白内障手術を受けました


概要

2022年8月18日に、右目の白内障の手術を行ったので、あれこれ記録など。たぶん最終的には同人誌にまとめますが、とりあえず自分のメモ書き。

右目の状態

1990年頃(眼鏡の矯正不能)

もとより子供の頃から左右共に強度の近視・乱視だった自分です。子供の頃から眼鏡を常用しておりますが、大学生の頃にコンタクト・レンズを一時期していた際に「円錐角膜」という診断が眼科から出ており、またすでに眼鏡では矯正が不可能なレベルの乱視であったのもコンタクトレンズにしていた一因です。
乱視用のコンタクト・レンズは、真円ではないのでちゃんとレンズの上下が合ってないとかえって見えにくくなるとかいうのもありましたが、反面、面がぴったりと合うと左目よりも高い矯正視力が出せていた当時の思い出。1.2くらい出てました。左目はベストでもせいぜい0.8くらいです。
しかし基本的にコンタクト・レンズのメンテナンスは面倒で、そもそもデスクワークが中心の生活だと、そんなに高い視力は不要だし疲れるデメリットのほうが大きくなるので、いつしかコンタクト・レンズは止め眼鏡の生活に戻りました。

2000年頃(外斜視の進行)

眼鏡のみの生活ということは、基本的に右目は使わないということを意味していたわけなので、左目のみで周囲を視る生活を続けます。
しばしば右目をつぶった状態で過ごしていますが、この結果、脳が右目からの信号を処理しないようにもなると同時に、右目の外斜視が進行しました。要するに、僕と会っている人間は誰でも知っていることですが、僕は常に右目が横を向いている状態であったわけです。まあ本人的には特に不自由もなく「自分はいわゆる立体視はできないんだよね…」という感じ。

2002年

2002年に声優ジェーニャの招聘活動に参加した関係で、速水螺旋人さんが僕の似顔絵を描いてくれたわけですが、これがきっちり「右目の外斜視」を表現していて「漫画家の観察眼ってすごいなぁ」と感心したものなのです。

これだけ小さいカットでも、外斜視を表現できているのです。ちなみにこれは20年前の当時の同人誌に掲載されたバージョンではなく後年「髪の毛を減らした」バージョンです(笑)。

2004年

この年に女房がレーシックの手術を受けました。これ自体は別に問題もなく今でも裸眼で日常を過ごしています(視力は手術直後よりはだいぶ落ちている感じではありますが)。
この際に自分もレーシック手術でついでに右目を治せないかな…と診断だけして貰ったのですが、結果は「うん、無理ですこれ」ということでお払い箱。まあ、別にいいんですけど。
またこの頃には「円錐角膜」が右の強度近視の主因であるとも思われていたので「角膜移植」はできないだろうかと相談もしています。角膜移植はドナーが必要で申請しても何年も待つ話でもあるので、とりあえず「まあ無理かな」ということで特に話も進めずにそのままでした。

2021年頃(白内障の進行)

もとより使っていなかった右目なので、見えなくても別に不自由はなかったのですが、どうもこの頃から右目の白内障の進行が酷いと指摘され、近所の眼科に通院して進行を抑える目薬をするようになりました(左目も)。

幸い、左目は白内障が出ている自覚症状はないんですが、老眼が進行してきて細かい文字が読めなくなってきたのに「うーん…」と思ったり。

2022年頃(白内障の手術)

このまま左目が満足に見えなくなったら、左右ともまともに見えなくなるので身体障碍者の申請をして会社も辞めざるを得ないのかな…とも思っていたのが大きいのですが、とりあえず白内障の手術というのは枯れた技術で費用も健保で数万円で済むらしいので、見えるようになったらめっけもの程度のことで手術を前提に相談することにしました。
これは近所の眼科では無理だったので、錦糸町の「望月病院」への紹介状を書いて貰いました。
なおこの頃には、右目はもとよりの強度近視に加えて、かなり視界全体に白いもやがかかっていたため、光の方向くらいしか分からない、ほとんど何も見えていない状態でした。「自分で目薬をさそうと上を向いて目薬を目の上に掲げても、目から5cmくらい上にあるはずの自分の指先と目薬が分からない」と書けば、どれだけ酷いものであるか察していただけると思います。

手術延期(2022/6/1)

望月病院は流れ作業的に手術を行うだけの感じだったので、まず眼の状態を診断して貰ったうえで、6/1に最終確認(眼内レンズの度の決定とか)を行ったうえで、6/19に手術をする段取りになりました。
なのですが、GWに自分が5/31まで心筋梗塞で入院する羽目になったため、これはキャンセルになり、再度の申し込みが必要だという話になりました。

