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220925 北海道一周旅行記④(登別でクマと戯れる)

 最近「何か致命的に重要なことを忘れている気がする」という違和感を持ちながら生活していたのですが、どうもその重要なこととはnoteの執筆であったようです。というわけで(どういうわけで?)旅行から帰ってきて早くも2週間が経過していますが、記憶を手繰り寄せつつ旅行記を執筆していきたいと思います。前回の記事はJALのアナウンスがやかましいということを述べているうちに規定の文字数に到達していたので「次回はクマに襲われに行く」みたいなことを書いて記事を終わりにしたはずです。というわけで、今日はその続きを書くことにしましょう。

下道で行くか、高速で行くか、それが問題だ

 さて、札幌で新型のNOTE e-Powerを借りたぼくは苫小牧に向けて走り出しました。しかし、ここで一つの問題が発生します。高速道路に乗るかという問題です。札幌から道南の方に向けては高速道路が通っていますが、まともに函館まで乗っていると7000円以上かかってしまいます。しかし、下道で行こうとするとのぼりべつクマ牧場の入園時間に間に合いません。どっちを取るか2秒くらい悩み、北広島から苫小牧までの区間だけ高速に乗ることにしました。これなら高速料金が1500円くらいで済み、クマ牧場にも間に合うように到着できます。
 というわけでインターから高速に乗り、見事に札幌方面の路線へ進んでしまいました。これはナビが80%くらい悪くて、苫小牧に行こうとしているのに札幌へ向かえという案内をしてきたのです。バカなんじゃないかと思いますが、日産のナビは質が悪いようですね。
 仕方ないのでそのまま走り(こういうときに慌てて止まるドライバーは二流)、次の出口で事情を説明したところしっかり270円徴収されました。電車の乗り間違いはタダで戻してくれるのに、高速はなかなかに気が利かないようです。高速での乗り間違いはタダで戻れると教習所で聞いていたからそのまま進んだのに、何やら話が違いました。まあ270円なのでどうでもいいですが、この降りたインターから乗るのはなんか癪に障るので最初に乗り間違えたインターまで下道で戻ることに決定し、今度こそ無事に苫小牧方向へ走り出すことに成功。
 北海道の高速道路はあまり流れの速さを感じないというか、一般道でも高速道路並みの速度で流れているので都市部以外では高速道路の恩恵を感じることはありませんでした。この日は雨でしたが、高速は100キロくらいで流れています。見たところ、覆面パトカーはいませんでした。ちなみに、北海道の人に聞いた話だと北海道の覆面パトカーはいきなり捕まえに来ることはあまりなくて、一瞬パトランプを出すとかパッシングするとかで合図をしてくれることが多いそうです。ノルマがキツイときはいきなり捕まることもあるらしいですが、基本的には知らせてくれるみたいですね。
 あっという間に苫小牧に到着し、ここからは下道でのぼりべつクマ牧場に向かいます。自らの案内に反して勝手に高速を降りられたことに不満げなナビは降りたそのインターからまた高速道路に乗るように案内していましたがそんなのは無視して下道を走って行きます。下道を走っているとなんと驚き、さっきの高速道路とほぼ同じ速度で流れているではありませんか。90キロくらいですかね。「一般道でも100キロ超えなきゃ捕まらないよ」という話も聞きましたが、どこまで本当なのでしょうか。

