秘密基地がほしい!
先日、中央高速の小仏トンネルを快調に走っていたら、突然車外にこんな声が響いて、ちょっとびっくり。
「速度低下に注意してください。この先上り坂が……」
高速走行中の車内で聞こえたんだから、相当の大音量。渋滞名所の小仏トンネルで、その原因となる速度低下に注意を促すアナウンスなのだろうが、トンネル通過中にずっと聞こえていたので、ずっとトンネル内に放送していたようだ。初めて聞いたよ(いつもは渋滞してるからね)
ただそれを耳にした私がパッと思い浮かべたのは、速度低下のことではなく、「あ、エヴァンゲリオンの基地みたいだな」ってこと。これじゃ、効果薄いよな(笑)
ごぞんじ「新世紀エヴァンゲリオン」で、襲い来る「使徒」に対抗する国際組織ネルフの基地で、しょっちゅうあんなアナウンスが流れていたのだ。
敵襲来を知らせ警戒態勢を促すとか、基地内で行なわれる訓練や実験の告知や、そのほか日常の諸々などを知らせるなど、さまざまなアナウンスが、大音量で基地内に流されていた。まあ、あんなデカいスペースにいきわたらせるには、たしかに大音量が必要だろうな。
そういえば、小仏トンネルのアナウンスの女性の声も、ネルフのあれとよく似ていたな。
ネルフの基地は国際組織のものだから秘密でも何でもないのだが(いや謎めいてはいるな。最終回まで見てもわからなかったことがあったし)こうした巨大な秘密基地ってのは、猛烈に魅力的だ。
巨大秘密基地が、映画に登場したのは何が最初だったんだろうか……なんてことを考え出すと、またして泥沼にはまりそうだからやめておくが、少なくとも私がその魅力に接したのは、間違いなく007シリーズからだ。
「ドクター・ノオ」のジャマイカのノオ博士の基地、「007は二度死ぬ」のブロフェルドの基地(ロケ地となった新燃岳は、先年ホントに噴火してしまった)、「私を愛したスパイ」のストロンバーグの海底基地、「ムーンレイカー」のドラッグスの宇宙基地、「ゴールデンアイ」のヤヌスのジャングルの基地……
ああいう基地、ひとつ欲しいよね?
もっとも、あれだけ大きな基地を所有して運営するには、それなり以上の経営資質が必要そうだから、私のような小物には「黄金銃を持つ男」のスカラマンガの基地くらいがちょうどいいかも(もっともあれもタイのプーケット島にあるのだから、立地は超高級か)
ただ、このジャケットにもあるように、こうした魅力ある秘密基地たちも、最後にはボンド氏の手によって木端微塵に吹っ飛ばされる運命にあるのだが。
もちろん、007の後に続いた亜流作品の多くでも、悪役たちは巨大秘密基地を有しているのがデフォルト。なかでも、火山島を丸ごと基地にしていた「電撃フリントGO!GO作戦」の秘密組織ギャラクシーがスケール雄大でなかなかよろしかったな。
その影響は、日本の特撮ものにも脈々と生きていて、科特隊やウルトラ警備隊、ショッカーなど多くの巨大秘密基地が誕生している。
そしてその最高傑作にして、男の子たちの垂涎の的だったのが「サンダーバード」のあの基地なのは言うまでもなかろう。
でも、あるとき不意に気づいたのだが、あんなデカい基地を、悪の組織はどうやって建設したのだろう?
建築会社に依頼するのか? それともすべて自前で建設するのか? それって、いったいいくらかかるんだ?
ついでにいえば、その秘密基地を維持運営し、じっさいに基地に大勢いる、あの組織の構成員というか従業員たちは、いったいどこから調達してくるのだろう。求人広告? そもそも悪の組織に応募しようってやつが、そんなに大勢いるもんだろうか?
だいたいあんな巨額の建設費用や、膨大になるであろう人件費を賄えるんだったら、べつに世界征服など企む必要もないような気もするがねえ。
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