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220928 北海道一周旅行記⑥(函館→札幌)

※記事を書いたままほったらかしていたので色々おかしなところがありますが、修正するのも面倒なのでそのままアップします。

 実は卒業論文というのを書かねばいけないそうです。どのみち就職する先もないのであと1年くらい大学でのんびりしていればいいと思っているぼくにはどうでもいい話なのですが、進捗を報告せよとつつかれて困っています。国立大学ですからあと2年でも3年でも在籍していればいいのですが、どうも卒業するためには論文というのを出さなければならないそうです。
 しかも、実証分析をしろと言うので困っています。実証分析というのは要するに数学ですが、ぼくは中学受験の算数なら大抵の問題が解ける一方で「数学」となるとからきしダメなのです。今のぼくにできるのは「Excelにデータ食わせたらこんなことになりました」くらいのところまでで、RだのSTATAだのは使いこなせません。プログラミングは多少やったことがありますがその言語は「MQL4」というおよそ誰も聞いたことがないような言語です。ちなみにMQL4というのはトレーディングプラットフォーム「MT4」で自動売買システムを動かすための言語なのですが、始めて二年くらいして「裁量トレードした方が儲かるんじゃないか」ということに気づいてやめてしまいました。とりあえず大学に籍を置きながらトレードでもしていたいと思います。あと2年くらいやって目が出なかったら諦めて就職すればいいだろうというわけです。

おはようございます

 さて、函館にほったらかされている筆者の様子を見に行きましょう。この時の筆者は「フォーポイントバイシェラトン」なるおよそ日本人には発音することが困難な名前のホテルに宿泊していました。セイコーマートの場所を聞いたら見事に空振りし、結局Googleマップのお世話になってカツ丼を食べたところまでは記録しているはずです。なお、旅行記の切れ目がおかしいという指摘は受け付けません。
 翌日目覚めたのは9時くらいでした。朝食が9時半までなので盛大に寝坊したことになります。しかも、前日シャワーを浴びずに寝落ちしているので急いでシャワーを浴びて朝食を食べに行きました。このホテルに泊まった理由は朝食以外にないのでこれを逃すとただ単に多少名の通ったホテルに泊まっただけの人になってしまいます。
 というわけで朝食会場に行くと人はほとんどおらず、もはや営業終了の準備が始まっていました。別に片付けしているのはどうでもいいのでオムレツを焼いてもらって、海鮮丼を作ります。海鮮はサーモンだのネギトロだのタラだのと色々用意されていました。イクラもあるのですがイクラだけは小皿に取り分けてあります。要するにたくさん食べられないようにしてあるのですが、朝食はオシャレに言えば「ビュッフェ」、ふつうに言えば「バイキング」、下品に言えば「食べ放題」なのであって遠慮することはありません。イクラを3皿くらい誘拐することにしました。あとは好き放題食べたいものを持ってきて食べ始めます。窓際の席だったのですが横を見たらカラスが物欲しげな顔をしてこちらをのぞき込んでいました。たまにいる人慣れしたカラスだったようです。前に積丹岬で出会ったカラスは写真を撮ろうとしたらポーズまで撮ってくれましたが、カラスというのはよく見るとかわいいものです。
 歯を磨きながら下の方を見下ろしていると、ガイドブック片手に函館朝市をウロウロしている観光客が見えました。魚オタクのぼくからすると函館朝市の魚は最低もいいところですが、まあガイドブックの確認作業に徹する観光客の皆様はそれでもいいのでしょう。あんなにコスパの悪い飲食店が集まっている通りは他にあまり思いつきません。イカの踊り食いをしたいなら呼子の方がおいしいし、海鮮を食べるなら東京の方がおいしいですね。二周くらい冷やかしてきましたが、やっぱり食べたいなと思う海鮮はありませんでした。

