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「共稼ぎ」という言葉がある。
「ともに働いて稼ぐ」という意味。
ふつうは結婚して、
その夫と妻が両方が働いて
収入があることを指す。

この言葉に対して
「別稼ぎ」ではないか?
という声がある。
それぞれが「別」の仕事をして
別々に稼いでいる、のであれば
「共」稼ぎというのは違うのでは…
という論法だ。
この視点から見れば、
真の「共稼ぎ」とは、
夫婦経営のカフェとかラーメン屋とか
そういうものでしか成り立たない。

だが、私はやはり、
たとえ別々のことで稼いでいても
「共稼ぎ」だと思うのだ。
家族を経営的な観点から見て、
一つの家計、一つの経営母体として
とらえるのであれば。

最近は、家計を1つにまとめずに、
それぞれ別の財布、貯金通帳で
管理
している家族も多いという。
一社専業の夫、専業主婦の妻が
多数派であった高度経済成長期的な
一時期を除いて、
それぞれ別の管理をするほうが
やりやすい、ということもあるだろう。
もちろん、無駄遣い等を避けるために
一緒にする家族もまた多い。

折衷案の「基金」的な運営をしている
家族
もまた多いだろう。
つまり、夫の財布、妻の財布とは別に
「家計の財布」として
別の基金(通帳)を作り、
共通で使用するお金を入れる。

…つらつらと書いてきたが、
会社組織が様々な経理をするように
家族組織もまた様々な経理を
しているものだ。
そしてそれは意外にも
他の家族のことはわからないもの。
「えっ、そんなふうにやってるの?」
と驚くこともあると思う。
人は誰でも、自分たちのやり方が
唯一だと錯覚しがちなものだから。

最近は、これに「子ども」の経理も
加わっているのかもしれない。
小学生や中学生だって
ユーチューバーなどで稼げる時代だ。
それを親がすべて管理する、
というのが唯一絶対とも思われない。
「総稼ぎ」の時代なのだ。

もちろん、扶養と所得上限の問題や、
税金の問題、それぞれのプライバシー、
世代間による価値観の相違、などの
問題もちらついてくる。
なかなかに複雑な問題である。

さて、読者の皆様の
家計はどうなっているだろうか?
独身、既婚、同居、別居を問わず、
家計は自分の生活を支える大事なもの。
どのように、運営していますか?
見える化されていますか?
あえての見せない化、つまり
「へそくり」などの埋蔵金はありますか?

『逃げるは恥だが役に立つ』のヒットで
家族を1つの経営母体と
とらえる視点が普及してきた。
共同経営、協働経営、完全分業…。
親の介護や子育てなどにおいては
きょうだい等が部分的に加わる
「パート」や「派遣」的な参加だって
ありうるかもしれない。

メインの収入とサブの収入、
家族間での役割分担もあれば
1人の中での複業体制もあるだろう。
事業承継、すなわち相続も重要だ。

家族内での多角化経営。

リスクヘッジを考えて、
さまざまな選択肢や戦略を持って、
備えておく時代に、
私たちは生きているように思う。
「お金」だけでなく
「生き方」のすり合わせも含めて…。

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