第十三話 ベルーラの戦術と悪夢の予知夢

 屍 髑髏(しかばね どくろ)率いる裏の軍勢、その矛先は大陸全土へと向けられた。その勢いは激しく、国家騎士団でも対抗することができなかった。市民は巨人の死人(ジャイアント・ゾンビ)に蹂躙され、死体は髑髏の死霊術により、生ける屍(ゾンビ)とされ、永遠の奴隷とされた。そんな中、国が出した命とは、戦線を離脱することであった。それは、国民を見捨て、防衛線を下げると言うことを意味した。この命令に逆らって、忠義に溢れる騎士達は、圧倒的な戦力の中、獅子奮迅の働きを見せるも、死体が増えるだけで、敵兵力は時間と共に比例して増加していった。やがて、騎士団の兵力が5割吸収され、戦意喪失の色を隠せなかった。仕方なく、火を放ち、火炎地獄と化した街から多くの騎士団達が撤退した。逃げ遅れた国民たちは犠牲となることを余儀なくされた。

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