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祝! 100歳!!

本日、2016年12月9日は、名優カーク・ダグラスの100歳の誕生日。日本風にいえば「百寿の祝い」 ご長寿で何よりだ。

私がこの名優を初めて見たのは、たぶんリバイバルで見た「OK牧場の決闘」だろう。

名保安官ワイアット・アープ(バート・ランカスター)の相棒であるドク・ホリディを演じたカーク・ダグラスの演技に引き込まれたものだ。

クールなアープに対するドク・ホリディの激情。

決闘前夜、持病の肺病の発作で昏倒しながらも、翌朝になると鬼気迫る表情でで決闘の場所へ向かおうとする。必死に止める情婦を振り切るようにして、冷たい水で顔を洗うと、そのままカッと虚空を睨んでひとこと。

どうせ死ぬなら、たった一人の友のそばで死にたい。

かっこいいねえ。

そんな死にそうな助っ人、かえって邪魔になるんじゃないかとかツッコミが出そうだが、そんな野暮はいわせない迫力は、カーク・ダグラスの演技力のたまものだろう。

当時中学生だった私は、ばっちりこのセリフにやられましたよ。そのため、しばらくはカーク・ダグラスがわたしの贔屓俳優になったのです。

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とはいえ、その後はテレビ放送での遭遇がほとんど。

「スパルタカス」「五月の七日間」「ガンヒルの決闘」など、1960年代の諸作とは、いずれもブラウン管でのお目見えで、スクリーンで見た「OK牧場の決闘」ほどのインパクトは得られず。リバイバル上映で劇場で見た「テレマークの要塞」は、映画そのものの印象も含めて、今一つだったかな。

オールスターの戦争映画超大作「パリは燃えているか?」では、かのパットン将軍役。さすがの存在感で短い出演ながら印象をさらっていましたが、パットン将軍ではなくカーク・ダグラスにしか見えませんでした。

そう、カーク・ダグラスって俳優も、巧みに誰かの役を演じるよりも、カーク・ダグラスというキャラクターを押し出すタイプのスターなのでしょう。

なので舞台ではなく映画というステージのほうが向いているんでしょうね。根っからの映画俳優(もちろん舞台経験もありますが) 例えばジョン・ウェインとか、ジャッキー・チェンとか、私の好きな俳優さんにはこのタイプが多いんです。

70年代に入ってからのカーク・ダグラスは、あんまり作品に恵まれていません。仕事選ぶのが、下手だったのかなぁ。

80年代のしょっぱなに「ファイナル・カウントダウン」「スペースサタン」というB級臭が濃いSFっぽい映画につづけざまに出たあとは、ほとんど見かけなくなってしまいました。私が見なくなっただけかもしれませんが。

ちょうど同じ時期に、息子のマイケル・ダグラスが出てきたこともあって、親父さんとしては引き気味になったのかも知れません。あとはおまえに任せたよとかいってね。

そのへん、私生活ではまあ恵まれていたのかな。マイケルだけでなく、全部で4人の息子が全員、俳優などの映画人として、父親の跡を継いでいるからだ。親の七光りを当てにされてたんだとしても、それってけっこう嬉しいじゃないか。

2003年には、マイケルだけでなく、その母で元妻のダイアナ・ダグラス、さらには孫(マイケルの息子)のキャメロン・ダグラスら、ダグラス一家が集結した「グロムバーグ家の人々」(日本未公開・DVD発売)を撮っている。いやいや、幸せなことではないか(見てないけど)

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まあ100まで生きれば、それだけでも充分幸福なんだけどね。

まだまだ長生きしてくれよ。

  映画つれづれ 目次

【2020/2/6】 今日、カークダグラス氏の死去が報じられた。103歳だったそうだ。合掌。追悼で「OK牧場の決闘」でも観ましょうか。

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