退院後の7月に再度、望月病院を訪れてチェックをして貰ったうえで手術日を8/18として、そのスケジュール通りに決行となりました。

「どのくらい視力が回復できるかは不明です」

この日は入れるレンズの度数なども決める日だったわけですが、まず言われたのが「現状、とても右目の屈折(近視)が酷いので、これを完全に補正できるレンズはありません」「とりあえず健保適用の範囲で一番、屈折率の高い強いレンズを入れることにしますが、それでどの程度よく見えるようになるかは不明です」とのこと。
こちらとしては「より強いレンズで健保適用外だとだいぶお高いんですよね…?」と確認しつつ、それでも完全に補正できるようになるわけでもないならあまり意味はないと思われたので「わかりました。それでいいです。保険の範囲で一番強いヤツを入れてください」と依頼し「まあ、現状、この右目はまったく使っていないし見えない状態なので、ちょっとでも見えればめっけもんということで」と依頼を確定させました。
ちなみに「20年くらい前に円錐角膜とも言われたのですが」…とも相談したのですが「そんなもの、なさそうですが」と言われてアレ?なお気持ちに。

手術(2022/8/18)

手術しました。

  • まずは手術台で、あおむけに。

  • 右目以外の部分を覆って、右目部分は切開して見えるように。

  • 右目に目薬。もともと裸眼でほとんど見えなかったので視界は変わらず。麻酔かな。

  • 目の前に迫ってくる注射針、のようなものはなかったので先端恐怖症の方でも安心。

  • 手術台の上の光をできるだけ見ているようにとの指示。どうしても眼球は微動はしてしまうけど、問題はないみたい。

  • 黒目の周辺のあたり?にチリチリとした痛みとも言えない感触。たぶん切開してる。このチリチリはだいたい手術中は続きます。

  • そのまま色々やってて、急に前を観ていた視界が明るくなる。濁った水晶体を除去したんだと思う。

  • 視界のピントは合わないので、いつレンズを入れたのかはよく分かりませんでした。

  • いつ縫合(というよりレーザーかな?)をしたのかもよく分かりませんでした。

  • なお、手術中、とくに後半は、手術器が割と大きなピーポーという変調する電子音を鳴らし続けます。なんか昭和の平口博美のAVみたい(この喩えで分かる人がいるのかよw)。よく分かりませんがちゃんと目的の箇所に当たっているかとか、そういうことなのかなぁ。手術室の隣の待機室でも聞こえる割と大きな音なので「ありゃ何ですか?」と看護師に聞いたりもしたのですが無回答。

  • 「終わりました」と言われて、眼帯をつけられて終了。

当日は右目に眼帯をして、それをつけたまま寝ました。抗生剤などの服薬はこの夕食から始めています。
傷が痛んだときの頓服も処方されましたが、使う必要もなく。

手術翌日(2022/8/19)

午前に望月病院に行き、眼帯を外し、状態の確認と視力・眼圧などの測定をしました。
とりあえず眼帯を外して外を自分の右目で見た瞬間に「おお…見える…このジジィの盲いた右目でも見えるぞ…」といささかの感動。
確かにピッタリとピントなどは合っていないものの(これはむしろ乱視のせいだろう)、視界が真っ白で何も見えない状態が解消したのはもちろん、いまも普通に使用している左目の裸眼よりもよく見えます。もちろん眼鏡で補正してある左目の矯正視力に比べれば周囲の文字をクッキリ見たり読書をすることは不可能なのですが、とりあえず右目だけで歩くこともできる勢い。
これは、一カ月くらいしたら「この右目」に対してさらに眼鏡を重ねがけすれば、普通に使える眼になるのではと期待している次第です。

手術でどれくらい視えるようになったか

画像はイメージです。

左目・矯正視力

左目で眼鏡をかけた状態。ちょっと老眼で細かい部分が見えにくくなってきたんですが、それでも近くは基本クッキリ見えますので、デスクワークをする上では今のところ不自由はありません。視力0.3-0.4くらいでしょうか。
なお2m離れるともう表紙の字などは読めないので、同人誌即売会で目当ての本を探すのが少々困難になってきました(笑)。

