210913_夢の跡
夢を見て、夢にひたって、夢と生きる。
そんな風に「これから」を歩んでいけたら、と思っていた。けれどガラスを隔てた銀のベールは正直で、そんな理想からは随分とかけ離れたこの身を映している。
見たくなくて視線を下げた。そうして理想も見えなくなって、何処を目指すでもなく彷徨い続け――
そのうちポッキリ折れるのだ。
もう、何度折れたか知れない。わざわざ挫折を数えるような趣味趣向もなかったし、数えていたとして、その累計にすら心折れている並行世界の自分が見える。
それ以上、下のない底まで沈みきったなら、あとは浮かび上がるだけ。
だから何だかんだ立ち直ってきたし、地上に戻るたび山も少しは登ってきた。問題があるとすれば、目標や夢が必ずしも頂にあるわけじゃないことだろうか。
『休んじゃいけない、立ち止まっちゃいけない。辛くてもその先に必ず欲しかったものが在るのだから頑張ろう』
そんな風に盲目的にあれこれやっているうち、迷子になって山じゃなく沼に居ることもある。歩き続けてさえいれば沈まずに済むから、それと知らずに危機を脱していたりもする。
でも、こういうのも案外ムダじゃなくて、目標や夢がすぐ近くにあったりする。それが分かるように、見えるようになるのに経験とか時間とか別の見方・考え方が必要なだけ。
――なんじゃあないかなと、目が覚めた後で思う。
#日写体記 #エッセイ
オヤツに少し使って、あとは製本貯金してます。書き溜めた短編小説を冊子にまとめるのが目下の夢なのです(*´꒳`*)