこんなにできるんだ!と思えば、それはその時、最良の幼馴染や友人みたいなものになります。
コイツと一緒に歳を取るんだと決めたら、とことん付き合う。
やがてそれぞれ卒業していく時も来るかもしれません。
でも幼馴染や友人に、どうせ卒業までなんだから君たちとは仕方なく付き合ってるんだよね〜なんて言いませんし、そんなこと言われる人と付き合いたくありませんよね。
無料や安価なツールでも、最良のパートナーにできるのはあなた自身の想いです。いずれ卒業して大人になっていくとしても。

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次回予告

次回、第2回目は【ツール編②】としまして、残りの
歌声ソフト
動画編集ソフト
について紹介します。

それと、いまさらですが、PCの他にヘッドホンはさすがに必須ですね。
パン振りといいますが、右から鳴ってるか左から鳴ってるかすらわからないと、深みのある音の距離感が作りようがありません。
こちらも高級である必要はないと思いますが、できれば良いものを購入されることをおすすめします。音の響きが全然違います。
ヘッドホンなのかイヤホンなのか内臓スピーカーなのか、またPCなのかスマホなのか音楽プレイヤーなのか、などなど音響設備によってかなり聴こえ方が違います。
そのほか、打ち込みがしやすくなるMIDIキーボードや、楽器ができる方ならその楽器の音を取り込めるマイク、楽器とPCを繋ぐオーディオインターフェースなどを揃えていくのが良いと思います。
ついでに防音が完璧な個人スタジオと、生音を演奏してくれるプレイヤーと、完璧に調整してくれるミックス/マスタリング師と、MVを用意してくれる神絵師と神動画師と、宣伝してくれるマーケターを揃えれば!……
で、曲がダメだとウケないのが音楽の難しいところ。
まずは無料でもできるところから始めましょう。
私もいずれノートPCからもうちょっとハイスペックのPCとヘッドホンに変えようと思います。

それではまた次回。
Thank you for reading!

#DTM
#初心者
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#作曲

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