地域に飛び出せ☆療育相談センターまめの木・取材させていただきました!
生活介護事業所Jumpの取材部メンバー樋口記者が、障害のある子どもたちの教育について取材したい!ということで、今回は厚木市の療育相談センター「まめの木」の竹内先生・須藤先生にお話を伺いました。
■療育相談センターまめの木って、どんなところ?
樋口:まめの木さんの施設ができたのはいつごろですか?
竹内先生:平成29年度です。その前はたんぽぽ教室という名前でずっと昔からやっていました。
樋口:どんな活動をしていますか?
竹内先生:まめの木では全部で4種類のことをやっています。
1つめは、療育相談です。お電話でいろいろ親御さんの相談にのります。
2つめは、経過観察です。まめの木に通ってきてもらって、グループや個別指導を行います。
3つめは、親子サロンです。発達に心配のある、小学校に入る前の親子なら、だれでも遊びに来ていいよ、という場所です。
4つめが、地域支援です。直接お子さんやお母さん・お父さんのお手伝いするのではなく、支援者の方をお手伝いする仕事です。この4つの仕事をやっています。
樋口:まめの木さんではいろいろなお子さんがいると思いますが、実際どんな感じで接してくれますか。
竹内先生:通ってくれているのは小学校に入る前のお子さんがお母さんと一緒にきています。子どもたちにとっては保育園・幼稚園の先生と同じような感じで、先生とよびかけてくれます。年長さんの最後の日には卒業になるのですが、お手紙をくれたり、折り紙で追ったプレゼントをくれたりしてうれしいです。かわいい子どもたちです。
樋口:先生たちは何人いますか?
竹内先生:今保育士が全部で20人くらいいます。あとはセラピストという、心理の先生、言葉の先生、体の先生たちを合わせると全部で40人くらいいます。1日に全員くるわけではなく、日によって来る先生が違います。
須藤先生:私は週2回、学齢担当で小学生中学生の保護者の方からご相談があったときに対応しています。ここへの通園は未就学児のお子さんたちですが、小学生以上のお子さんの場合は保護者の方の相談を受ける形で担当しています。
■学齢期のお子さんについての相談・学校の現状は?
樋口:私が小学校を支援学級、高校から養護学校(現在の特別支援学校)に通っていました。子どもの頃、昔はなにかあると、学校でも体罰で解決しようとされることが多かったように思います。友達がされているのを見ていて大きなショックを受けました。難しい問題だと思いますけれど、今はどうなっているのか気になっています。
須藤先生:正直に言うと、昔は体罰が普通にあったような気がします。暴力はもちろん、授業中に立っていなさいという、正座しなさいという、そういうこともすべて体罰にあたります。そういうことが今は、先生方に対して校長、教頭、教育委員会から強く指導がある。今は、やってはいけないことなんだという意識が先生方ひとり一人にあると思います。だから残念ながら0ではないけれど、本当に少なくなってきていると思います。
樋口:私たちの時代は、体罰で解決する、感情的になって怒る先生もいました。なんでこの子は荒れているんだろう、とその子の声を聞くことをしないで、体罰で解決しようとする。私はそんな学校に行っていて大丈夫なの?という不安もありましたし、先生に対してのいらだちもありました。今は先生になるには、体罰ってこういうことだよ、と教えてくれる制度があって、ちゃんと話してくれる人がいると聞いていて安心しました。
樋口:中学生、高校生のお母さんたちはどういうことで相談しにくるのですか?
須藤先生:相談の電話が来るのは、入学しました、新しい学年に上がりました、という時期が多いです。環境が変わって、がんばって1か月を過ごしたけれど、だんだんつらくなってくるのが5月くらい。うちの子は学校で困っているみたいです、という相談が増えてきます。同じように2学期の初めにも心配されている保護者の方が多いです。相談の内容は、勉強についていけない、どうしたらいいかな、ということや、クラスになじめない、お友達ができない、とういう相談が多いですね。
樋口:私もそういうときがあったけれど、相談する場所がなかったんです。昔の学校は「あなたはちゃんと、いやでも他の生徒さんと一緒にいるべきだ。」という感じだった。私は狭い学校にいるのがなじめないというのがあって、どうやって学校生活を楽しめばいいのか、その気持ちとずっと戦ってきました。そこを誰にも相談できなかった。複雑な学校時代を送っていたので、そういうことを相談ができるというのは親のみなさんも安心ですね。
■支援が必要な子どもたちの自身の悩み
竹内先生:私たちは今、小中学校の保護者の方の相談を受けるということをやっているけれど、今のお話を伺うと、ご自身がきついな、つらいなと思ったときに相談するところがなかったというお話がありました。例えば学校の先生に言ってみようかな、家族に言ってみようかなと思える人はいましたか?
樋口:自分の中で消化しようと思っていたけれど、しきれない部分がありました。私が我慢すればみんな解決できると思っていた。でもすごくさみしかったです。学校なんかいらないじゃないかという思いで反抗していた部分もありましたが、お母さんのために、自分のために行かなきゃと思ってがんばっていました。
須藤先生:今はスクールカウンセラーの先生や、元気アップアシスタントの相談員さん、1日のうちどちらか一人は必ずいるようになっていると思います。教室にはいにくいけれどちょっとほっとできる場所、「聞いてー!」と言える場所になっているかなと思います。
竹内先生:今は資源はたくさんあるけれど、樋口さんが話してくれたように、今そういう思いをしている子もいるのかもしれないと思いました。
樋口:それが大事なんですよ。大人たちの助けが必要。生きていてよかったなと思える人がたくさん出てほしいから。そういうのが絶対必要なだということを感じています。
須藤先生:以前に比べて小さい子は小さい子なりに悩みがある。教室の中でどこにいたらいいか、学習の量も増えてきてついていけない。さらに、年齢が上にいけばいくほど悩みもどんどん大きくなって、抱えきれなくなって学校に行きたくないというお子さんもいる。
樋口:子どもたちもたいへんですね。すごく切実だと感じています。みんないろんな気持ちと戦って子どもたちも大変だ。ありのままの自分は自分なのに、それを受け入れてくれない大人たちの考えを、子どもが受けいれられないという気持ちは、私はわかります。少しでもその気持ちを軽くできたり、乗り越えられる方法があったりしたら、勇気が出る子どもたちもいるんじゃないかと思いました。その子の気持ちが少しでも楽になってほしいと思いました。
■お話を聞いてみて
私は親とだけ相談して養護学校に進学することを決めたので、まめの木さんのように、他にも相談できるところがあるというのはいいなと思いました。悩んでいるその子たちが少しでも幸せになってほしいと改めて思いました。私たちが相談しづらかったことも、今は相談する場所があるというのは、その子どもたちにとっても安心できる場所なんじゃないかと思いました。
⭐️厚木市療育相談センターまめの木
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?