スポケーンぶらり(3)劇場と大学など
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スポケーンって、日本にいるとまったくイメージのわかない町ですよね。私もそうでした。ところが、出発前にいろいろチェックしていたら、そこに意外な人物の名前が。
その人の名はビング・クロスビーです。
あ、若い人にはわからないかな。ウチの息子(高校生)も「は?」だったからね。
往年のアメリカの人気歌手にして俳優。私には、ボブ・ホープとコンビを組んだコメディ映画「珍道中シリーズ」の人ってイメージありますが、うちの母親あたりには「二枚目歌手」だそうです。いまでいうマルチタレントの走りの人ですね。ちなみに「『ホワイト・クリスマス』の歌手だよ」と言ったら、息子も理解しました。
そのビンクロ(昔はこう呼んだんだって)が、このスポケーン出身なのです。といっても生まれたのは同じワシントン州内のタコマって所だそうですが、幼いころからスポケーンに住み、大学も地元の大学に通ったとか(中退だったけど)
そんなわけで、スポケーンのダウンタウンには「ビング・クロスビー劇場」がありました。
これがその由緒正しき劇場。なんでも学生時代からバンドやってたビンクロが初舞台を踏んだのが、この劇場だとか。へえ。
この日、ビング・クロスビー劇場では、なぜかビートルズの「ヘルプ!」のデジタルリマスター版の上映が予定されていました。ちょっと見たかったんだけど、家族の反対で却下。残念。
さて、高校生になったばかりの息子、この夏休みには大学の見学くらいしておけと学校で言われていたので、ビング・クロスビーの出身大学であるゴンザガ大学を見物に行きました。参考にはならんだろうけど。
われわれのホテルは、先に書いたようにダウンタウンからすぐの所なんですが、そのすぐ先からはユニバーシティ・ディストリクト、つまりは大学地区と呼ばれる地域で、ゴンザガ大学のほかにもワシントン州立大学なんかがあります。
で、ホテル裏の河沿いの遊歩道を数分歩いたら、あら不思議、そこはもうゴンザガ大学の構内。いやぁ、広いね、アメリカの大学は。この写真に写っているのは、遠景の建物まで、全部大学の施設です(手前はフルサイズのサッカーコート) 私の出身大学は東京都内で最大の広さのキャンパスを誇っていたのですが、完全に負け(笑)
とはいえ、大学構内にはまったく人影なし。そりゃそうか、バック・トゥ・スクールはまだ来週以降だもんな。以前にカリフォルニア大学を見物に行った時には、ちょうど新学期前だったせいもあって、新入生っぽい若者やその家族がウジャウジャいたんですが、今回はメンテナンスの係員と思しき人と、大学構内で遊んでいる地元の子供らがちらほらいるくらい。
もっとも大学購買部は営業していて、若干の土産物などを購入できました。ふらふらと教科書コーナーに迷い込んだ息子は親切な係員につかまって、「わからないことがあったらオレに訊きな」とか言われてましたが、入学予定者に見えたのかな?
中退したとはいえ、ビング・クロスビーはOBとして大事にされてるらしく、ゴンザガ大学構内には、ビング・クロスビー・センターや彼の生家もあるとか。広すぎて見つかりませんでしたが。たくさん寄付もしたんでしょうね。
ビング・クロスビーのほかにスポケーンの有名人というと、こちらの方がそのようです。
2003年のスペースシャトル・コロンビア号の事故で亡くなった7人の宇宙飛行士のひとり、マイケル・アンダーソンの銅像です。
彼はニューヨーク州生まれですが、ハイスクールや大学はワシントン州だそうで、地元出身とされています。この像はそんな彼を記念して、やはりスポケーンの彫刻家ドロシー・ファウラーが作ったもの。ワールドコン会場のコンベンションセンターとオペラハウスの間に立っています。
ちなみに、今回のワールドコンには特別ゲストとして、現在国際宇宙ステーション(ISS)で活動中の宇宙飛行士(つまり油井亀美也さんの同僚)チェル・リングリンさんが参加していました。
もちろん大会オープニングのセレモニーで、宇宙からのビデオメッセージが流されただけですが、ちゃんとISSに、大会の参加IDを持ちこんでいたようです。このへんは、さすがにアメリカっぽいですねえ。
地方都市スポケーンも、意外に宇宙とつながっていたというお話しでした。
【本文はこれで全部です。もしもお気に召しましたらご寄進下さい(笑)】
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