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『トートバッグに目がない』




 マイブームや好きなものの一つとして急浮上してきていることを認めざるを得ないのが、トートバッグの存在である。所持しているトートバッグが増えてきたので改めてその種類を確認してみたところ、バナナレコードの特典や先日出品した文学フリマのノベルティでいただいた物も含めて現在八種類のトートバッグを所持していることが発覚した。内六種類は自発的に購入していることからも、やはり自分自身がトートバッグに目がないことを認めざるを得ないし、これでもしもトートバッグのことなんて好きじゃないなんてほざこうものなら、ていやんでい、思わせぶりにも程がある。


 ということで、トートバッグのどこが好きなのかいつになく真剣に思いを巡らせてみたわけだけれど「機能的な役割をちゃんと果たすタフな一面もありながら、フロントにプリントされたイラストで個性を主張しつつ遊び心にだって溢れているのにどこか滲み出てしまう色気」という堂々巡りのゴールテープを切って、フィニッシュ。誤解を恐れずに述べますと、トートバッグって何かセクシーだと思います。十二インチのレコードが何枚かドカッと入ったり、スーパーでの買い物ではエコバッグに早変わりして地球規模で優しさを見せたりするのに、それを決してひけらかさない。肩に掛かっているその佇まいやトートバッグをトートバッグたらしめるその余裕さえ感じるラフで上品なフォルムだけではなく、その奥ゆかしさがエロいのか。何かズルいし、結局はそこに首ったけだ。


 好きなお店のグッズや遊びに行ったイベントの物販にトートバッグを見つけてしまうと、やっぱり目がない。日常生活での使い勝手は抜群だし、シチュエーションや気分によってどのトートバッグをチョイスするのかだって楽しい。その日に選んだトートバッグのデザインを褒めてもらったり、それが会話のきっかけになったりすることもまた嬉しいのだ。

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