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声×NFT 第4回 「これは詐欺!?ヒヤヒヤの年末年始」

遅ればせながら、みなさまあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今年も新しい世界を開拓しながら突っ走ってゆこうと思います。
突っ走るといっても、慎重になることも必要ですよね。
新年早々ですが、ちょっぴりドキドキしたお話です。

詐欺にあったかも!?

昨年に引き続き、NFT×声の可能性について模索する日々を送っております。
NFTといえば、取り引きに暗号資産を使用します。暗号資産界隈は、ハッキングされて資産を盗まれるという詐欺被害の話もよく耳にします。
ですから、注意していたつもりでした。
がしかし、これは詐欺かもしれない、という出来事があったのです。

シークレットリカバリーフレーズ

まずは、シークレットリカバリーフレーズの説明からさせてください。
NFTの売買には、暗号資産を保管するためのお財布である「ウォレット」というものが必要です。今回は、その代表的なウォレットのひとつで、私も使っている「メタマスク」についてお話します。
このメタマスクというウォレットを別の端末で復元するには「シークレットリカバリーフレーズ」というものが必要となります。メタマスクのアカウントを作る際に必ず設定するものです。
これを他人に教えてしまうと、メタマスクの中身を自由に扱うことができるので、お財布を渡すようなものです。

メタマスクシークレットリカバリーフレーズについての解説は以下のサイトに分かりやすくまとめられています。(リンク先:CoinChoice)

経緯

NFTを始めたばかりのこと。
なぜかいつも入力するパスワードが入力できず、シークレットリカバリーフレーズを入力したことがありました。
しかしその時は、結局メタマスクを開けませんでした。
しばらくすると、元に戻って開けるようになったので、「なんだったんだろう?」と気になりつつもそのままにしていました。

しばらくたった年末、NFTのコミュニティ内で、シークレットリカバリーフレーズに関する詐欺の話が持ち上がりました。偽サイトに入力させて、シークレットリカバリーフレーズを盗み取るという手法です。
その時、以前自分がシークレットリカバリーフレーズを入力したことがある事を思い出したんです。
気になってよく調べると、メタマスクに似せたポップアップが突然出てきて、シークレットリカバリーフレーズの入力を誘導する詐欺があると知りました。引っかかって多くの資産を失った人もいるといいます。

私が入力したのもそれだったのではと思い、自分のメタマスクの中身を確認してみました。
すると、入っていなければならないはずの暗号資産がないことに気づいたのです。この時ばかりは非常に焦りました。
そこで、同じような被害にあったという方や信頼できる方を頼り、対処方法を相談しました。

やったこと

まず、過去の詳細な取引を見ることができる「イーサスキャン(Etherscan)」や「ポリゴンスキャン(PolygonScan)」というものがあることを知り、過去の取引を確認しました。

※以下のサイトは、イーサスキャンの説明ですが、私はポリゴンでの取引でしたので、ポリゴンキャンを使用しました。基本的には同じような見方だと思います。

※イーサリアムやポリゴンとは?(リンク先:NFT・副業ガイドtochiblog)


すると、身に覚えのない取引がありました。
誰かわからない人に、資金を送っている履歴があったんです。

その送金が詐欺によるものなのかは分かりませんでしたが、シークレットリカバリーフレーズを入力した記憶があるのがやはり引っかかりました。
気持ちが悪いので、詐欺にあったと仮定してメタマスクを新しく作り直すことにしました。

しかし、その作業がかなりめんどくさいんです。
メタマスクを新しくするという事は、それに結びついている「オープンシー」というNFTを販売するプラットフォームもアカウントを変えなければならないからです。
販売済みのNFTは、ブロックチェーンに刻まれているので削除できません。
NFTが転売されれば、元のアカウントに資金が入ることになります。
放っておくとややこしいことになるので、買っていただいた相手に訳を話して買い戻し、新しいアカウントから同じNFTを発行することにしました。
また、購入したりいただいたりしたNFTは、新しいアカウントに転送することにしました。

買い戻すためには資金が足りないので、資金を投入。
そしてメタマスクに資金を送ろうとしたら、今度は「コンビニ入金したものは一週間動かせません」という内容の案内が表示されます。
買戻しは一週間待つことに。
いざ、買い戻そうとするとイーサリアムからポリゴンに変換する手続きに結構なガス代(手数料のようなもの)がかかり、投入した資金はあっという間に消えました。