左目・矯正視力

左目・裸眼視力

こんな感じです。とりあえず「どこに何があるのか」程度は掌握できますので、ゆっくり外を歩くことくらいは可能です。自転車とかは無理。
読書とかはちょっと無理です。目一杯3cmくらいまで近づけると字を読むことは可能です。視力は0.1ありません。
とりあえず、入浴やプールで周囲の道具などをまともに識別できる状態ではないので、自宅の風呂場はともかく、知らない所に行くのはかなり困難を伴います。

左目・裸眼視力

右目・手術前

ほとんど「もう何も見えていない」状態でした。光の方向くらいは分かりますが、外を歩行するにも支障のあるレベルです。乗り物論外。

右目・手術前

右目・手術後

これが手術で一気にこうなりました。近くでもピントが合わないので、読書などをするには難がありますが、周囲を把握することは充分に可能です。
これが裸眼で左目の裸眼よりもすでによく見えていることがポイントで、おそらく将来、風呂やプールなどに行っても、それほど不自由せずに過ごせると期待されます。

右目・手術後

右目・矯正視力

これから一カ月くらいしたら眼鏡を作ることになると思いますが、これでピントが合うように調整して貰えば、左目の矯正視力よりも視力の向上ができるのではないかと期待しております。こたえは10月?

翌週検診(2022/8/27)

「来週1回来て」と言われたので、有休を取るほどでもないので土曜午前に。
器械で眼圧を測定し、あとは先生の視認と問診というかこちらの報告。

  • 眼の中の異物感ゴロゴロは木曜頃に消えました。

  • 指でこすったりするとレンズがずれたりしちゃうものなんでしょうか?

    • 「事故とかならともかく、その程度なら大丈夫」

  • 左右で比べると右目のほうが赤味がかってるんですが、血とかですか?

    • 「術後、黄色く見えるという方は多いようです。血とかではないです。」

  • 1m先くらいにピントは合ってますけど、目の前にピントが合いませんが、この辺は眼鏡で矯正できるもんなんですかね

    • 「いずれにせよ乱視が酷いのですが、その辺は眼鏡屋さんと相談のうえで。」

  • あと一カ月くらいしたら眼鏡を作ろうと思っています。

    • 「いいんじゃないでしょうか」

  • ともあれ、見えればめっけものということでやりましたが望外の結果でした。ありがとうございました。

あとは点眼薬はどれくらい残っているかという質問をしたうえで、ここを紹介した地元の眼科に手紙を書くので、来週にでもそこで今後の相談をしてくださいと言われて終了。基本、ここに来る必要はもうないみたいです。

地元の眼科(2022/8/29)

駅前の医者でコロナワクチン4回目を打ったので、ついでに立ち寄る。
今日は調子が良かったのだが、視力は左の矯正で0.6も出ていて、右の裸眼では0.4が出ていた(ただし近くにピントは合わない)。

右目の視認の結果なども、特に問題はない模様。
右に合わせた眼鏡を作る相談をすると「じゃあその時に眼鏡屋への処方箋を書くから(そういうのがあるのか)一か月後に来て」と言われた。

一カ月はさす右目の術後点眼目薬3つ(まだ半分くらい残っているが一応)1本ずつと、左目にさす白内障予防の目薬を数本処方して貰い終了。
保険適用ではあるものの、目薬は全部で1100円。タダのようなものだ。

眼内レンズの境界

そういえば最近、「この丸いのは何だろう」と思って気がついたのですが、正確には右目の矯正後の視界はこんな感じです。

まあ普通に、眼内レンズで見える部分が矯正されているだけというだけの話ですね。当然ながら眼球を動かせば中央の鮮明部はついてくるので、視界の外のほうを気にしない限りはなにも問題はないのです。

眼鏡作りを断念(2022/9/14)

糖尿の薬が切れるので、ついでに右眼用の眼鏡を作ろうと眼科に行きました。

何よりも右目の視力測定ですが、どうも眼内レンズの安定した所でうまく視力を測定できなかったためか、乱視の矯正がどうにもうまくいかなかったためか「裸眼でも0.4の所が読めるところがあるが乱視矯正しようとしても合わない」という状態を改善できません。視力測定の機械はもとより、看護師に色々とレンズを変えてチャレンジして貰ってもダメでした。近くでピントが合うようなレンズも発見できませんでした。

このため残念ながら「今回は眼鏡の新調は断念」ということになりました。手術をして眼内レンズを入れなかったよりは相当マシな状態になりましたが、引き続き日常は左目を使って行くしかなさそうです。

