むかしむかし

中学で英語を習い始めたころ、単語の意味を知っただけではわからなかった言い回しのひとつに「Once upon a time」があります。時間の上に一度?

いまさら言うまでもなく、昔話の最初に言う常套句「むかしむかし」ですね。「スター・ウォーズ」の冒頭に「A long time ago in a galaxy far, far away」と出てきますが、これも似たような言い方ですね。

1968年、マカロニ・ウェスタンが本場アメリカに殴り込んだ「ウエスタン」の原題が「ONCE UPON A TIME IN THE WEST」でした。「むかしむかし西部で」ですが、これは邦題には生かされませんでした。私はこれでこの言い回しを学んだのですが。

「ウエスタン」の監督であるセルジオ・レオーネが、のちの1984年に監督した「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」の邦題は、そのまま「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」になりました。「むかしむかしアメリカで」 「ウェスタン」からこの映画までの十数年の間に、日本での映画邦題でカタカナが普通に使われるようになったせいでしょうか。のちには「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズもあって、タイトルつけのひとつのスタイルとして定着した感もあります。

それもあってか、現在NHKで第4シーズンの放送が始まっているアメリカのTVシリーズ「ONCE UPON A TIME」も邦題はそのまま「ワンス・アポン・ア・タイム」になってますね。

このドラマでの「ONCE UPON A TIME」の使い方はまさにそのまんま。なにしろ昔話やおとぎ話の主人公たちが実在して現代に住んでいるという物語ですから。

白雪姫と王子、悪い女王、ルンペルシュテルツキンらを中心に、赤ずきん、シンデレラ、ピノキオ、ロビンとマリアン、ピーター・パン、海賊フック、オズの魔法使いなどが、次々に現代世界に登場する、なかなか凝った物語で、大部分のキャラクターが昔話のそれとは大胆に変えてあるのが見どころ。ピーター・パンが悪役だったりしてね。

このドラマの製作がディズニーなのがミソで「リトル・マーメイド」「美女と野獣」など世界的にヒットしたアニメ映画のキャラクターを投入できるのが強みになってます。現在放送中の第4シーズンでは、大ヒット作「アナと雪の女王」のエルサとアナの姉妹も登場しています。

私的には、第2シーズンでフランケンシュタイン博士が出てきたのがツボ中のツボだったんですが、もうひとつ心待ちにしていたのが「靴をはいたネズミ」の登場です。日本では千葉県の東京にいるあいつのことです、わかりますね?

普通ならば絶対に不可能な「出演」ですが、このシリーズならば可能だろうと秘かに期待していたんです。

で、じつは第3シーズンの最後のほうで、出たんですよ、ついに「靴をはいたネズミ」が!

その瞬間、私は思わず「出た!」と大声を出してしまい、いっしょに見ていた息子に苦笑されました(笑) まあ大した出番ではなかったので、この歴史的出演も、大多数の視聴者にはスルーされていたんでしょうが(でも、あの出方でも、フツーのテレビ番組ではまずありえないですね)

もちろんそんなヘンな見方をしなくても充分に面白いドラマですので、始まったばかりの愛4シーズンを楽しみに見ていこうと思います。

次は、わが国の桃太郎さんあたりに遠征してもらいましょうかね。

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