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221016 北海道一周旅行記⑩(知床→根室→釧路)

※記事を書くだけ書いて放置していたので冒頭から日付の整合性が取れなくなっていますがこのまま公開します。

 10月も中盤に差し掛かり、入試まであと100日くらいになってきました。多分今日で108日くらいのはずです。煩悩の数ですね。前に芝生に「カルロス・ゴーンが釈放されたのって逮捕から108日目なんだけど、これって『ゴーン』っていう名前と除夜の鐘の『ゴーン』がかけられてるんだよね」と言ったらエラく感心した顔で「へえ、そうなんですね」と言われましたが、今頃彼の家に変な壺が置かれていたりしないか心配になります。芝生とは大変にピュアな生き物なので、「国土地理院によるとね、日本国内にある上り坂と下り坂の数は同じらしいんだよね」と言った時にも「ピッタリ同じなんですか?」と驚いていました。上り坂を反対から進めば下り坂なわけですから何も驚くことはないのですが、どうも「国土地理院」に騙されるようです。
 受験生からすると残り100日というのはだいぶ差し迫った状況になってきます。一番上の位の数字が減るスピードが今までの10倍ですから、ここから先は時間が飛ぶように流れていくからです。しかし呑気な子どもというのはいるもので、この時期に呑気なのはほぼ100%男子というのが不思議なところ。「パーカーがダサいって言われた」だの「メガネがダサいって言われた」だの「筆箱が机の真ん中よりもオレ寄りに置いてあるのが気に食わん」だの、低レベルな喧嘩を繰り広げています。あまりにも面倒なので「先生は今後、君たちのトラブルの対応は一切しません。完全に無視します。不満があるならご家庭どうしで、塾の外で勝手にやりなさい。」と宣言してしばらくほったらかしておいたら静かになりました。「あ、解決策はこれだったのか」という意外な発見ができたのでこれはこれでよかったのかなと思います。

白い道を発見(宗谷岬付近)

北方領土を望む

 さて、ぼくの記憶が正しければnote上のぼく(G線上のアリアみたいな)は北方領土を眺めているところでほったらかされているはずです。知床横断道路を走り、ちょうどお昼時になっていたので知床半島の南側に到着したところにあった道の駅でフィッシュバーガーを食べることにしました。ホッケの切り身を使っているそうです。
 ホッケはぼくの好きな魚で、年に数回魚屋で買って食べています。もちろん丸のまま買ってくるのですが、ホッケの肝臓はいつもアニサキスまみれで感動します。本当に、感動的なくらいにアニサキスまみれなのです。最近はテレビでアニサキスが大騒ぎになっていますが、魚をさばいていればアニサキスなんてよく目にするので何で騒いでいるのかよくわかりません。しっかり取り除けば害はないし、そもそもアニサキスが生きた状態で体内に入っても大半は害をなさずに出ていくものです。この前食べたサバは体内からアニサキスの塊が出てきましたが、それはちょっとびっくりしましたが、それだってちょっとびっくりする程度の話です。それを「刺身は冷凍してから食え」みたいなことをしておいしい魚をわざわざおいしくなくしてから食べるのかよくわかりません。ぼくが魚屋に行くと「このアジ、大声じゃ言えないけど刺身にしたらおいしいわよ」みたいなことを言われることがあります。最初に言われたときには驚きましたが、特に青魚を刺身で食べるときには冷凍するように見えない力が働いているようです。
 それはさておき、どんどん南下していきます。今日の目的地は釧路ですが、納沙布岬を経由していかなければいけないのでまだ残り距離は数百キロに及ぶのでどんどん進んでいかなければいけません。途中の道の駅で北方領土を眺めながらソフトクリームを食べて休憩し、さらに南下していきます。北方領土が見える!というので見てみたら海の向こうに陸地が見えて、「おお、走っている車が見えるくらい近くなのか。あそこはもう日本じゃないんだな」と思っていたらそこは野付半島で、まだ日本の領土でした。その奥の島が国後島で、そちらはロシアの領土(ロシアが不法に占拠している日本の領土)です。
 このあたり、地名で言うと標津や別海のあたりはあまり交通量も多くなく、快適に飛ばすことができました。速度は一応二けたです。稚内で話を聞いたオジサン曰く「100キロ以下なら捕まらない」という言葉を参考にしていたわけですが、そもそも取り締まりのパトカーすらいませんでした。オロロンラインの方では一台だけレーダー付きのパトカーを見かけたので取り締まり自体は行われているはずですが、北海道があまりにも広いために遭遇する確率は極めて低いと言えそうです。

