空を見ろ!
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こともあろうに、首相官邸にドローン(小型無人機)が墜落したとかで、ニュースがにぎやかです。
さっそく、ドローンの飛行規制を、という話になっているようですが、ちょっと待て、そこじゃないだろ。
今回のは、たまたまドローンが墜落したっていう「事故」じゃなく、(たぶん)悪意を持って官邸にドローンを放った「事件」なんだから、規制をかけて合法的なドローンを取り締まっても、法を無視する「ドローンによるテロ」は防げない。でしょ?
問題は、上空から堂々と飛来したドローンをまったく捕捉できず、しかも官邸の屋上にいつ落下したかもわからないというザルのような警備のほう。日本の行政の最高機関が無防備であることが世界中にさらされたわけで、ここは警備陣の猛省と対策の実施をうながすほうが優先でしょう。
ということで警備のみなさんには「空を見ろ!」というセリフを送っときましょう。
いうまでもなく、これに続くのはあの有名なセリフ(というかキャッチフレーズ)です。
「空を見ろ!」「鳥だ!」「飛行機だ!」「いや、スーパーマンだ!」
これは、1952年から1958年までつづいた(日本でも1956年から放送した)テレビシリーズ「スーパーマン」のオープニングで有名になったフレーズなのですが、もともとの原作であるコミックでも、テレビに先行したラジオドラマでも使われていたとか。テレビでは4人の人物が次々に叫ぶ形だったと思いますが、それにしてもリズムのいいフレーズですね。英語だとこうです。
「Look! Up in the sky!」「It’s a bird!」「It’s a plane!」「It’s Superman!」
ええと、2番目と3番目の人は、なんで叫んだのでしょうか(笑)
ところで日本語版では「正義と真実を守る」スーパーマンでしたが、原語版では、彼が守るのは「truth, justice and the American way」 スーパーマンは宇宙から来たわりには、けっこう右翼なのです。
私たちの世代では、ジョージ・リーブスが演じた白黒版のテレビドラマは、古すぎて印象薄いですねえ。なんといってもクリストファー・リーヴが一連の映画(1978年から4作)で演じたお姿が、ジョン・ウィリアムズの名曲とともにスーパーマンのイメージそのものです。
ということで話は戻りますが、首相官邸の警備は、なんとかしてほしいですよねえ。スパイ映画や泥棒映画で難攻不落の施設はよく登場しますが、周辺は警備していても上空がガラ空きなんてアリエナイ設定、その時点で「500円映画」に決定ですね。いやそもそも、そんなご都合主義のシナリオ、ボツになりますよ。
じつはこの「空を見ろ!」というセリフは、古いSF映画「遊星よりの物体X」(1951年)のラストのセリフでもあります。宇宙からの侵略に備えようみたいな感じで、人類への警鐘として使われていました。こちらは「Watch the skies!」 このほうが警備陣への警鐘としては適当だったですかね。
あと、私が中学校の英語の授業で最初に習った命令文が「Look at the sky」でしたね。カンケイないけど。
【本文はこれで全部です。もしもお気に召しましたらご寄進下さい(笑)】
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