函館朝市。寝坊したせいかあまり活気はない。

札幌に向けて走り出す

 さて、ヒグマかと見間違うような量の朝ご飯を食べたところで札幌へ向けて走り出します。わざわざ朝食付きのプランにした行き掛かり上、昼ご飯は食べたくないのです。そのための朝食ですからね。
 今日は渡島半島の西側をぐるっと回って札幌まで行く予定です。昨日札幌から来たのに今日また札幌に戻ります。前日は噴火湾の方を回ってきましたが、今日は日本海側を回っていくというわけです。距離で言うと今日の方が100キロ以上長かったと記憶しています。しかし、距離が長いと言ってもこのあたりはビックリするくらい何もないので、丸一日ほぼ走り続けているだけになりました。
 走り出す前にガソリンを入れておきます。調べたところによると函館にはクローバー石油なるガソリンスタンドがあって、そこがリッター150円くらいで入れることができるようなので早速そこに向かいます。今日だけでも20リッターくらいは入れることになりましたから、リッター10円違えば200円くらいの違いになってくるわけです。そうだとすれば少しでも安いところを探して給油するのは当然のこと。ホテルから車で10分くらいのところにクローバー石油があったのでそこで給油してきました。現金のみでしたが仕方ありません。ポイントの還元を考えてもこちらの方が安いはずです。
 給油したら西に向けて出発します。海沿いの道を流れに乗って走り続けるだけです。こうして見てみると意外とトラックというのは走っているもので、やはり鉄道がない地域においてはトラックの重要性というのは見逃せないものがありますね。東京で目の前にトラックが来ると大体タラタラ走っているものですが、北海道のトラックは何ならぼくよりも速く走って行きます。「なんか前の方に大きいトラックいるな~」と思っていたら気づいたときには見失っているということも何度かありましたし、トラックに道を譲るということもありました。ちなみに北海道のトラックは物流トラックもいますが、藁の塊を6個くらい積んで走っているようなトラックもいたりします。面白いところだとトラックの荷台にトラックが積まれているというのもありました。親子亀みたいでかわいいものです。
 このあたりはあまり農地がないのでトラクターが走っているということはありませんでした。さすがにトラクターが時速70㎞で走っているということはなくて、こちらは渋滞の原因になっているのですが仕方ありません。あのタイヤで70㎞出たらなかなか怖いですね。
 そういえば、昨日の算数の授業で「川を上る船の速さが時速140㎞」というとんでもない答えを書いている生徒がいました。「それさ、常識的に考えておかしいってわからない?川を高速道路を走ってる車くらいの速度で上がっていく船なんて見たことないでしょ?」と言ったら「先生、高速道路は80㎞しか出しちゃいけないんだよ?」と言われましたが論点はそこではありません。というか、東関東自動車道に行けば140㎞くらい出してる車はいっぱいいます。ま、ぼくはパイロットが高速道路を180㎞で飛ばしながら「飛行機の5分の1しかスピードが出てない」と言い放ったという話を聞いたことがあるので何があっても特に驚きはしませんが。
 函館を出ると北海道新幹線と並行するように走って行きます。青函トンネルの入り口(出口?)までは新幹線の線路と近づいたり離れたりしながら走っていると、新幹線が見える道の駅というのを発見しました。じゃあ寄ってみるか、というわけで入ってみると驚きの事実が発覚。何と、新幹線は5分前に通過しており次の新幹線は1時間後でした。さすがに待っていられない(ビックリするくらい何もない田舎なのです)ので、先を急ぐことにします。ちなみにこの時点で午後1時です。朝寝坊したせいですね。
 しばらく走っていると北海道最南端の白神岬というところに到着しました。ここからだと晴れた日には本州もかすかに見えます。おそらく津軽半島だと思いますが、海の向こうにうっすらと見えました。
 そういえば、二年前にはここを船で渡ったことを思い出します。青森まで鉄道で移動してきて、函館まで渡るのに津軽海峡フェリーに乗ったのでした。夕方というか夜の便で、客席でゴロゴロしていた覚えがあります。そのあとはやたらとよくしゃべるドライバーが運転するタクシーに乗ってJRインにチェックインしました。2200円で予約した宿にチェックインしようとしたら2000円のクーポンをもらったのもいい思い出です。タクシーのドライバー氏いわく、「今年は雪が少なかったから金が余ってて配ってんだべ」とのことでしたが、冬の頃と夏では会計年度が変わっているので言っていることがどこまで本当かはずいぶんと疑わしいところですね。

