ファイト一発!

あのDDTプロレスが、ついに東京ドームに進出。「路上プロレス」を開催することになった。

たしかに、東京ドームでのプロレス開催は毎年恒例の新日本プロレスを始め、まったく初めてではないが、「路上プロレス」は史上初。さて、どんなことになるんでしょうか?

「路上プロレス」ってのは、要するにアリーナなどを使わず屋外で、それもリングも組まず、エリアも無制限のエニウェアルールで行なうという、エクストリームな無法プロレス。

DDTのお家芸のひとつでもあり、これまでも遊園地や公園、工場などさまざまな場所で熱闘をくりひろげてきた。いまではメジャー系に戦いの場を移した感もある飯伏幸太やケニー・オメガも、かつて「路上王」の異名をとっていたものだ。

ほかには大日本プロレスが「商店街プロレス」を得意としている。イベント的に行なうには、けっこう重宝な方式だろう。

そもそもこの「路上プロレス」のルーツは、アメリカのインディでやっていた「裏庭(バックヤード)プロレス」だとか。要するに会場費が払えない貧乏プロレスだったのだ。だから、経費をかけたくない試合には便利……いやもちろん、プロレスならではの異次元世界観を醸し出せるという魅力のほうが大きいよね。

で、さらに元をたどれば、映画やゲームでおなじみのストリートファイトが、そのルーツなのではなかろうか。

とにかくルールなし、路上で行なう喧嘩のようなファイトに、見物人が金を賭けるのが、ストリートファイト。あんまり生で見る機会はないが(まあそうだよね)、映画では割とおなじみだったりする。

たとえば、その名もずばりの「ストリートファイター」 チャールズ・ブロンソンのファイターと、そのマネジャーのジェームズ・コバーンの友情物語。1920年代の不況時代を舞台にした「ザ・男映画」

爺さんになる前の筋骨隆々のブロンソンの武骨なファイトぶりが印象に残るが、全体に地味な印象だったな。でもこれが、かのウォルター・ヒル監督のデビュー作なのだから見逃せない。むかしはヒル監督、意外に地味だったんだよ。

この「ストリートファイター」は、1975年の作品なので、のちに大ヒット作となったゲームには先行しているわけだが、そのゲーム自体も1995年に映画化されている。

タイトルも同じ「ストリートファイター」 こちらはぐっとお子さま向けな印象があるが、主演はジャン=クロード・ヴァン・ダム、監督・脚本は「ダイ・ハード」シリーズの脚本を手がけたスティーヴン・E・デ・スーザなので、意外に本格的。そう捨てたもんでもなかった。

クリント・イーストウッドが、トラック野郎ブームに乗って主演した1978年の「ダーティファイター」も、ストリートファイトが重要なパートを占める。あの頃のアメリカでは、腕っぷしのある男は路上で戦うのが基本だったのか。

イーストウッドはゴリゴリマッチョではなくクレバーなファイトぶりを見せるが、マグナムはもちろん持っていない。こちらは基本的にはコメディノリの映画で、イーストウッドの相棒を演じたオランウータンくんが最高だったね。好評につき、1980年には続編「ダーティファイター/燃えよ鉄拳」も作られたっけ。

1999年の「ファイト・クラブ」は、同じくストリートファイトを題材にしていても、だいぶ趣きも違う。

チャック・パラニュークの原作小説も特異な構成の小説だが、映画もかなり異色。私はラストシーンで開いた口がふさがらなかったよ(笑)

監督がデビッド・フィンチャーだから当然といえば当然なのか。ただファイターがエドワード・ノートンとブラッド・ピットなので、ブロンソン、ヴァン・ダム、イーストウッドらとくらべると……いやくらべるもんじゃないか。

まあ、ジャッキー・チェンをはじめとする香港映画のアクションなんて、基本ストリートファイトみたいなもんだし、ある意味、アクション映画の基本みたいなもんだよね。

ということで、とりあえず体は鍛えておこうよってことですか(笑)

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