未発売映画劇場「荒野のライフル」
この「荒野のライフル」、昔々に東京12チャンネル(当時)の映画劇場で見ました。
すさまじく荒れた画面を覚えてます。いや描写が荒っぽいとかじゃなく、フィルムの状態がアレだったってことです。そもそもそういう画質を意識して撮影したのか、それとも何らかの事情があったからか、まるでサイズの小さいフィルムをブローアップしたみたいなざらついた画面が印象的でした。
ずっとこれはマカロニ・ウェスタンだと思っていたんですが、じつはイギリスとスペインの合作ウェスタンなんですね。
革命時代のメキシコの小さな村みたいなところが舞台で、その村に謎の神父、革命軍の残党、盗賊、未亡人などが集まってきて、なんかごちゃごちゃするお話し。早い話がストーリーはよく覚えてません。
その後再放送された記憶もなく、ソフト化もされていないので、こんなぼんやりした紹介しかできないわけですが、まあでも、こんなもんでしょう。
なぜ、そんな映画が記憶に残っているかというと、この映画、キャストが強烈に異色なのです。
「007/ロシアより愛をこめて」「ジョーズ」のロバート・ショウ、「女王陛下の007」「刑事コジャック」のテリー・サヴァラス、「スパイ大作戦」「スペース1999」のマーティン・ランドー。
なんか見ただけで胃もたれしそうな顔合わせです。ほかに、ステラ・スティーヴンス、フェルナンド・レイ、アル・レッティエリといったこれまたアクの強い面々が共演。
主役の3人の組み合わせは、ちょっとめずらしいですね。
3人ともたくさんの映画に出ていますが、実際に共演した作品はあまり思い浮かびません。
ロバート・ショウとテリー・サヴァラスはもちろん「バルジ大作戦」がありますが、あの映画では直接顔をあわせるシーンはないもんな。
テリー・サヴァラスとマーティン・ランドーはともにテレビ畑で活躍もしてますが、たぶん共演はなし。
ロバート・ショウとマーティン・ランドーも、組み合わせとしては非常に面白そうですが、ここ以外では実現してないようです。
そんなこの3人の組み合わせが、しかもウェスタンだというのもめずらしいですね。
この映画以外だと、ロバート・ショウは「カスター将軍」、マーティン・ランドーも「ネバダ・スミス 」と「ビッグトレイル」くらい、テリー・サヴァラスはひょっとしたらこれだけなんじゃないかな、ウェスタンは。
だとしたら、なんでこの陣容でウェスタンを作ろうと思ったのか自体が謎ですな。
そんなこんなで非常に貴重な組み合わせの作品なのですが、どうやら内外ともにソフト化はされていない模様。
もう一度見たいような、べつにかまわないような、そんな気がする映画です。
英題は「A TOWN CALLED BASTARDA」あるいは「TOWN CALLED HELL」1971年の作品です。
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【追記 2017/11/15】
ここのところ本稿へのアクセスが多い気がしてたら、待望の国内発売がされていたんですね。『マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション』第42号に「新・夕陽のガンマン/復讐の旅」(1967)とのカップリングで収録されました。めでたい。さっそく買ったのですが、まだ中身は見ていません。はたして私の記憶にあったものとどれくらい違うのか(違うの前提かよ)確かめるまではドキドキもんです(笑) でもこれ、マカロニじゃない気もするんですが(笑)
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