007対スター・ウォーズ

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シリーズ最新作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の公開が12月18日に決まった。エピソード7、つまりスター・ウォーズ9部作の最後を飾る、いわば第3部の幕開け。1978年の「新たなる希望」(第2部幕開けのエピソード4にあたる)から、じつに37年。この間いくども製作がストップし、はたして全9作を見られる日が来るかどうか半信半疑だったが、なんとか生きているうちに見られそうだ。

いっぽうで、「スター・ウォーズ」とならぶ、映画史上最大の娯楽シリーズ、「007」シリーズも、今年の12月ごろに最新作が公開されそうだ。こちらはシリーズ第24作で、予定タイトル「007/スペクター」からすると、どうやら諸般の事情でしばらく登場できなかった、ボンドの宿敵・スペクターが復活するようで、期待が高まる。

この二大エンタテインメント・シリーズが同時期に日本の映画館にかかり、いわば覇を競う形になるわけだが、じつはこの両シリーズが同時期にぶつかることは、これまであまりなかった。

「スター・ウォーズ」第1作の公開は、ご存知のように、日本では1978年の6月30日。そのころ「007」のほうは、その前年の1997年12月10日にシリーズ第10作「私を愛したスパイ」が公開されている。次作の「ムーンレイカー」は、その翌年1979年12月8日。この時期には「007」は正月映画の定番だったので、夏休み公開のスター・ウォーズとはすれ違いだったのだ。

「スター・ウォーズ」の第2弾「帝国の逆襲」は2年後の1980年6月28日に日本公開。前年末の「ムーンレイカー」と翌年1981年7月11日公開の「ユア・アイズ・オンリー」の間にちょうどおさまった形で、これまたすれ違い。

この均衡が崩れたのは、次の「ジェダイの復讐」公開時のこと。1983年の7月2日公開だったのだが、なんと同日封切りで「007」のほうも第13作「オクトパシー」が公開されたのだ。今のところ、この両シリーズが、同時期に日本で公開されたのは、このときだけ。

ただこの時には、あまり激突ムードはなかった。というのも、この時期に「オクトパシー」が公開になったのは、別に「スター・ウォーズ」との全面対決を期したものではなかったからだ。

このときに「007」の視線の先にあったのは、ショーン・コネリーがボンド役に復活して他社で製作された番外007「ネバーセイ・ネバーアゲイン」のほうだったのだ。本家としてはこのライバルの機先を制すために、「オクトパシー」の公開を前倒ししたわけで、当然ながら「スター・ウォーズ」との対決には見えなかった。「ネバーセイ・ネバーアゲイン」は、この年の年末12月24日に公開されている。

「スター・ウォーズ」はその後製作が途切れ、もう続編は作られないものと思っていたが、それからじつに16年後の1999年7月10日、エピソード1の「ファントム・メナス」が公開された。ところがこれまた「007」とはすれ違いで、前年の1998年3月14日公開の「トゥモロー・ネバー・ダイ」と、翌年2000年2月5日公開の「ワールド・イズ・ノット・イナフ」とのちょうど中間。

続くエピソード2「クローンの攻撃」も2002年7月13日公開で、「007」の次作「ダイ・アナザー・デイ」は2003年3月8日公開。エピソード3「シスの復讐」は2005年7月9日公開に対し、「007」のほうは2006年12月1日にダニエル・クレイグ=ボンドの「カジノ・ロワイヤル」公開と、まるで申し合わせたかのようにすれ違いの連続だった。

その後も「007」はクレイグ=ボンドが好調で引き続き製作されているのに対し、「スター・ウォーズ」のほうは最終パートにあたる第3部は製作しないとかいう話でけっこうガッカリしていたのだが、前記のように10年ぶりに再開され、ついに今回、「007」新作との真っ向激突が実現することになりそうなのだ。いや、めでたい。

さあ、どちらが内容で、批評で、あるいは観客動員で勝つのだろうか? まあ、私は両方見るから、べつにどっちでもいいんだけど(笑)

【本文はこれで全部です。もしもお気に召しましたらご寄進下さい(笑)】

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