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その単語、習ってないのに大丈夫?- 心配ご無用!子どもは過信するとすごい力を発揮する!~課題設定の考え方~

小・中学校の英語の先生のための英語の先生 Teacher Melody です。
先生方、毎日お疲れ様です♡ 子どもたちの笑顔は先生方のおかげです!

 初めて包丁でお料理したのは何歳の時でしたか?そのとき、手を切らないかとヒヤヒヤしましたか?初めてのクッキングはワクワクの気持ちの方が大きかったのでは?ヒヤヒヤしたのは大人、親だったかもしれませんね。

小学校5年生の夏休み明けの外国語授業 

 小学校5年生の夏休み明け、最初の外国語の授業の帯活動で、私の夏休みの出来事を写真とたっぷりのジェスチャー付きで子どもたちに英語で話しました。そして、"How was your summer vacation?  Let's talk about it with your partner." と私が児童に聞いて、ペアでチャットしてもらいました。もう一度書きます。5年生の授業です。summer vacation の単元は6年生ですよね。既習事項を使ったチャット活動はほぼ毎回していました。でもその日は、夏休み明けということもあり、やはり「夏休み○○に行った。○○を食べた。○○を見た。楽しかった。」など、夏休みがホットな話題なのでそのチャットをさせたかったのです。過去形なんて誰1人習ってない中で、なんと子どもたちは楽しそうに会話を始めました!「なんと」と書きましたが、実は私はこうなるだろうなと予想していました。つまり、子どもたちは躊躇せず夏休みのことを英語でしゃべり出すだろう、そしてお互いの夏休みについて伝え合って楽しんでくれるだろう、と。というのも私の中に、「この子どもたちはできる!」という根拠のない(?)確信がありました。だって、いつでもできているし、できないときはお互い助け合っているし(←これ見ててとても胸キュンです)、良い質問してくれてそれを全体でシェアすると皆でクラスメートの疑問を一生懸命考えてくれて自分なりの答えを出してくれます。公立の小学校ですので、DNA的にまた経済力からの知的能力が高いわけでは決してありません。もし、何か高いものがあったとしたら、私の児童に対する「できる!」という強い過信です。もちろん過去形をまだ習っていませんでしたので、正確性には欠けるかもしれません。でも「間違ったっていい!チャレンジすることが大切!結果よりもプロセスを大切に!」こんなことを先生方は子どもたちに言ってませんか?そう、間違ったっていいんです!「英語を使って会話するのは楽しいね!」という経験を重ねる事の方がこの子どもたちにとっては重要だという考えで、このチャットを強行突破しました。Fruency First!

子どもの力を過信し過ぎましょう! 

  5年生のある児童は夏休み中毎日のように所属するスポーツ少年団の練習があったようです。でも、「毎日」という英語を知りません。では、どう伝えたか?彼はこう言いました。


児童A:I play softball Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday,     Saturday, Sunday.

それを聞いたペアの児童も、同じスポーツ少年団に属していました。そこで

児童B:Me, too.  Me, too.

と、リアクションしていました。

それを聞いた私は、大拍手です!!素晴らしい発想で、自分の使える単語で、必死に伝えたいことを伝えようとしていて感動しました。もちろん、過去形を全く習っていないので、playはplayedではありませんし、曜日の前に前置詞 on はつけていませんが、伝いたいことは十分伝わってきますよね。そして彼の言い方、表情で「毎日スポ少の練習でたいへんだったんだ~」という気持ちもしっかり伝わってきました。もちろん、チャットタイムのあと、このペアのやりとりをクラス全体でシェアをして、言いたいけど言えないときはどうやって伝えたら良いのか、ということと、そして「毎日=every day」という新しい単語を学びました。田舎の私の小学校でも、クラスに1人ぐらいは、塾などで英語を習っている子どもがいて、その子が every day を皆に教えてくれました。教師である私は、ファシリテーターしただけで、何も教えていません。それなのに、子どもたちは自分たちで学び始めました。教師にとっては、とても嬉しいことです。少なくとも私はとても嬉しかったです。

ヴィゴツキーの発達の最近接領域

 英語を英会話教室などで幼い頃から学んでいる子どもは、毎時間真っ先に正解を答えられると、他の子どもたちの学ぶ喜びを奪ってしまう可能性もあります。そこで「ここぞ!」という時に活躍してもらうようにしています。またそのような児童しか答えられないような発問は、改善が必要だと思います。課題設定の仕方に関して、「ヴィゴツキーの発達の最近接領域」を再確認しておきます。「発達の最近接領域」とは、ヴィゴツキーの構築した心理学理論で、子どもの発達について、まだ成熟していなくて、成熟中の段階にある過程を意味します。下図をご覧のとおり、scaffolding(足場掛け)すれば、達成できる領域のことです。

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ピグマリオン効果

また、ピグマリオン効果も私は大好きです。ピグマリオン効果とは、他者からの期待により、学習などの能力が通常よりも向上する効果のことを言います。過度の期待は本人の負担になる可能性がゼロではありませんが、教師が「この子は必ず伸びる」と信じて1年間接すると、そうでない場合とは成長曲線のカーブ度が違ってくると予想されます。(もちろん、成長曲線とは身長の伸びではありません。菊池省三先生の成長ノートにおける成長曲線です。)

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 大人が近くで見守り励まし続けると、子どもはチャレンジしてくれます。ケガしたら危ないから、どうせできないから、と言って、いつまでも成長のチャンスを奪い続けないように、子どもが安心してチャレンジできる場を用意してあげたいものです。

1人でも多くの先生方子どもたちに、英語の楽しさ、人生の素晴らしさが届きますように!最後までお読みいただきありがとうございました!

Thank you so much for reading! I hope to see you again soon! Bye for now!

【英語の先生のためのひとことEnglish】

Education is the most powerful weapon which you can use to change the world. - Nelson Mandela.

 私の目の前にいる子どもたちは、世界をより良く変えていく力があると信じて、私は毎日お仕事がんばっています!

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