知床の絶景

納沙布岬へ向かう、そしてシカと遭遇

 さて、道東を南下しているぼくはこの後、根室半島に入り納沙布岬を目指します。一般人が行ける日本最東端である納沙布岬は、二年ぶり二度目の訪問です。おととしの夏休みは根室駅からバスに乗っていきましたが、今回は当然車で向かいます。行ってみると特に変わったところもなく、何やら危なそうな政治結社の人たちが立てたらしい「北方領土返せ」的な看板も、謎の資料館も、資料館よりも謎に満ちた茶色いアーチも、営業しているようには見えない展望台も、すべてが二年前と変わりませんでした。
 風が言語道断に強いので逃げるように車へ戻り、先を急ぎます。根室半島というのは意外と長いので、戻るのも大変なのです。しかも、この花咲線沿線は北海道の中でも特にシカが多い地域なのでできれば昼間の視界が効くうちに抜けておきたいところ。今度は根室半島の南側を走り、釧路を目指します。霧が出てきたのもこのあたりでした。ここぞとばかりにリアフォグをつけて走ります。その辺の道でリアフォグをつけている人は○○あるいは○○(自粛)ですが、こういう場面では積極的にリアフォグを使うことで安全性が向上するというものです。と、ここまで書いて気づきましたが、そもそも前にも後ろにも車がいません。あれ、つける意味あった?

東根室。


 途中で日本最東端の駅である東根室駅に立ち寄り、あとはひたすら西進します。もうすっかり日は暮れてしまいましたが、のんびりしてはいられません。花咲線だと別寒辺牛湿原の絶景を楽しむこともできますが、もうあたりが暗い上にそもそも道路が別寒辺牛湿原を通っていないので楽しみようがないので心の目で見えたことにして走って行きます。

キツネがこちらを見つめています

 牡蠣で有名な厚岸の道の駅で休憩し、夜道をひた走っていると目の前にヤツが現れました。そう、エゾシカです。今までもエゾシカはいましたが、今回のエゾシカは数が半端ではありません。カーブを曲がった先の道路でシカが5,6頭ほど跳ね回っていました。カーブの先なのであまり停止したくない場所です。クラクションを鳴らしたら「なんかうるさいヤツが来たぞ」みたいな顔をしながら道を空けてくれました。話の分かるシカさんたちですね。
 その先でも大量のシカが跳ね回っていましたが、車で近づいていけば道を空けてくれます。クラクションを鳴らすまでもなく道を空けてくれるので、どうもこのあたりのシカは教育が行き届いているようです。奈良公園のシカにも見習ってほしいものですね。しかし、キツネはそうもいきません。道路の真ん中に座ったまま動かないキツネ夫婦(多分)を発見しました。20mkくらい手前で止まって様子を伺っていると、片方がトコトコとこちらに向かって歩いてきました。好奇心旺盛というか、警戒心がないというか、助手席側のドアのあたりをウロウロしていたようです。そのうちに道路の真ん中に佇んでいた方も道を空けてくれたので先に進むことができました。
 ちなみにシカと衝突した場合には車が負けるようです。シカとぶつかって車が廃車になった(なおPCは「車が歯医者になった」などと訳の分からないことを言っています)例もあるようで、シカと衝突すると被害が甚大なものになります。オーストラリアの車はカンガルーとぶつかっても耐えられるようにバンパーが強化されているそうですが、北海道の車もシカ用にバンパーを強化したりはしないんでしょうか。あ、でも普通の人はシカが道を歩いているような時間に車に乗らないですかね。

