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春場所ニューカマー

昔はよく「就職場所」などと呼ばれた3月春場所。卒業の時期にあたることからついた異名でしょうが、いまでもやはり多くの新弟子が、この場所に初土俵を踏みます。

今年も、先ごろ春場所デビュー組の新弟子検査が行なわれ、43人全員が合格したのですが、今回は特に多士済々、話題性のある新弟子が多いようです。

なんといっても注目一番手は、出羽海部屋に入門した、学生横綱とアマ横綱の2冠を獲得している東洋大学の大道久司。春場所には幕下10枚目格付け出しでスタートを切る逸材です。夏場所に新十両もアリの地位ですので、年内幕内上位もあり得ますね。遠藤、逸ノ城につづくザンバラ髪の幕内力士誕生でしょうか。ちなみに彼の名前は「大道(おおみち)」ですが、十両に同じ漢字の「大道(だいどう)」がいますので、四股名「御嶽海」を名乗るそうです。スピード出世に期待しましょう。

大道、いや御嶽海のライバルになりそうなのが、同じく学生出身、八角部屋のの日体大・中村大輝。学生横綱獲得が2012年で資格の期限が切れているために、幕下付け出しでなく、前相撲からのスタートになります。とはいえ、学生相撲の実力者、各段優勝でのスピード出世も夢ではないでしょう。こちらも早ければ1年足らずでの十両昇進もありかな。本人としても一刻も早く大道いや御嶽海に追いつき追い越したいところ。彼は下の名前を取って「大輝」の四股名を名乗るそうです。

すでにテレビなどで話題になっているのが、木瀬部屋へ入門の関学大・宇良和輝。身長172センチの小兵ながら、反り技を得意とするとかで、異能力士、あの舞の海級の「技のデパート」ぶりに期待が集まります。体格的に厳しそうですが、相撲は「体」だけではなく「技」も大切。こういう新弟子は型にはめず、得意技にいっそうの磨きをかけさせてやりたいところ。木瀬親方の指導に期待がかかりますね。幕内で豪快なスープレックス、じゃなかった反り技を見せてください。

あれ、大学相撲出身者に、わが母校の卒業がいないぞ。名門・日大相撲部、がんばってくれ。

錦戸部屋ではカナダ出身の新弟子・ブロディク・ヘンダーソンくんが見事合格。カナダ出身は30年ぶりというから、あのジョン・テンタ以来か。琴天太(後に琴天山)を名乗り、十両寸前で廃業。すぐに全日本プロレスに入門してビッグ・ジョン・テンタとしてプロレスデビュー。さらにはWWF(当時)でアースクエイクを名乗って世界のトップにまで登りつめた、あのテンタ以来。ブロディクくんも今回の新弟子中では最も長身だったそうだし、巨体を利した豪快な相撲っぷりを望みたいですね。あれ、四股名が報じられていないようだが、どうするのかな?

もう一人、高砂部屋のボディビル出身・山端克忠も注目。写真を見ると明らかにゴツさが違うこの新弟子、デッドリフトで300キロを上回る記録を持つというから、力士のスケールにあてはめてもかなりの怪力無双。相撲は力だけではないとはいえ、やはり大きなアドバンテージを持つのは間違いなし。江戸時代の伝説の力士、雷電爲右エ門級の怪物になれるか、注目です。

これだけ話題性のある新弟子が揃う場所は、そうそうないでしょうね。マスコミの報道量も最近になく多いし、注目せざるを得ないです。

というわけで、今場所は番付外の前相撲も充分に面白そうなんですが、問題は御嶽海以外は全員前相撲からということ。BSでも前相撲のテレビ中継はないんですよね。インターネット中継で見るしかないのか、それもダメか? どっちにせよ朝の8時半ごろの開始なので、見てる時間はないんだけど(笑)

みんな、早く上位に上がってきておくれ。

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