アメーバ中年〜山中の巻〜
中年は均質化する。傍から見ると無個性で無気力に過ごしているのが大半のように見える。何十年も同じ電車に乗り同じような感情の起伏を繰り返し、その個性は川の底に沈む石のようにならされ、丸くなってゆく。いかに個性を主張する中年がいようとも、それは断末魔のように痛々しい。しかしそんな中年もよく見ると愛すべき部分も多々あり、優しい気持ちになれる部分もある。そんな人生を垣間見ることができたらと思う。
山中は40歳。若くして課長になり、社内では一応の評価を得ているものの、反して評判はあまり