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昼と夜の概念をゲームに取り入れ
世界観に深みを増したのが
ご存知『ドラゴンクエストIII』。

街は、昼と夜とで装いを変えた。
夜にしか話せない夜の住人が
大事なヒントを持っていたりする。

仮装現実のゲームの中で
現実社会の実相を垣間見せてくれた
ドラクエIIIであった。

さて、このゲームには
ラナルータという呪文がある。
昼と夜とを逆転させる。
まさに魔法だ。

本投稿の主題に入ろう。
…日本でのインターネットの歴史は
このラナルータではなかったか。

…いなお、何言い出すんや?

と思った読者の方のために、
少々、蛇足の説明をしていく。

インターネットはそもそもが
冷戦時代の産物であった。
いかに情報を共有し
適切に行動するかが
軍隊の力を左右する。

冷戦体制が崩壊し、
その技術は民間に向かった。
しかし初期のインターネットは
まだ学者や好事家のものに過ぎず、
大衆化するには1995年、
Windows95の発売を待たなければ
ならなかった。

いよいよ一般人がその
ネットの力を手にした時…
主に『夜』の世界の中で
やり取りが行われたのである。

元々は軍事技術、機密の名残か?
オタクと呼ばれた陰キャラの
飛び道具か?
まだSNSは市民権を得ていない。
『昼』の表舞台でネットは、
なかなか活躍出来なかったのだ。
ネットユーザーは2ちゃんや
チャットルームにて、
その背徳的とも言える
闇のやり取りを重ねていた。

さて。時は下り、2004年。
今から17年ほども前のこと。

その2ちゃんのある板(スレ)にて
電車の中で酔っ払いに
絡まれた女性を助けて
お礼を言われた、と書いた男がいた。
さらに数日後、助けたお礼に
エルメスのティーカップが
届けられたという書き込みがあった。

そのスレの「夜の住人」たちが
沸きに沸いたのは想像に難くない。
『電車男』と『エルメス』の
恋の物語が始まりである。

現実か創作かは、この際、
問題ではない。

この話は夜を越えてなんと
テレビドラマにまでなって、
いわゆる『オタク』が昼の世界でも
市民権を得ていったのである。

時をほぼ同じくして、徐々に
『昼の世界』にも
IT革命の名の下に
パソコンとモバイルが普及していく。

そう、まるでラナルータのように…。

日本でのインターネットの歴史は
夜に始まり、昼に変わった。

しかし今、明るくなったはずの
ネット中では、誹謗中傷などの
『闇』も広がっている。

私たちネットユーザーは、
自分の心の中に
夜の闇が広がりそうになった時、
すぐさまラナルータを唱える
勇気が必要ではないだろうか。

電車男のように…。

さて、ここまで読んで下さったあなた。
ネット社会の夜と昼、
どのように過ごしてきましたか?

(補足)

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