フィリップ・マーロウをドツいてビッグになろう

レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説を戦後日本にアダプトしたNHKのドラマ「ロング・グッドバイ」 原作ファンは色々言いたいこともあるでしょうが、よく出来たドラマだったと思いますよ。

私的にツボだったのは、主人公の探偵フィリップ・マーロウ=増沢磐二を殴り倒すチンピラ役でレイザーラモンHGが出演していたこと。

「ハッスル!」出場でプロレスラーの魂を持つ芸人であることを見せた彼は、私にとって「こっち側の人間」なのです(笑)

「ロング・グッドバイ」は過去に一度、ロバート・アルトマン監督で映画になっています(1974年日本公開)

マーロウを演じたエリオット・グールドは、それまでのハンフリー・ボガートに代表されるハードボイルド風マーロウとはひと味違うマーロウ像を見せました。

その映画に、のちにビッグになる男がチョイ役で出演していたのはご存知ですか?

はい、アーノルド・シュワルツェネッガーです。

正直いってよく覚えてませんが(笑)

なにしろシュワルツェネッガーが「コナン・ザ・グレート」で主演し、「ターミネーター」でブレイクするより10年くらい前の話ですから。

私が見たのは封切りよりもだいぶ後だったんですが、それでもブレイク前だったんでしょう、サッパリ覚えがないです。そのうち見直してみなければいけませんね。

当時のシュワ氏は、まだボディビルダーとして渡米した直後で、俳優ともいえないレベルだったでしょうから、たぶん図体の大きさを買われての出演だったんでしょう。資料によると、彼の名前はクレジットもされてないそうです。

さて、アーノルド・シュワルツェネッガーといえば、シルヴェスター・スタローン(笑)

じつは、こちらもチャンドラー原作の映画にちょい役で出ています。

それは、ロバート・ミッチャムがマーロウに扮した、「さらば愛しき女よ」

こちらは正統派ハードボイルド調で、そこそこヒットしたはず。

この映画「さらば愛しき女よ」で、スタローンが演じたのは……これも覚えてないですねえ。「ロッキー」の1年前の映画(1975年)ですから、見た当時はスタローンなんて知らなかったんでしょう。

「ロッキー」がブレイクした後で、スタローンが出ていた過去の映画がどっと公開されたのは覚えています。「ビッグ・ボス」とか「デスレース2000年」とか、B級映画ばっかり。

そういえばテレビの「刑事コジャック」にも出てましたっけ。出演したのは「ロッキー」以前で、あまりいい役ではなかったのに、日本放映は「ロッキー」後になったので、吹き替え版の役名が無理やり「ロッキー」に変えられてました(笑)

その後のアクション映画を大きくリードした二人が、いずれもチャンドラー原作のマーロウ映画に出ていたのは偶然でしょうか?

いや、二人だけなら偶然ですませられるでしょうが、もう一人いるとなれば話は違ってきます。

はい、1969年の「かわいい女」ですね。

ジェームズ・ガーナーが、あまりハードでないマーロウを演じたこの作品にも出てるんですよ、将来の大物が。

マーロウの事務所を襲撃してくるチンピラ役が、ブルース・リー

これは「燃えよドラゴン」でリーがブレイクした後で、その場面を売りにして何度もテレビ放映されたので、よく覚えてます。

もっともリー先生の出演シーンは短くて、洋画劇場の予告編だけで全部流れてしまう程度でしたが(笑)

アーノルド・シュワルツェネッガー、シルヴェスター・スタローン、そしてブルース・リー。

いずれも時代を作った超大物アクションスターです。彼らが揃いも揃って、しかもチョイ役で、フィリップ・マーロウ映画に出ていたとは、もはや偶然では片づけられませんね。

マーロウ映画は超大物アクションスターへの登竜門だったのです。

というわけで、レイザーラモンHGも、そのうちに、少なくとも日本を代表するアクションスターになると予言しておきましょう。

はずれても知らないけど(笑)

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