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けっきょくは……白鵬?

九州場所を前に、東横綱・白鵬の休場が発表された。

先場所終了後にヒザの手術をしたという報があったから、あるいはとは思っていたが……

これで、白鵬の2018年の相撲は終了。年間の勝ち星は今場所の上積みなしで31勝にとどまることになる。この勝ち星数、年間最多勝争いでは、ほぼどん尻クラス。さいわい(?)下に稀勢の里がいるので最下位はまぬがれたが、どうやら2横綱でボトムツーを形成することになりそうだ。【こちらを参照】

その年間31勝だが、これがいかに少ないか、白鵬の初土俵以来の年間勝ち星を調べてみた。

赤色が優勝場所、青は休場(途中休場もあり)

初土俵は2001年3月場所。翌5月場所に番付に乗り、16場所で十両昇進。遅くはないけれどスピード出世とはいえない。

こうしてまとめてみて気づいたが、白鵬って各段優勝がほとんどないんだね。十両昇進までの間に7戦全勝も1場所もない。ちょっと意外。もちろんこの間に、しずかに実力を蓄えていたのだろうが。

新十両は2004年1月場所。翌場所に十両優勝を果たし(これが唯一の各段優勝となる)、2場所で十両を通過して幕内へ。この年は幕内在位4場所で43勝を挙げている。ほら、今年よりも多いよ。

翌年(2005年)は52勝で、1場所平均が10勝以上になる60勝ラインを下回ったのはこの年が最後。

翌年には初優勝を果たすなどし、1場所休場があったにもかかわらず61勝を挙げた。以来、この60勝ラインを11年連続キープしてきた。この間に、年間最多勝を9年連続を含み10度獲得。2009年、2010年には史上最多となる年間86勝を記録している。

昨年は2場所の休場があったこともあって、年間56勝とじつに12年ぶりに60勝ラインを割り込んだものの、他力士の不振もあって10度目の年間最多勝を獲得している。

ところが今年はどうだ。

9月場所の15戦全勝優勝があったにもかかわらず、3場所の休場もあって、年間31勝。これは関取昇進後最少であり、1場所7番、年間で42番しか取らなかった幕下時代の2003年に記録した30勝とほぼ同レベルなのだ。

優勝回数もたったの1回。年間1回だけは、初優勝を飾った2006年以来。その後は11年間、毎年必ず2回以上優勝してきたのに。

間違いなく「白鵬史上最低の一年」だ。

気になるのは、2013年の82勝をピークに、毎年右肩下がりで成績が低下していること。並べてみると、82勝→81勝→66勝→62勝→56勝→31勝。ガクガクと下がってきている感じ。

無敵を誇り、記録王ともなった大横綱も、ついにそのキャリアを終えようとしているのか。長く続いた白鵬時代も、終焉を迎えつつあるのか。

と、悲観的なことを書いたが、必ずしもそうではないだろう。

今回の休場の原因となったのはヒザの手術らしいが、その手術自体、そもそもまだ相撲を取り続けるために行なうものだろう。このまま引退するなら、手術などする必要はないはずだ。

白鵬が目標とする「東京オリンピックまで現役」の到来も、気づけばあとわずか。もう再来年なのである。

術後の回復は順調ともいう。先日行なわれた奉納相撲ではちゃんと土俵入りを披露してもいる。

ここはきちんと完治させ、再起していただきたい。このどん底から復活して、さらなるドラマを作ってほしい。白鵬なら、楽勝で出来るはず。

待ってますよ。

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