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史上最強の年間最多勝 2020

今年も年間最多勝の行方が決定しました。

しかし、今年の年間最多勝は盛り上がりに欠けましたね(私見です)

なにしろ、コロナ禍のせいで夏場所が中止になり、年間5場所しかなかったからです。

とはいっても、こればっかりは仕方のないことで、力士はもちろん、相撲協会のせいでもありません。来年2021年はきちんと6場所が開催されることを願いましょう

ということで、いつものように見づらい表で今年の年間最多勝争いをまとめました。四股名が太字なのは全場所幕内在籍の力士、赤数字が幕内最高優勝です。

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ご覧のとおり、11月場所を優勝で締めくくった大関・貴景勝が初の年間最多勝を獲得しました。

じつは場所前までは、貴景勝の最多勝獲得は絶望的と思っていました。

9月場所終了の時点で、トップだったのは9月場所優勝の新大関・正代で45勝。追うのは43勝の大関・朝乃山で、貴景勝はここまで38勝。正代と7勝差、朝乃山と5勝差は逆転不可能に近い数字と思われました。

ところが、ご存知のように、正代、朝乃山の両大関は序盤戦で負傷して休場してしまい、正代が3勝、朝乃山は1勝の上積みで終わったので、貴景勝にチャンス到来。13勝の上積みで優勝と年間最多勝を手にする結果となったわけです。

ラッキーといえばラッキーですが、5場所を勤め上げて大関の重責を果たした結果ですから、誇っていいと思いますよ。

敢えて言えば、貴景勝の51勝は年間最多勝の歴史では史上最低の数字ですが、いやいや5場所だけですからね。

2017年に白鵬の56勝が史上初の60勝未満、つまり1場所平均10勝を割り込む、当時の最低記録を作って以来、2018年の栃ノ心(59勝)2019年の朝乃山(55勝)と、年間最多勝の数字は低空飛行が続いています。でもこれは年間6場所90番での数字。

その点、貴景勝の51勝は、1場所平均10勝を上回っていますからね。いちおう6場所に換算してみたら、61.2勝となりました。まぁギリ合格点かな。

ちなみに、いままで年間5場所での年間最多勝は2度ありました。第1回の表彰になった1957年(まだ名古屋場所がなかった)の栃錦は59勝、2011年(八百長問題で春場所中止)の白鵬は5場所でも66勝。うーん、先輩たちは凄いですね。

ま、貴景勝はまだまだこれからの力士。いずれ年間80勝とかを記録してくれるでしょう。

それにしても「令和2年・11月場所雑記」でも書きましたが、全場所幕内在籍の29力士のうち、28位が白鵬、29位が鶴竜。両横綱がどん尻に並ぶ結果になっています。さすがにこれはいかんでしょう。横綱審議委員会が「注意」を発動したのも無理はありませんね、今回ばかりは。

上位にいた両大関がこけたので浮上したのが、11月場所で新関脇だった隆の勝。朝乃山をかわして第3位に食い込みました。

昨年九州場所(去年はちゃんと福岡でやったんだよなぁ)新入幕で10勝の後、今年は初場所以外はすべて勝ち越し。まさに快進撃です。新関脇の11月場所も勝ち越して、大関チャレンジが現実味を帯びています。

そしてそれ以上に注目なのが、照ノ富士。今年は幕内在位が後半のみだったので年間最多勝争いでは圏外でしたが、その3場所で優勝1回、優勝同点1回をふくむ34勝。じつはこれ後半だけならトップの数字なのです(貴景勝は33勝) よく大関昇進のためには直前3場所で33勝とかいいますから、楽々クリアしています。大関復帰間近でしょうか。

そして後半だけでいえば、同じく元大関で、11月場所では照ノ富士と小結に並んでいた高安も28勝を挙げて、貴景勝に次ぐ第3位。やはり一度大関に上がるほどの実力っていうのは、そう簡単には挫けないってことなんでしょうね。

この表を見ていて気がついたんですが、じつはこの2020年、5場所しかなかったのに、幕内で全場所勝ち越した力士はいなかったんですね。貴景勝も春場所は負け越しています。

昨年も似たような状況でしたが、それでもただ一人阿炎が全6場所で勝ち越していました(54勝で年間最多勝第2位) でも今年はナシ。これもちょっと由々しき事態ですね。

ここ数年、土俵上がいまひとつ安定していないようですが、これもその一つの証拠でしょう。

5場所の優勝者がすべて別人だったこともそうだが、見ている方としては戦国乱世は面白いといえば面白いです。でもそればかりが続くと、さすがにちょっと心配になってきました。そろそろ誰か天下を布武してくれませんか?

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