北海道最南端の白神岬。気をつけていないと通り過ぎてしまいます。

遠い、まだ着かない

 さて、白神岬まで着いてもまだまだ先は長いのです。まだまだ長いどころか、今日走るべき距離の20%も走っていません。まだ青函トンネルの出口を少し過ぎたあたりであって、これからやっと日本海にこんにちは、というあたりの位置です。わからない人はGoogleマップで調べてみてください。「え、これしか進んでないの?」という絶望を追体験できるはずです。
 その先でも弘前城を見学(外観)したり、日本一小さい道の駅(道の駅えさし)に立ち寄ったりしながら札幌へ向けて走っていると、午後2時、午後3時とどんどんと時間が過ぎていきます。北海道というのは恐ろしいところで50㎞や100㎞進んでも地図で見ると「ほとんど進んでいない」と言っても過言ではないのです。しかも、これから行く方を見ると黒い雲が浮かんでいて、電光掲示には「○○地方 暴風警報発令中」と書かれています。ぼくからするとその○○地方がどこにあるのかもよくわからないのですが、いわれてみるとさっきから風が強くなっているような気がしました。気がするというか間違いなく風が強くなっているし雨も強くなってきています。ちょうど大きな台風が沖縄や九州の方に来ているときだったので、その余波ということなのでしょう。多少のペースダウンを余儀なくされました。
 こうなってくると前日の悪夢が頭をよぎります。残り距離400㎞、このままのペースで行けば、休憩込みの平均時速が50㎞くらいだとして8時間かかるわけです。昨日の夜は9時半だか10時まで走ることになりましたが、今日もそうなる予感がします。ま、札幌は都会だからシカが悠然と歩き回っていることはないだろう、と思いながら走っていると気づいたときには夕暮れ時でした。
 陽もとっぷりと暮れたころに神威岬に到着。ここは大変に景色のきれいな岬で、「積丹ブルー」ともいわれる青い海を眺めることができます。しかし、写真を見ればわかる通りあたりは真っ暗、ゲートが閉ざされているため岬に行くことはできませんでした。というか、あたりは真っ暗、風が吹き荒れ、雨も降っていて、明かり一つない山の中という、もはや車から降りる理由を探すことすら困難な状況だったのでさっさと札幌へ向けて移動を続けます。その先は小樽、札樽道の誘惑を断って走っていると検問をやっており、それを抜けた先が札幌でした。
 今日のホテルはじゃらんで安くて駐車場が無料だったホテルを適当に予約しました。前日のホテルで豪遊しているので今日は節約しようというわけです。カーナビに入れた通りの電話番号のところに確かにホテルがあったので駐車場に車を止め、フロントの方に上がってみるとどうも様子がおかしいのです。白い柱がそこら中に生えています。「なんか妙だな」と思いながらチェックイン機らしきものを操作してみますが予約番号を入力するところが見当たらないのでフロントのスタッフに聞いてみると、そこで衝撃の事実が発覚したのです。

やたらと柱の多い妙なホテル。その正体とは?

 なんと、カーナビが本来の目的地の隣のホテルを示しており、しかもどちらのホテルもAから始まるホテルなのでぼくも間違いに気づかず、間違えて入った方のホテルは男性一人で立ち寄るタイプのホテルではなく男女のカップルが立ち寄るタイプのホテルでした。だから変な雰囲気で柱がいっぱいあるのか、と納得して隣のホテルに車を止め、今度こそチェックインに成功しました。「何度かお電話差し上げたのですが」と言われましたが運転中で全く気付かなかったので謝罪をし、案内された部屋に行ってみます。
 部屋の様子はこんな感じで、何やら妙に広い部屋です。「部屋が広いならいいじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、広いと言っても奇妙な広さなのです。普通の広い部屋というのは大きな机が設えられていたり、窓際に外を眺める椅子が置いてあったりするものですが、この部屋は大した机もないのに部屋だけやたらと広いのです。そして、リビングと風呂場の間がなぜか壁ではなくてすりガラスで仕切られています。見た感じ結構古いホテルなのですが、どうもこの部屋はというかこのホテル自体がラブホテルを改装したものであるようです。最近多いですよね、こういうホテル。去年の夏に名古屋で泊まったホテルも妙な間取りだった(シャワールームとリビングが直結していたのです)のでおそらくそうなのですが、どうも都市部に置いてそういうホテルが増加している気がします。泊まる分には差し支えないのでいいんですけどね。
 この日は500㎞以上のロングドライブで疲れていたので、翌日のオロロンライン北上に備えて早めに寝ることにしました。なお、夕食はセイコーマートのおにぎり二つです。塩サバはおいしいですね。おやすみなさい。

この辺りは雄大な景色。いや、どのあたりだよ。

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