アメリカ合衆国は
「人種のサラダボウル」という
表現をされることがあります。

これに対してブラジルなどの
南米諸国では
「人種のるつぼ」という
表現をされることがあります。

どう違うのか? …一言で言えば
「溶けていないか、溶けているか」。

多種多様な人種が独自性を保って
混血が進んでいないことが多いなら
「サラダボウル」です。
混血が進んで溶けることが多いなら
「るつぼ」です。
(もちろん傾向で、例外はあります)

翻って、日本はどうでしょう?
国際化が進んだと言っても、
そこは海で囲まれた島国です。
人種的には、他国に比べるとですが、
いまだに
サラダボウルとも、るつぼとも
言いづらい状況だと思います。

しかし、外見にはあらわれない
内面の「価値観」に注目すると。

私は
「価値観のサラダボウル」化や
「価値観のるつぼ」化、
これらがだいぶ進んでいるように
感じるのです。

「価値観のサラダボウル化」とは、
多種多様な価値観があるけれど
それぞれは溶け合わずに
独自性を保っていることを指します。

「価値観のるつぼ化」とは、
多種多様な価値観がある中で、
それぞれが溶け合っていることを
指します。

社会全体を考えますと、
まさに百花繚乱の価値観があります。
「シンジラレナーイ」と言いたくなる
価値観を持つ人、いますよね…。
異世代間や異地域間での価値観の断絶、
同世代内や同地域内での価値観の断絶、
これらもよく見かけます。

…ここまでスケールを大きくしなくとも、
ひとつの組織(家族でも良いです)の中でも、
同じことが言えるのではないでしょうか。

ただし組織内においては、
トップの意向とカルチャーの傾向、
これによりサラダボウルかるつぼかが
変わってきます。

価値観の多種多様性を重視して
断絶、無理解もいとわない。
そういう「サラダボウル」なのか?

価値観の統一を重視して
できるだけ同じ味わいにしがち。
そういう「るつぼ」なのか?

…読者の皆さんの組織は
いかがですか?

「同じ入れ物」に入っている以上、
共通の味、ベースの味は
あるとは思いますが、
一人ひとりの価値観は
溶け合っていますか? いませんか?

どちらかにすべきだ、という
単純な問題ではありません。
サラダボウルであれば
良く言えば、個を尊重し刺激がありますが
悪く言えば、まとまりがない。
るつぼであれば
良く言えば、一致団結ワンチームですが
悪く言えば、みんな金太郎飴になりがち。

100%同じ、100%違うは
あり得ないにしても、
その組織が、どちらを志向しているかで
ずいぶん変わるように思います。

ただ、一つ言えることは。

「自分の価値観を尊重してほしい」
独立独歩な人が
るつぼ組織に入ってしまう。
「価値観を統一してほしい」
協調性豊かな人が
サラダボウル組織に入ってしまう。
…これはとてもストレスフルで
ミスマッチングだと思うのです。

あなたは、どちらが良いですか?
あなたの組織は、
どちらの傾向が強いでしょうか?

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