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ミギツメと右詰め、そして 右爪

「日本語は難しい」

ひらがな、
カタカナがあって
漢字もある。
そのうえ、ローマ字なんかも存在する。

「日本語は難しい」




わたしは、結構なレベルで
自分は天然かもしれないと、感じることがある。

ここから綴ることは、脚色なく本当のこと。
ノンフィクション。


シチュエーションは、銀行窓口。

確か、出金か振込みをする時だったと思う。
どちらかは、定かではない。

窓口の人から、
「では、こちらに記載をお願いします」。
複写の用紙を手渡された。
わたしは、複写の用紙を受け取り、
記載専用のテーブルで必要事項を記載し始める。

脱線する。
銀行や役場のボールペンはなぜ、
あんなに描きにくいのだろうか。
ボールペンのせいだろうか、腕の角度なのか。
なぜだろう。


話を戻す。

複写用紙には、
「氏名、年齢、金額、暗証番号」の記載が必要であった。

「暗証番号」の欄には、

「(ミギヅメ)」

と、「カタカナ」で表記されていた。
金額欄にはその表記はなかった。



わたしは、
躊躇することなく、
ボールペンをテーブルに置き、
暗証番号の欄へ自分の「右爪」を置き、
暗礁番号の数字を右爪でなぞった。


繰り返そう。
書きにくいボールペンを使って、
「右詰め」で暗証番号を記載するところを、
自らの「右爪」で数字をなぞったのだ。

...... 。

これは、ノンフィクション。
残念だが。


後々のこと。
実家で、なにかの流れで、なぜかその用紙の話になり、
右詰めを「右の爪」と、
解釈し記載したことに止まない大爆笑をうけ、
初めて自分の失態に気づいた。


わたしは、複写の用紙に記載する暗証番号を見て、
複写であることと、暗礁番号は人に知られてはいけない、
という固定観念が相まったのだとおもう。

ゆえに、
1枚目には記載せず、
次の用紙に複写できるよう、
「右の爪」で書くという暴挙をやってのげたのだ。
その時の解釈と動作は、躊躇なく「秒」だった。


そのまま、窓口へ持って行き、
手続きをおえた。
窓口で記載の不備を指摘されはしなかった。

恐ろしいことに、
このシチュエーションは1回では飽き足らず、
複数回やってのげたのも、事実。

日本語は難しい。
本当に難しい。

もし、今後、
複写用紙を目の前に置き、
ボールペン記載することなく、
自分の右爪で記載している人と遭遇したら、
優しく声をかけてあげたい。
(居ないだろう)

ちなみに、私は右利きである。
左利きだったら、気付いていたのだろう。


日本語は難しい。
けど、行間や感情をも表現できるのも日本語の強み。

では。では。

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