ロボ問題
先日、ロボットサッカーなるものを観戦しました。リモコン操縦のロボットが3対3で対決するミニサッカー。けっこう手に汗握ったり腹を抱えたりで面白い見ものでした。
熱心にこのロボットサッカーを観戦した息子、じつは中学の部活で「工学部」なるものに入っていて、中学生のロボコン大会に出場したこともあります。
そんな小僧がロボコンに初めて出場する際に、参考になるように一本の映画を見せました。
その映画とは「ロボット・モンスター」(1953年 日本劇場未公開)。
「ロボコン」ならぬ「ロボモン」です。もちろん、あの青くて丸いやつとは、別物です。
はい、笑った人、この「ロボモン」をご存知ですね。この映画、けっこう有名ですから。「史上最低映画」の一本として。
あらすじを紹介しましょう。
ある日突然現われた宇宙人によって人類は全滅。わずかに山中に生き残った一家族が、迫りくる宇宙人から逃げまわる。
以上(笑)
いやほんと、こう書くと結構ちゃんとした映画に見えるかもですが、実はものすごい安物映画です。
たとえば、宇宙人による人類殲滅シーン。
突然、画面がちかちかしたと思うと、轟く雷鳴、炸裂する稲光、意味不明の爆発、なぜか戦う恐竜たち(!)……わけが分からなくなったところで、宇宙人が宣言。
「よし、人類は全滅した」
はい?
この間約一分以内。人類秒殺(笑)
おまけにこの人類殲滅シーン、すべてがストックフィルム、つまりアリモノの流用。しかも、なんの脈絡もなく挿入される恐竜組みうちのカットが、「ロボモン」全編を通じて、もっとも迫力があったりする。いや、ほんとに。
というのは、この「ロボモン」のほとんどの部分は、山とか森というには余りにのどかな丘と野原を背景に、宇宙モンスター(たった1匹だし)とフツーの人がどすどす走り回るだけなのですから。緊迫感もサスペンスもあったもんじゃない。
また、この宇宙モンスター、映画史上空前のデザインセンスを誇るシロモノとして一部では非常に有名。
はい、ご存じないかたは想像してみてください。ゴリラが「あまちゃん」の南部ダイバーがかぶってたような潜水帽をかぶっている姿を。
あとはご自分で画像検索を。かの宇宙モンスターの雄姿が、ボロボロ見られますから、やさしく笑って見てやってね。たぶん、いざ撮影の段になって、適当にみつくろってきた着ぐるみと小道具でデッチあげたんでしょう。
シナリオもガタガタだし、最後は撮影途中で、もういいやとやる気をなくして急遽終わりにしたかのような、やらずもがなのオチで終了。万事この調子。
ということで、かくも有名なこの最低映画「ロボモン」で、息子にどんな教訓を与えたかったかというと……
「きちんと準備して、やるべきことをちゃんとやらないと、こうなるぞ」
教訓がきいたのか、息子のチームはロボコンで一回くらいは勝ったらしい。
最低映画「ロボモン」も、何かの役には立ったというお話でした(笑)
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