なお、今回のコミュニケーションにかなり不満が出たので、この地元の眼科は、もう今後は数カ月に一回くらい左目の白内障の点眼薬だけを処方して貰いつつ、もう利用しないことにしました。

視力検査とかは全部看護師に任せっきりで上がってきた数字を見て処方するだけらしいのはともかく、当初は「左右の視力差が大きすぎるので眼鏡を作れません」の一点張りで、こちらは「いや別に今さら両眼視をしようなんて思ってないし、左は左眼だけで、右は右眼だけで視力が出るようにして貰えればそれでいいのですが」という押し問答を何度かしつつ話を前に進めて貰いましたが内心「このひと何を言っているんだろう」と強く不信感を抱いたのが致命的。結局は視力が合わせられずに眼鏡を作るのは断念したのですが。
あと視力測定に酷く苦労したためかもしれませんが、結局、視力検査と眼圧を測定してから目視しただけで2500円も取られたというのもちょっと…。
白内障の手術後の点眼薬はまだ丸1本ずつ残っているし、これを使い切ったらそれをずっと続けるというものでもあるまいしなあ。

とりあえず、もう少し時間を置いたら、今度は眼鏡屋で眼鏡を作って貰う前提で視力検査をして貰うことにしましょう。

眼鏡作りを断念・眼鏡屋編(2022/9)

ヒマがあったときに、錦糸町だったかのメガネ屋で右眼に合うレンズをつけたメガネが作れないかを検眼。
結果は「ダメですねコレ」。まあ予想はしていたけど、近点のピントがカチッと会うレンズがないみたいなんだよね。いくら視力検査の機械で試してもダメ。視力検査をやると裸眼0.4くらいは出てるんだけど、あれは細かい所がブレブレでも円環のどこが欠けているかは識別可能だからです。

斜視の手術を検討(2023/11/1)

特に状態に変化もなく1年が経過しましたが「もしかしたら右眼の斜視手術を受けるのはアリではないのか」と気がつきました。

繰り返すように、手術後の自分の右眼は「ピントがぴったり合わない」のでデスクワークなどは不可能なんですが、その反面「だいたいが見えれば良い」のならむしろ左眼の裸眼よりはずっと高い解像度の視力が出ているんです。とくに風呂に入っている時にはこれは本当に助かります。石鹸やシャンプーの置き場所を手探りで探さなくて良くなったので。

それを考えると「この右眼はもう40年くらいまともに使わないまま今は斜視で横を向いているに任せているけど、手術で直して正面を向かせて少しはサブで日常でも使えるようにしたほうがいいのでは?」と思い至りました。
あとまあ常に右眼が横を向いているのも、あんまり見栄えの良い話ではない。

まあ一番大きな理由は、どうも片目の斜視手術は保険で5万円くらいでできそうなことに気がついたためなのですが(笑)。

そういうわけで11/1に近所の眼科へ。そこは斜視手術なんてやってない(白内障手術はやってたけど)んですが、まあ診断して貰ってどこかに「紹介状」を書いて貰おうということです。

で、こちらの意図を伝えたうえで、視力検査やらをやって貰ったわけですが…やはり「右眼のピントがどう頑張っても合わなくて視力は測定不能だし眼底写真も撮れない」のは向こうも困ったらしく「右眼に入れた眼内レンズのデータなどもウチでは分からないので、白内障の手術を1年前に行った病院で相談してください」という門前払いで終了。
「そりゃまあそうか」とも思えるものの、斜視の手術は眼筋を切って前を向かせるだけというのが自分の理解なので視力関係ないやろとも思ったんですが、まあ専門家の言うことにわざわざこんなところで抗いません(笑)。
初診料と紹介状コミで5千円くらいは覚悟したものの「お代はいりません」とゼロ円で終了。良心的だな!1年前もそもそもここの存在を知っていれば良かったよ!

というわけで、11/4の午前に望月病院に行くことにしました。さて、どうなるかな…(たぶん、つづく)

左眼も白内障が進行したか(2023/11/13)

結局、11/4は望月病院が休診で行けなかったのですが、ふと普段使いの左眼で視界に白い曇りが見え始めました。
最初「メガネのレンズが汚れたかな?」と思ったものの、メガネを外してもさほどの汚れない。
すこし考えて「あ、これはもしかして左眼の白内障が進行中か…」と気がつきました。

右眼の経験から、手術をしない理由はないので、これはなるはやで望月病院に行き、手術を前提に検査をして貰うことにしました(あわせて右眼の斜視手術の相談も)。

(たぶん、つづく)



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