そして、もう一つ問題がありました。
メタバース空間でのNFT展示会に出品するために、元のアカウントで応募していたのです。
これも差し替えてもらわなければならず、慌てて問い合わせました。
新しいアカウントのアドレスを伝えて、無事に差し替えてもらうことができましたが、ご迷惑をかけてしまいました。

結局のところ

ひと通りあらゆるところに連絡した後、
よくよく調べてみると―――

「無くなっている」と思ったものは、ネットワークの設定が違っていたため、表示されていなかっただけでした。
不審に思った取引は、どうやらプラットフォーム(オープンシー)への手数料だったようです。

今思うと、シークレットリカバリーフレーズを入力した記憶も、正規のメタマスクに入力していただけなのかもしれません。
「詐欺にひっかかった!」と大騒ぎしていたのは、ただの私の勘違い・・・
だったようです。

その早とちりのおかげで、わざわざオープンシーとメタマスクを作りなおし、販売したNFTを買戻して新しいものを送り、そのせいで資金が足りなくなりさらに投入することになりました。
時間もお金も無駄にしてしまうという、なんともおまぬけな出来事でした。
さらに、いろんな方にお手間をとらせてしまい、ご迷惑をおかけしてしまいました。

学び

ただ、この一連の作業をしたことで、色々調べまくって知らないことを知ることができました。

  • 「イーサスキャン(Etherscan)」や「ポリゴンスキャン(PolygonScan)」でNFTの取引の詳細をチェックすることができる。

  • ポリゴンでの売り上げは、「イーサリアムメインネット」から「Polygonネットワーク(Maticネットワーク)」に変更しなければ表示されない。信頼できる方の記事を貼っておきます。(サイト先:おもちの美学

  • メタマスクを新しくするには、オープンシーのアカウントも一緒に変えなければならない。

  • イーサリアムからポリゴンに変換する際にかなりガス代がかかる。

  • クリックや入力をする際、スクショしてあとから見返せるようにしておくと便利。
    (これは、誰かに相談する際もとても役立ちます。
    私がシークレットリカバリーフレーズを入力した際も、それをしておけば、後からそれが正規のサイトのものだったのか詐欺サイトだったのかは、すぐに分かったかもしれません。)

  • ハッキング対策には、メタマスクをもう一つインストールして複数のウォレットを作成し、資金を分散しておくことも重要。
    (サイト先:おもちの美学

感謝

そしてもう一つ、強く言いたいのは、
多くの人の優しさに触れ、本当に感謝しかないという事です。
迷惑だと思いつつも何人かの方に相談させていただき、色々教えていただきました。NFTや暗号資産の世界は、詐欺などの悪いことをする人もいますが、優しい方もたくさんいらっしゃいます。
特にNFTは、まだ参入している人が少ないだけに「助け合って頑張ろう!」という仲間意識が強いなと感じます。(私はお世話になってばかりですが…)

しかし、相談する相手は必ず信頼できる人のみにしなければならないというのも注意すべき点だと思います。
初歩的なことをTwitterで聞いたりすると、手を差し伸べる振りした悪い人が寄ってくるそうです。
気になる事は、スクショして、まずは自分で調べて、それでもわからなければ信頼できる人だけに相談する。
というのがいいのかなと思いました。

まとめ

こんな話を聞くと、「NFTってやっぱり怖い」と思われそうですが、正しく対策をすれば、何かあっても小額で済みます。
今はNFTに関する詳しい記事もネット上にたくさん出てきました。私が参加している「NinjyaDAO」というコミュニティも、親切な方がたくさんいらっしゃいます。ちゃんと勉強しながらやれば、楽しいことがたくさん広がっている世界です。
興味のある方は、ぜひ一緒にNFTライフを楽しみましょう!

そんな、NFTを始めてみたいというあなたが、私のようなおまぬけな失敗をしないためにも、この記事が何かのお役に立てれば幸いです。


文責:松本史子
福岡県在住のナレーター。宅録を中心に、全国にナレーションを納品している。最近は声のNFTに挑戦。Twitterでも情報発信中!
〇Twitterアカウント:@narratorfumiko
〇ウェブサイト:フリーランスナレーター松本史子


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