見出し画像

(詩)月曜日の朝

音の聞き過ぎで
耳鳴りがする
静けさを避けて
何かをしてなきゃいけないっていう
強迫感みたいなもの

空気の抜けた自転車のタイヤ
歩道と車道の境目で
ねじれた時
バランスを崩した時
思った瞬間に通り過ぎている

いつの間にか出来るようになった
振り返る仕草
あの人の真似事を繰り返すうちに
私のものになった

息があがっても
しばらくは 苦しくても
無理にでも意地を張って
何でもないようなふりをして
自分も周りもだましていく
悪気のない嘘は
そのうち心地良くなる
健康のために飲む水よりも はやく
身体に染みて
ひたひたに満ちていた浴槽が
一気に空になったら
はっきりと目が覚めて
それまで見ていた夢を懐かしみながら
忘れていくだけ