第八話 最悪の復活・絶対両断刀

 歴史修正、タイムスリップ、いずれにしても無限大のエネルギーを必要とする。我々の住む世界、いろいろな説が出てきているが、詳しい説明もなく、何一つとして証明していない。『ゲームの世界ではないのか?』などと言い出す者もいる。そういう世界もあるだろう。創造を間違えてしまえば、バグなどの現象も起こりえるだろうか、アルベドがバグの様な存在だとしたら、説明がつくだろう。

「しかし、俺のタイムスリップはそんなくだらない説ではない!」

 アルベドとごく一部しか聞こえないだろう別世界の爆音、一つの世界をエネルギーとしてタイムスリップする。当然、外の世界にも限りがある。

「ち、これ以上のタイムスリップには『隣の世界』がもうないか、もし、それを計算しているとすれば、俺も命を賭けなければならないのかもな………」

 アルベドが王の間に宦官共を招集する。

「王の帰還だ。さて、何か報告はあるか?」

 突如玉座に現れるアルベド、その姿、声、立ち振る舞い。圧倒される宦官ら、圧倒されたのはアルベドが原因ではない。宦官共が怯えているのは別の人物だ。

「獄道 沙伊治(ごくどう さいぢ)、一度ならず、二度までも絶対両断刀を攻略しました。激怒して暗殺に向かった者もおりますが、獄道 沙伊治は既に看破しておりました。」

 気に入らない。目前たる王ではなく、別の存在に臆している。アルベドの表情が一変した。その理由は宦官らに理解できるはずがない。宦官らの思考は保身、獄道 沙伊治はアルベド自ら消し去りに行く。それが宦官共の狙い。だが、アルベドが考えていたのは、宦官共が臆病風に吹かれているということ、それを許したりはしない。『裏の王』が強者であること。座して口だけの皇帝、この差は統治者の在り方を大きく変える。

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