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バイクフィッティングの考え方、数値化できないライディングポジション

菊池仁志は、現在の計測機器で計測できるデータは、物事のほんの一部分の値でしかないというお話をよくします。このデータを、目安としてうまく利用すれば活用できます。しかし、データだけにとらわれてしまうと、データ化(数値化)できない要素を見落としてしまいます。
先日、ポジションの話をしていて、データ理論に頼りすぎることの危うさは、バイクのポジショニングにも言えることだなぁ、と、ふと思いました。今回は、そのことについて、バイクフィッティングと操作性の観点からお話してみたいと思います。

バイクのポジションは数値化できない

自転車に乗車する人の身体は、サドル、ハンドル、ペダル(クリート)の3点でバランスをとりますが、現在の計測機器で数値化できるのは、主に、出力やペダリングモニターといったペダルに関係する部分です。
実際に、乗車中にハンドルやサドルにかかる力を計測するものはありません。たとえ、それらが何かしらの方法で個別に数値化できたとしても、そこに身体特性(腕や足の長さ、筋力)を加味して、全体のバランスを計算して数値化できるものは今のところありません。K-FITTINGⓇの考え方では、さらに、個体差のある自転車の重心も入ってきますので、数値化しようとするとやっかいです(笑)。

フィッティングの効果は出力だけでは測れない

バイクフィッティングを行って、出力がUPした、というのはひとつの目安になりますが、これだけでは、最適なポジションが出ているとはいえません。
コーナーリングが怖い、細かい操作ができない、よく落車する…といった自転車操作上の問題がある場合は、ポジションに問題があるかもしれません。

データや形からとらえることの危うさ

出力重視でポジショニングを行った場合、サドルが高くなる、前傾になる、という傾向があるかと思います。サドルを高くすれば上死点から踏み込みやすく、パワーは出やすいです。前傾にすると、実走での直線的な場面や、固定されたローラー上ではパワー(速度)が出やすいです。

前傾になって写真に納めてみたら自転車選手っぽくって格好いいかもしれません。でも、そのポジションに筋力が見合っていなければ、自転車上で上体を支えられません。上体を支えられない分、どうなるかというと、ハンドル荷重になるのです。固定ローラーや、実走で直線的に前進する力はましても、コーナーリングやイレギュラーな操作には対応できないという事が起こります。

自転車操作が不安ならポジションの見直しを

もし、操作に不安を感じるなら、ポジションを見直すことをお勧めしたいと思います。

菊池仁志のバイクフィッティングに対する考え方

K-FITTINGⓇの基本理念としてホームページに掲載しています。是非、ご参照ください。

事務局より

データ計測できないものがなぜわかるの?というところが、プロ(競輪選手)の経験と感覚なのです。プロの実力、ちょっと違うぜ…というところを事務局なりに書いたものをまとめていますので、こちらも是非ご参照ください(*'ω'*)

(*'ω'*)