入院騒動〔3〕
さすがはステロイド治療。
金曜日の午後から始まったステロイド剤の点滴は、その後も土曜日、日曜日と合計3日間行なわれましたが、おお、だんだんと呼吸が楽になるのがわかります。
血中酸素濃度も、90%前半をキープして、ときに95%に届いたりするようになりました。
医学の進歩に感謝。
そうなると現金なもので、あれほど印象の悪かった病院食も、やたらと美味しく感じます。
本院に転院したときに、お願いして朝食と昼食をパン食にしてもらったせいもあったでしょう。
↑ こんなの
量に制限がかかっているので、今度は物足りなく感じます。
でも、血糖値の測定を続けている関係もあって、間食は厳禁。
そのうちに慣れてきましたが、当初は口さみしくてかないませんでしたね。
その口さみしさをまぎらすのが、薬の多さ。
いや冗談ですよ。
ふだんは薬キライで、なるべく飲みたくない性質なんですが、さすがにそうもいきません。ステロイド剤(点滴から切り替え後)が6錠、それに前述した副作用(感染症と血糖値対策)に対処する薬がさまざま、そして咳と炎症の治療薬に、前から服用していた降圧剤も合わせると、毎朝食後のお薬は、こんな具合。
そして、食事前には、必ず血糖値対策のインシュリン注射。
薬漬けだよ(笑)
その後、種類や量は減ったのですが、これは退院後の現在も、依然として続行中であります。
けっきょく本院暮らしは、予定どおりの4泊5日。
点滴治療は日曜日までで、月曜日の朝からはステロイド剤も経口薬に切り替えられました。
分院へ戻る準備完了です。
本院の談話室の窓からは、東京タワーも見えましたが、しばし親しんでいたこの景色ともお別れ。
月曜日の朝、ふたたび酸素つきバスに乗って、川崎の分院へ帰還です。
親が転勤族で、けっこうあちこちで育った私には「故郷」を感じる土地はないのですが、現住地の川崎は人生でもっとも長く暮らしている土地なので、なんとなく地元意識があります。そこに帰ってくるのは、なんとなく感慨がありましたね。たったの5日間でも。
バスが自宅の最寄駅前を通ったときには、飛び降りたくなりましたが(笑)
分院に戻り、病室におさまると、じつはここからが入院生活本番でした。
基本的には「経過観察」なので、ひたすら服薬、ときどき検査。この繰り返しなんです。
そのほかの時間?
何もやることなし!
こうして、前にも増してのテレビ漬けの日々が始まったのです。
舞い戻った分院では、テレビはふたたびテレビカード方式に。そのかわりBSやローカル局も入るので、チャンネルの選択肢は増えました。ありがたや。
そして、ピョンチャン冬季オリンピックの中継。
おかげで、フィギュアもパシュートも複合もカーリングもバイアスロンもアイスホッケーもリュージュもスケルトンもボブスレーもスノーボードもアルペンも、とにかくほとんど見ました。オリンピック終了後の総集編はまったく見なくてもすむくらい。
ただ、消灯の午後10時にはテレビを消さねばならないので、競技時間が夜遅いのは見られません。カーリングの最後のほうとかは、時間切れになったりします(日本が銅メダルを獲得した決定的瞬間はこっそり見ましたけど) このへんが不便といえば不便。
まあ、入院患者は寝るのがお仕事ですからね。
そのほかにどんな番組を見たかは、また別に書きましょう。
入院と聞いたときになんとなく思ったのは、時間があるから本をたくさん読めるかなということ。商売柄もあるし、そもそももともと読書好きなので、ふだんはかなり本や雑誌を読むほうです。
ところが、いざとなったら、これが全然読めません。
体調が悪いせいですね。
本を読むのに呼吸機能はあんまり関係ないと思いますが、集中力とスタミナが、まったく続かないんですね。
ここ数年は、もっぱらスマホで電子書籍を読んでいたので、読もうと思えばかなりの冊数がスマホにおさまっているのですが、いっこうに読めない。というか、小説とか長いものを読む気にならない。電子書籍だからということではないんです。
病院には談話室みたいなのがあって、動けるようになるとそこをウロウロしたりもするんですが、そこに書棚があって、自由に読めるけっこうな数の紙の本が置いてあったんですが、それもなかなか読む気にならない。
その後、病院にはちゃんと図書室みたいなコーナーもあってちょっとした学級文庫よりもたくさんの本があるのを知りましたが、けっきょく大して利用しませんでした。自分の作った本があるのは見つけましたが(笑)
じつは、テレビでも、ドラマや映画をなかなか見られなかったのですが、これも同じ理由だったんでしょう。
健康って大事。
なので、テレビを見ていなかった時間のほとんどは、本は本でも電子書籍版のコミックをスマホで読んでました。それも、むかし読んでいた古い古い少年マンガ。いや家に帰ればちゃんとコミックスを持ってるんですけどね。
竜崎遼児の「闘翔ボーイ」と「ばっくれ一平!」、塀内夏子の「フィフティーン・ラブ」と「オフサイド」を再読し、全巻読破しました(マイナーでしょ)いずれも1980年代の熱血スポーツマンガです。なつかしいね。
こうした肩のこらないスポ根マンガが、私の入院生活にはいちばん向いていたようです。それと読み放題は便利ですね。プライム会員になっておいて、よかった。
マンガを読むのには、スマホを使ってました。ふだんのヒマつぶしにもよく使うスマホですが、病院では意外にもそんなには使いませんでした。
ツイッターや、このnoteはけっこう見てましたが、どうにもスマホだと画面が狭苦しい。
そのうえ、ふだんはPCのキーボードに向かっているせいか、スマホの文字入力はどうもまどろっこしくていけません。
で、自分の書き込みができないと、どうも面白味が半減した気がします。
あとでログを見てみると、入院中はあれだけヒマだったにもかかわらず、ネットへの書き込みは激減していました。まあ書くネタもあまりなかったんでしょうが。
ただ、家族への連絡などでメールをやたらと使っていたし、前述した電子コミックのダウンロードのせいもあって、データ通信量はかなりの増加。あまり多くないデータ量契約をしていたせいもあって、入院中に何度もデータ量の追加をする羽目になりました。
退院後に携帯ショップで料金プランを調べてもらったんですが、係の人が「先月どうしたんですか?」と驚くような急増ぶりでしたね。
今月は平常に戻ってるはずですが。
【続く】
【だいぶん演出して書いてます。病院やそこのみなさんにはもちろん、家族をはじめ、多くのご心配やご迷惑をおかけした関係者各位には、感謝とお詫びを申し上げます】
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