こぐまはかわいい。

北海道の運転あれこれ

 北海道の道路というのは恐ろしいもので、軽トラが120キロでカッ飛んでいたり、その運転席をよく見たら運転してるのが農家のオバチャン(推定60歳)だったり、トラックでさえも100キロくらいで疾走していたりする魔境です。ま、あんな道路を見せられて法定速度で走ることの方が難しいので特に問題は感じませんが、実勢速度が免停レベルというのはなかなか面白いですね。こういうところで「ボクは法律を守ってる!」と言わんばかりにチンタラ走っている奴もいますが、一般的にはそういうのを「バカ」と呼びます。逆に危ないっていつになったら気づくんですかね。周りとの速度差が50キロもあるって、ふつうに怖いと思うんですが。
 しかし、北海道に限らず大事なのは「at your own speed」の精神なのであって、100㎞で流れている道路を80㎞で走る分には構わないとは思います。走行車線を走るならば、ですが。だいたいこういう人に限って右側の車線を占領しているものです。しかも北海道の車のタチが悪いのは、こういう車に何をしてもどかないところ。ぼくは追い越し車線にいる車両に追いついたらまずは右ウインカーで合図します。東京の車なら大体これで空けてくれるので、ハザードで挨拶しながら追い越して終わりです。しかし、北海道の車は全くどこうとする気配がありません。「アレ、北海道の車ってルームミラーもドアミラーもないのかな?」と思うくらいに後ろを見ていないのです。パッシングしても何をしてもどかないので、周りを確認して左から追い越す以外に方法がありません。沖縄の車はミラーだけでなくてウインカーもオプション装備なのですが、北海道も似たようなもののようです。
 北海道ではウインカーは出す人が多い(スピードが出ているので合図しないとぶつかる)のですが、不思議なことにウインカーを出すのと動き始めるのがほぼ同時という車が非常に多く存在します。教本を見ると「車線変更をするときには3秒前に合図しろ」みたいなことが書いてありましたが、北海道では一味違った講習が行われているのでしょうか。
 言いたいことはすべてまとめて言っておきたいのでついでに言っておくと、他人の死角にいつまでも滞在するのはやめていただきたいものです。どうしてあの場所にいつまでもいられるんですかね。ぼくからすると理解できないのですが、どうも北海道の車というのは人の死角に滞在するのが好きなようです。「死角にいるからちょっと踏み増して前に出よう」とか「ちょっとアクセルを緩めて後ろに下がろう」とかそういう発想はないみたいですね。そのくせ、自分が車線変更するときには死角を目視せずに移動してくるというのはなかなか見上げたものがあります。

山の中では遭遇したくない。

さて、のぼりべつクマ牧場へ

 そんなこんなで爆走するダンプに負けじと爆走を繰り広げ、登別が近づいてきました。例の信用できないナビを信じてみることにして、まがりくねった道をうにうに走って行くと登別の温泉街に到着。「クマ牧場こっち」みたいな看板に従って今にもクマが出そうな道を登っていくと駐車場が現れました。何と、駐車料金500円。現金のみ。どうなってるんでしょうか。こんなド田舎で、これから2400円も払うのにただの駐車場に500円も取られるというのも不思議な気分ですが、仕方ないので500円払って駐車場に入ります。昔、千葉の方の漁港でその辺のオバチャンが勝手に駐車場を作って金を取っている現場を目撃したことがありますが、一応こちらはきちんとした駐車場のようで領収証がもらえました。千葉の方はもっとひどくて、領収証すら出ないという素敵仕様。お前、絶対税金払ってないだろ!
 それはさておき、クマ牧場へ入場します。しかし、ここで重要なのは窓口に行ってチケットを買わないということです。ネットで売っている前売り券なら2400円、窓口で買ったら2640円。建物に入る前にスマホをポチポチするだけで240円も節約できます。さっき取られた高速代はこうやって回収するのです。何とこの前売り券、驚いたことに当日、クマ牧場の駐車場で購入することもできるのでだれでも簡単に240円得することができるようになっています。当日、施設の目の前で買える「前売り券」って何なんでしょうね。
 ちなみにドバイのブルジュ・ハリファはもっとすごくて、前売りだと2500円、当日券だと10000円くらいでした。要するに前売り券を買ってくれれば入館手続きが素早いので人件費分ということでしょう。実際すごく混んでいましたからね。
 ネットで買った画面を窓口で見せるときっぷをもらえるのでそれを持ってロープウェイの乗り場へ進みます。このクマ牧場は山の上にあるので、そこまでロープウェイで移動するのです。ロープウェイ代込みで2400円です。さぞかしいい眺めが楽しめるんだろうなと思って乗ったら素晴らしい景色を楽しめました。

うーん、絶景である。

 おお、視程5メートルと言ったところでしょうか。飛行機好きとしては「おお、CATⅢだ!」という感じですが、もう本当に何も見えません。前後のゴンドラすら見えません。下に見えるはずの温泉街も見えません。もちろん、遠くの山並みも見えません。とにかく自分の半径5mくらいが自分の世界という状態が数分続き、ロープウェイは山頂に到着しました。ここからが正式にクマ牧場です。