釧路の夜景

釧路に到着

 野生動物に目を凝らしながら爆走していたぼくの目に、釧路の明かりが飛び込んできました。もちろんこの場合の「飛び込んできた」というのは物理的に飛び込んできたというわけではなくて、あくまで比喩表現にすぎません。本当に明かりが目に飛び込んできたら怖いですね。
 前にも書いた気がしますが、北海道の何もない夜道を走っていて都市部の明かりが見えてきたときの安心感というのはなかなか大きなものがあります。しかも、釧路は北海道の中では大きな都市に分類されるというか道東だとおそらく最大の都市ですから、その規模もなかなかのもの。そして、夜景を眺めるならぼくは釧路の夜景をオススメしています。函館山には行ったことがないので比較できませんが、運河に沿って街灯が並んでいるのは壮観です。
 ホテルにチェックインして、夕飯を食べに出かけます。食べにというか買いにですね。北海道にはセイコーマートという力強い味方がいますから、セイコーマートを探しに出たというわけです。ここ数日の夕食はすべてセイコーマートでした。カツ丼おいしいよ。
 しかしセイコーマートが見つからないのでウロウロしていると、キャッチのオジサンが「お店お探しですか?」と声をかけてきました。「はい、セイコーマートを探してます」と答えると丁寧に教えてくれたので教わった通りに歩いて、無事夕飯の確保に成功しました。今考えるとオジサンの言う「お店」というのはいわゆる「接待を伴う飲食店」のはずですが、それでも道を教えてくれたオジサンは優しい人ですね。
 この接待を伴う飲食店という表現は2020年になってから日本に導入されたものだと思いますが、この表現を考案した人はなかなかにいい仕事をしたと思います。接待を伴う飲食店というのは要するにキャバクラあるいはホストクラブのことですから、この表現が生み出されていなかったら報道番組で「キャバクラ」「ホストクラブ」という言葉が連呼されていたことになります。まあ別に構わないだろうという気もしますが、子どもも見る番組でそういう言葉があまりにも頻繁に飛び交うのは適切ではないでしょう。家で「ママ、接待を伴う飲食店って何?」と子どもに聞かれて親が答えに詰まる、みたいな光景は繰り広げられていたかもしれませんが。
 また話が脱線していますが、この日のぼくは洗濯をしなければいけないことが確定していました。しかし、このホテルにはコインランドリーというものがないそうで、街中に再び繰り出すことに。しかし、Appleのマップを頼りにコインランドリーに行ってみたらそこはなんと自動車整備工場でした。それ以来、Appleのマップは信用していません。Googleマップの方が優れていると思います。結局、翌日の宿で100円で洗濯機が使えたので結果オーライなのですが、9月のそこそこ寒い北海道の夜を散歩させられる羽目になってしまいました。

こんなところにアトレが!
多分JR東日本のアトレとは関係ありません。

おはようございます

 さて、翌日になりました。今日の朝食ももちろんセイコーマートで買ったおにぎりです。ホテルの朝食の四分の一くらいの値段で済ませることができました。こんなにうれしいことはありません。
 今日の目的地は帯広です。まあ、帯広と言っても帯広駅からはだいぶ離れたところなのですが、そんなところでも行けるのが来るまで旅行している旅人の特権。一泊5000円くらいの宿でした。この宿の主人がなんと参政党支持者だったというとんでもないオチがあったわけですが、それはまた次回に回したいと思います。現状で字数が5000字に迫る勢いであること、翌日は日高本線の廃線跡をたどるという重要な行程だったことからそれを今日だけで記述しきるのは不可能だからです。とりあえず、今日は釧路を出て、襟裳岬を経て狩勝峠経由で帯広に行くという予告までで記事を終わらせておきたいと思います。

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