【突撃!ナレトーーク】第2回 西岡莉央さん(後半)
ナレーター界を盛り上げるべく始動したメディアプロジェクト『HITOCOE』。
ナレーターのさかし(坂下純美)とあこ(甘利亜矢子)が、ナレーターの皆さんのライフスタイルや人生観、それぞれの働き方を紹介していきたいと思います!
引き続き、西岡莉央さんへのインタビューをお楽しみください!
前半まだ読んでないよ!という方はコチラです↓
育児と仕事とのワークバランス…スキマ時間の使い方は?
さかし:莉央さんは2人の子どもを育てながら、一体どうやっていつ仕事をしているのですか?
西岡:私は実家が近くにあったり、夫がいてくれる日もあって結構恵まれた環境ではあるのですが、子どもが横にいたらもちろん収録は一切できません。雑音も入るし、収録ブースにこもっちゃうと泣き声も何も聞こえてこないので例え子どもが昼寝していたとしても放ってはおけないんですよね。
基本的には一人にならないと収録できないので、夫が仕事から帰ってくるまではスマホでメールのチェックと原稿チェックをしています。
さかし:収録はせずに、できることを先にやっているのですね。
西岡:そうですね!仕事の依頼って、すべてスマホから連絡がきますよね。この仕事をするようになってから、私は仕事が入るのが嬉しいのでいつもスマホを見ているのが苦にならなくなったんですよ。
だから「西岡さん返信早っ!」って言われるぐらい、返信もすっごい早いんです。授乳しながら「お世話になっております」とか書いてることも(笑)
原稿をチェックしながら読みやすいように改行するなどは、子どもがいるときでもできるのでスマホで作業しています。
料理もできるだけ時短で済ませて、ミールキットみたいなものも使っていますよ~。子どもたちが寝ていたりご機嫌なときにササッと準備して、調理家電で時間をセットして、炊飯器にごはんもセットして、料理ができるまでは子どもと遊んでいます。
さかし:子どもとの時間も作って、しっかりコミュニケーションをとっているのですね。
西岡:子どもと絵本読むのが大好きでいつも本気で朗読したり、歌っていますよ!でも、スマホチェックも欠かしません(笑)
すぐ収録ができなかったとしても、後で送りますね!とだけでも早く返信したほうがクライアントさんも絶対安心するし嬉しいじゃないですか。そういうのはもともとスマホ中毒気味な私は、全然大丈夫なんです。
さかし:スマホ中毒っていうと聞こえ悪いですけど、スマホチェックが苦じゃない人って仕事できますよね(笑)
西岡: SNSで鬱になる人もいるといいますが、私それまったくないんですよね。見てるのが好きなんです。みんなに「いいね」するのも全然苦じゃない。だから、いつもスマホを見ていて仕事への反応はとても早いと思います。
オーディションのメールが来ていたとしても、「収録は後でしよう」と原稿チェックだけは先にやっています。
安心して収録できるのは、夫の協力があってこそ!
西岡:まず18時から子どもと私でごはんを食べます。4ヵ月の赤ちゃんは授乳をして。夫が19時ぐらいに帰ってきたら、そこから長男と私がお風呂に入ります。そのとき夫に赤ちゃんをみてもらいつつごはんを食べてもらって、20時ぐらいに夫と赤ちゃんが一緒にお風呂に入って、出てきたら着替えして保湿して、授乳して、髪乾かして、歯みがきして…と、いろいろしているとあっという間に21時なんですよ。
そこから普通は寝かしつけだと思うのですが、急ぎの仕事がある日だと早く収録したいですよね。でも上の子が本当に寝ないんです。赤ちゃんは授乳したら寝てくれるのですが、上の子が「絵本読んで」とか「まだYouTube見たい」とか…とにかく寝なくて。でも車に乗ったらすぐ寝るんですね。
なので、夫に夜のドライブに連れていってもらっています。
お風呂上がりに髪を乾かしてちゃんと温かくして、子ども二人を連れて。そうするとすぐ寝るんですよ。それで帰ってきてもらうと朝まで寝てくれます。
私は夫がドライブに行ったときからずっと収録、仕事しています。例えば、下の部屋に夫がいて上の部屋で収録とか。私がいないってだけでもう「かあかどこ行ったん~!」とか「ブースのマイクさわりたい」とか大騒ぎ!