クマを眺める

 この時は雨でしたが、なんとクマ牧場には無料の貸傘が用意されていました。気が利きますね。入るとすぐにこぐまが展示されていました。今年だか去年生まれたクマだそうで、まだまだかわいらしいですね。ぬいぐるみが動いているような感じで、遊具に登ってみたりプールに入ってみたり、ちょろちょろ動いていてかわいかったです。
 その隣にはアヒルがたくさん飼われています。一説によるとこのアヒルはアフラックから派遣されていて、クマに遭遇する前に生命保険への加入を勧めるためのアヒルであるようです。もちろんウソですが、鳴き声をよく聞いていると「アフラック」と言っているように聞こえなくもありませんでした。時間によってはアヒルのレースで競馬ごっこをやっているようですね。残念ながら、今回は時間が合わずに見物できませんでした。
 しかし、ちょうど3時からヒグマがアスレチックで遊ぶというイベントが開催されていたのでそれを見物することにしました。専用のステージが設けられていて、その中の色々なところに隠されている餌を探しながらヒグマが遊具で遊ぶという見世物です。スタッフのトークがなかなか面白かったですね。なんでも、ステージに現れるヒグマは人間の気持ちがわかっているらしく、拍手されたらやる気を出すし、静かだとやる気を出さないそうです。そんなことあるのかよ、と思っていたらなんと拍手の音声がスピーカーから流されていたのには笑ってしまいました。このクマにやる気があったのかなかったのかは知りませんが、なかなか面白かったですね。

クマがウロチョロしている。

 そのあとは、飼われているヒグマを眺めに行きました。クマの檻は二つあって、片方にはオスが、もう片方にはメスが展示されています。やっぱりオスの方が大きくて迫力がありますね。いずれにせよ、森の中では出会いたくないものです。
 ここに来たらやるべきこととして、クマへの餌やりが筆頭に挙げられるでしょう。クマのおやつなるものが一袋100円で売られているので、それを買って上からクマに投げるのです。クマの方も上にいる人間が餌をくれるというのはわかっているようで、各々アピールに必死です。片手をあげてみたり、手を叩いてみたり、視線で訴えてみたり、それぞれのクマに自分なりのアピール手法があるようで、みんな餌をもらおうと必死でした。これが主食ということはないと思いますが、クマはクマなりに人間とのコミュニケーションを楽しんでいるのでしょう。たまに寝っ転がって片手をあげているだけのけしからんクマがいたりします。お前はやる気出せ。
 というわけでぼくももちろん餌を購入し、上からポンポン投げていきます。しかしなかなか難しいもので、ここのクマは自分の口の周りに飛んできた餌鹿食べようとしません。首を伸ばして届く範囲なら食べますが、動かないと届かない範囲に来た餌は完全に無視です。まったくだらしないなと思いますが、よく考えればクマたちをだらしなくした責任は人間側にあるのであって、その罪を償うためにもコントロールよく餌を投げることが求められるのも当然と言えます。

クマって大きいんだなあ。

 オスの放飼場の方には「人間の檻」なる設備が設けられていて、ここではヒグマをガラス一枚挟んだだけの間近で観察することができます。ヒグマの爪はだいぶ発達していて、それでガラスを叩いて(クマの感覚としては「撫でている」くらいだと思いますが)アピールしてきますが、その「コツコツ」という音がなかなか不気味に聞こえました。ここには餌やり用のパイプがあるので、そこから餌をあげることができるようになっています。ここで餌をあげるよりも上から投げている方が楽しいですが、要するに人間の檻における餌とは近くでヒグマを観察するための賄賂であるようです。餌をもらえばしばらくはその辺をウロウロしてくれます。
 結局300円くらい餌を投げてそのほとんどを命中させて気分良くなったぼくは、ロープウェイ乗り場の横にある展示施設にも入ってみることにしました。ここはヒグマの生態が説明されている施設です。クマを眺めるだけに2400円は高すぎですから、知識を得ることで少しでも入場料の回収に励みます。
 知識の収集をしていたら営業時間が終了してしまったのでそそくさと帰ることにしました。ここは1時間半で見切れる施設ではないですね。もっと奥にもアイヌの展示がされている施設があったようなので、それを含めると2時間は必要だと思います。ま、ぼくがクマに餌を投げ続けていたからいけないということでもあるのですが。ここでのんびりしたいなら2時間はいた方がいいでしょうね。
 しかし、「帰る」とは言ってもまだまだ今日の移動は途中です。まだ半分にすら到達しておらず、ここからまだ2, 300kmくらいは移動する必要があります。函館に行くだけなら近道もできますが、今回は海岸線に沿って走る必要があるので函館の東側の半島をぐるっと回ることになるため、走行距離が延びるのです。しかし、その話をしているとまた字数がとんでもないことになるので今日はここまでということにしておきます。

またきてねーバイバーイ!

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