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霊夢と僕とアリスのインター☆net

霊夢「久しぶりに「1日に何回抜けるかなチャレンジ」をやってみようと思った。僕の最高記録は約53回。最後の方は痛みが快感を上回っていたから、どこまでが”自慰”だったのかは最早判断できない。けれど、当時中学生だった僕はよく分からない義務感でもう精子の出ない陰茎を床に擦り続けていた。

あの日からだいたい10年経って、僕は同じようにうつ伏せになった。突発的に思いついて抜くんだから30↑も怪しいかなぁwなんて、考えていた。”14”という数字をこの時の僕に囁けば、貴重な休日をうつ伏せになって泣きながら費やさなくても良かったのかもしれない。」

アリス「未来の自分自身に多少の介入は可能だと思う。こんな文章を打つのはやめてランニングでもすれば、今のところ訪れる予定の明日よりは多少健康的な明日を貴方は過ごすと思う。過去の自分自身は、あえて過激な言葉を使うと、既に死んでいる。死人。だから、もう何もどうしようもない。昨日、抜けもしないのにじんじん痛む陰茎を床に擦り続けていたあの時間でランニングでもしていたら、今は多少健康的な”今”になっていたと思う。」

霊夢「インターネットが好きだった。誰にでも同じように”今”があって、でもそれは必ず”過去”になっているから、僕はインターネットで狂ったように人の過去を探しまくった。更新の途絶えたテキストサイトを印刷して床に貼った。手ブレと音質のひどい動画を見るだけで睾丸が回った。射精の瞬間、ノスタルジアは僕だけを指す代名詞になっていた。」

アリス「”抜きたい”と思って、それをツイートして、でもタイピングなりフリックなりしている間に「抜きたい」は”今”を通り過ぎる。素人声優の録音した音声は、”発掘”される以前にその声優自身によって既に”発掘”されている。」

霊夢「過去なんてどうしようもないんだから振り返るな、と叫ぶ奴がいた。自分の後ろへと過去が流れていって、前からは絶え間なく未来が溢れてると思い込んでいるらしい。前から訪れるのが未来だとしたら、あの人たちはもう目を閉じてしまったんだと思う。僕は未来を膕で受ける。前は向かないけれど、目は開いている。」

僕「星は遠い昔の光らしい。空に向かって手を伸ばす目の潰れたロマンチスト達を横目に、僕は穴を探す。」

ALC「じゃあ、明日は?」

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