なので、寝てもらってから落ち着いてやります。
さかし:寝てくれないと落ち着かないですよね…。
西岡:明日納品とかだと、明日どうなるかわからないじゃないですか。朝から子どもが遊んでほしいって言ってくるとかいろいろあるので。やっぱり子どもがいると集中できないので、そのまま深夜にやっちゃいます。
でも多分私が続けていられるのは、長尺が少なく、短いものが多いからかも。キャラボイスで「楽しいイベントいーーっぱい!」「セール開催中!」とか、15秒とか30秒のものが多いのでできるんだと思います。
さかし:どうしても時間が取りづらい小さいお子さんがいるナレーターさんは、あえてそこを狙っていけばいいという考え方もできますよね。長尺のお仕事は、やっぱりお子さんと離れる時間が長くなりますから。
西岡:実質、実働時間は長くて2、3時間だと思います。子どもが大きくなってきたら時間も取れると思うので、そのときに長尺ナレーションもちゃんとできるように今レッスンでがんばっています。
でも上の子は来年の4月から幼稚園に行きますが、まだ赤ちゃんもいるのでしばらくこの生活は変わらないですね。
私は寝ないとだめなので徹夜みたいなことはしていません。深夜にやるといっても、12時ぐらいには寝ています。
さかし:子育てしてると、時間をつくる=睡眠時間を削るということになりかねないですが、無理すると声出ないじゃないですか。
西岡:出ないです。子どもがいるから昼まで寝てられないし、なんだかんだ朝起きなきゃいけないので夜ふかしできない。体が資本で、ちゃんと寝ないと声も出ないし、睡眠は絶対に大事です。
さかし:それもまた旦那様の協力が不可欠ですね。
西岡:そうですね。私は結構夫と話します。「今日仕事があるからお願いします」とか「このお仕事私がやったんだよ~!」って一緒に喜んだり。だからいろいろ把握してくれているし、「今日仕事大丈夫?」とも聞いてくれます。
収録中に授乳が必要になりそうなときに前もってミルクを作ってくれることも。中断すると声やテンションが変わってしまうことがあるので、できれば全部録りきっちゃいたいですしね。
さかし:ほんのちょっとした協力があるだけですごく助かりますよね。
西岡:コロナで夫のテレワークが増えたことも、宅録の私には良かったです。子どもが昼寝しているときに見守ってくれる存在がいるだけで、私は安心して収録ブースにこもることができるし、トイレにも行ける。とにかく、いてくれるだけで助かるんですよね。
あと通勤時間がなくなったので、朝ゆっくりできて、夕方終了したらすぐ子どもをみてもらえて、自分が仕事に入れる。それがすごく大きいです。
さかし:旦那様、お子さんお好きなんでしょうね!
西岡:子どもがワイワイしているなかで仕事できるのがすごいなって思います。結構、器用なのかもしれませんね。子どもがいて宅録ナレーターで軌道に乗るためには、パートナーの協力は不可欠だと思います。
さかし:「宅録は家でやってるんだから楽でしょ?」と思われることもあるかもしれません。でも家にいたって営業もするし、やりとりをした上でご希望のものを収録、納品するんですからしっかりとした一つの仕事。「家にいるけど共働き」という認識をお互い持つことが大事なのかなと思います。
その環境をつくれた莉央さんが素敵!
西岡:ありがとうございます。私の夫は共働きという感覚を持ってくれています。休みの日も、子どもと夫でお出かけしてくれたり、ドライブに連れていってくれるのは本当に助かっています。
さかし:それだけちゃんと協力し合えていれば、「今日お母さんいなくて寂しい」というよりは、「今日はお母さんもがんばってるんだね」って思ってもらえるんじゃないかな。
あこ:莉央さんのお話に私も勇気がいただけました!ありがとうございます。
地方に住んでいてもできるのが宅録の強み!
さかし:莉央さんは旦那様の協力が得られていて、実家が近いという環境もあります。「あの人はできているのに、自分はできていない」と焦ってしまうこともありますが、自分の置かれた環境の中でどうするかというのを、自分だけではなくて、家族だったり行政サービスを調べてみたり…周りに頼って自分の時間を作ることも悪いことじゃないと思います。
西岡:自分の時間もなくて、ちょっとカフェに行きたいなと思っても行けないし、ひとりだったらトイレにも行けない。テレビも今まで好きなものを見ていたのに子ども番組になるし…本当に自分の時間ってないんですよね、誰かに見てもらえる時間がない限りは。
だから私はできているように見えるかもしれませんが、周りに助けてもらっているので「自分はできてないな」と思わないでほしいです。
宅録ナレーターだったら田舎に移住してもできると思います。むしろ、田舎と宅録って相性いいんですよ。
田舎からでもこのお仕事ができているので、この時代に生まれてよかったなと思います。
さかし:世界で活躍する藤村由紀子さんも地方にお住まいですよね。今や声の仕事はどこにいたってできるんだなぁと思います!
あこ:私も静岡から宅録ナレーターとしてこれからがんばっていこう、と勇気とやる気が湧いてきました!
今後の目標は…苦手に立ち向かう!
さかし:それでは最後に、今後どういったナレーションをやってみたいなどあれば教えていただけますか?
西岡:元々キャラナレが得意だったんです。ケーブルテレビのキャスターのお仕事でも最初「アニメのモノローグじゃないんだから」と言われるくらい感情を込めて読むのは得意。でも逆にアナウンサーみたいな読みはすごく苦手でした。
やっと落ち着いて読めるようになってきたと思ったら、それがいわゆる棒読みになってしまって…。そんなとき「ストレートナレーションは、アナウンサーっぽい読みじゃないんだよ。例えば窪田等さんはストレートナレーションってイメージだけどアナウンサーじゃないでしょ」と言われて、本当にそうだなと思いました。
私はそういうナレーターになりたいはずなのに、アナウンサーっぽく読むことがいいと思ってしまっていたところがあって、そうじゃないなと。
聞いている人がぼーっとしていてもちゃんと耳に入ってくる、そういうナレーションができるようになりたいなと思っています。
さかし:地方で宅録ナレーターをされている方や、これからやってみようという方の励みになるお話がたくさん聞けました。今日はありがとうございました!
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旦那様や周りの方の助けも借りながら、ナレーターとして、そしてママとしても頑張っていらっしゃる西岡莉央さん。
更なるご活躍、心より期待しております!
インタビューにお答えいただきありがとうございました!!
次回もお楽しみにーー!!(と言いつつ、番外編に続きます…!)
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